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呼び出し
「左が甘い! これが実戦なら今頃命はないぞ!」
戦線から戻って二日後騎士団の訓練は再開され、第一騎士団の練習場ではいつもどおりフェリクスの厳しい声が響いていた。
「フェリクス様!」
第一騎士団の団員たちと剣を交えて彼らの弱点を細かく指摘する訓練を行っていると、すぐ隣で団員達に指導をしていたバルトに声を掛けられた。
「フェリクス様。貴方は皆と違って戦線から帰っても、体を休ませていません。あまり無理しないでください」
「大丈夫だ。それより夕刻からダントルグスト大公主催の祝勝会に招待されている。戦に参加した騎士たちを招待せず、貴族ばかりで祝賀会とは感心しないが、今回はゴルール城ではなくヤツの別邸で行われるそうだ」
フェリクスが言うと、バルトは眉を顰めた。そして、団員に話を聞かれないためにフェリクスを練習場の端に誘った。
「ちょっと待ってください。大公の別邸で行われるパーティーはオメガのあなたには危険すぎます! お一人で行かれるつもりですか?」
「バルト!」
誰にも声が聞こえない位置であることを確認してバルトは小さな声で言ったが、訓練場でフェリクスがオメガだという機密事項を口にしたのでフェリクスは彼を睨みつけた。
「……しかし、大公の別邸でのパーティーはオメガを集めて接待させるような危険なものだと聞いています」
フェリクスが睨んでも、バルトは言葉を続けた。
「ゴルール城はヤツの隙を見て散々捜索したが、アンダーバーの黒幕が奴だという証拠は何も出てこなかった。恐らく危険なものは別邸に隠しているんだろう。別邸に入り込めるのはまたとないチャンスなんだ。それにあいつは俺がオメガだなんて気が付いてはいない」
「一昨日アンダーバーのオークション会場に潜入した際、フェリクス様は子どもを助けるために、正面玄関の近くまで行ってしまったため、ダントルグストが貴方をアンダーバーに逆らうものだと認識した恐れもあるのに、お一人で行かれるのは危ないです」
フェリクスの言うことには何でも従うバルトだが、珍しく頑なに譲らない。
「ダントルグストが俺を怪しんでいるなら、お前が心配していたとおり昨日にでも俺を捕らえに来て何らかの理由をつけて牢にぶち込んでいるはずだ。昨日のうちに何もなかったのだから、気付かれていないと俺は思っている。それにオメガの接待をするつもりなら、帝国の協力者が誰なのか知ることができるかもしれない」
心配で言い募るバルトにフェリクスは取り付く島もないように言い放った。
「フェリクス様っ……それに今は発情期を薬で抑えている状態のときでしょう? 行くべきではないです」
一昨日の夜に発情期が来てしまったことはバルトにはバレてしまっている。
「バルト、離せ。みんなが何ごとかと思うだろ。それによく効く薬をしっかり服用しているから問題はない」
バルトは思わずと言ったようにフェリクスの肩を掴んだが、フェリクスはにべもなく言い放った。
二人が一旦訓練から抜けても引き続き訓練を続けている第一騎士団の団員達だったが、二人が言い争っているのか気になっているだろう。
普段はフェリクスの言うことになら何でも従うバルトが、フェリクスに意見している姿も団員達には珍しく映るということは容易に推測できた。
「お願いです。ダントルグストのもとに行くなら俺も一緒に連れて行ってください」
「いや。むしろ二人で行って二人とも消されたら、アンダーバーを潰すことができなくなってしまう。お前は万が一のときに備えて待っていてくれ。この祝賀会にはおそらくオークションへの参加者やダントルグスト以外の黒幕も参加しているだろう。俺はそれを探ってくる。もしダントルグストが黒幕だという確固たる証拠が掴めれば、クランブルグ帝国に持って行き公の場で裁いてもらえる」
「万が一ってなんですかっ……貴方に何かあったら……」
「『万が一』だ。きっと何もないし、あったとしても俺は無事に帰って来る。お前に守ってもらわないといけないほど俺は弱く見えるのか?」
鋭い瞳でフェリクスはバルトを睨みつけた。
「……そんなこと思っていません。何度も言っています。ただ、ダントルグストは巨悪です。第一騎士団長といえども消されてしまうこともあるということを貴方はわかっているはずです!」
「……今回は他の黒幕や関係者の捜査を水面下でするだけだ。招待されているのは俺だけなのに、お前を連れて行くのもおかしな話で、逆に一人で大公のもとへ行けない理由があるのかと勘繰られる」
正直に言うと、ダントルグストのもとに訪れるのは危険だとフェリクスも思っていた。
だが、これまで何をしても証拠を掴めなかった。
危険な人物ばかりがやって来るダントルグストのパーティーに顔を出すくらいのことをしなければ、証拠は掴めないのだ。
年々アンダーバーの主催する人身売買のオークションの規模も大きくなっていることにより、一昨日のようにすべての子どもを安全に救い出すことも難しくなってきている。
一刻も早くアンダーバーを潰さなければ子どもたちの身どころか、フェリクスに協力してくれているバルトやフィーも危険に晒してしまうことになるとフェリクスは焦り始めていた。
「……わかりました。ただ、日付を超えても貴方が戻らなかった場合、俺は動きます。絶対にそれまでには帰ってきてください」
「バルト……もし俺がダントルグストのところから帰れない事態になっている場合、お前が来たら危ない。そうなった場合は城下町に駐在しているクランブルク帝国の治安維持隊に相談してくれ。ゴルール公国は警備隊もなにもかもダントルグストの手の中にあるからな」
「いいえ。俺が行きます」
「バルト……っ危ないんだ! わかってくれ!」
いつもはなんでも二つ返事でフェリクスの言うことを呑むバルトが自分の意見を譲らないので、フェリクスは声を荒らげた。
「わかりました。帝国の治安維持隊には連絡を入れますが、十二時に戻って来なければ、俺もそこに行く、と思えば貴方も危険なところから一歩引くでしょう? 違いますか?」
バルトは真っ直ぐフェリクスに視線を向けて問うた。
強く、逞しく、賢く金獅子の王のように成長した彼の真っ直ぐな視線に晒されていると、フェリクスは自分がいかに穢れているか彼に相応しくないか詳らかにされているような気持になり、フェリクスはさっと視線を下げた。
「……わかった。十二時までには帰る。それでいいんだろ」
フェリクスは俯いて言った。
「はい。必ず、無事に帰って来てください」
フェリクスは俯いていたので、バルトがどんな瞳でその言葉を口にしたのかわからなかったが、後から思うと何か決意のようなものを滲ませているような声にも聞こえた。
戦線から戻って二日後騎士団の訓練は再開され、第一騎士団の練習場ではいつもどおりフェリクスの厳しい声が響いていた。
「フェリクス様!」
第一騎士団の団員たちと剣を交えて彼らの弱点を細かく指摘する訓練を行っていると、すぐ隣で団員達に指導をしていたバルトに声を掛けられた。
「フェリクス様。貴方は皆と違って戦線から帰っても、体を休ませていません。あまり無理しないでください」
「大丈夫だ。それより夕刻からダントルグスト大公主催の祝勝会に招待されている。戦に参加した騎士たちを招待せず、貴族ばかりで祝賀会とは感心しないが、今回はゴルール城ではなくヤツの別邸で行われるそうだ」
フェリクスが言うと、バルトは眉を顰めた。そして、団員に話を聞かれないためにフェリクスを練習場の端に誘った。
「ちょっと待ってください。大公の別邸で行われるパーティーはオメガのあなたには危険すぎます! お一人で行かれるつもりですか?」
「バルト!」
誰にも声が聞こえない位置であることを確認してバルトは小さな声で言ったが、訓練場でフェリクスがオメガだという機密事項を口にしたのでフェリクスは彼を睨みつけた。
「……しかし、大公の別邸でのパーティーはオメガを集めて接待させるような危険なものだと聞いています」
フェリクスが睨んでも、バルトは言葉を続けた。
「ゴルール城はヤツの隙を見て散々捜索したが、アンダーバーの黒幕が奴だという証拠は何も出てこなかった。恐らく危険なものは別邸に隠しているんだろう。別邸に入り込めるのはまたとないチャンスなんだ。それにあいつは俺がオメガだなんて気が付いてはいない」
「一昨日アンダーバーのオークション会場に潜入した際、フェリクス様は子どもを助けるために、正面玄関の近くまで行ってしまったため、ダントルグストが貴方をアンダーバーに逆らうものだと認識した恐れもあるのに、お一人で行かれるのは危ないです」
フェリクスの言うことには何でも従うバルトだが、珍しく頑なに譲らない。
「ダントルグストが俺を怪しんでいるなら、お前が心配していたとおり昨日にでも俺を捕らえに来て何らかの理由をつけて牢にぶち込んでいるはずだ。昨日のうちに何もなかったのだから、気付かれていないと俺は思っている。それにオメガの接待をするつもりなら、帝国の協力者が誰なのか知ることができるかもしれない」
心配で言い募るバルトにフェリクスは取り付く島もないように言い放った。
「フェリクス様っ……それに今は発情期を薬で抑えている状態のときでしょう? 行くべきではないです」
一昨日の夜に発情期が来てしまったことはバルトにはバレてしまっている。
「バルト、離せ。みんなが何ごとかと思うだろ。それによく効く薬をしっかり服用しているから問題はない」
バルトは思わずと言ったようにフェリクスの肩を掴んだが、フェリクスはにべもなく言い放った。
二人が一旦訓練から抜けても引き続き訓練を続けている第一騎士団の団員達だったが、二人が言い争っているのか気になっているだろう。
普段はフェリクスの言うことになら何でも従うバルトが、フェリクスに意見している姿も団員達には珍しく映るということは容易に推測できた。
「お願いです。ダントルグストのもとに行くなら俺も一緒に連れて行ってください」
「いや。むしろ二人で行って二人とも消されたら、アンダーバーを潰すことができなくなってしまう。お前は万が一のときに備えて待っていてくれ。この祝賀会にはおそらくオークションへの参加者やダントルグスト以外の黒幕も参加しているだろう。俺はそれを探ってくる。もしダントルグストが黒幕だという確固たる証拠が掴めれば、クランブルグ帝国に持って行き公の場で裁いてもらえる」
「万が一ってなんですかっ……貴方に何かあったら……」
「『万が一』だ。きっと何もないし、あったとしても俺は無事に帰って来る。お前に守ってもらわないといけないほど俺は弱く見えるのか?」
鋭い瞳でフェリクスはバルトを睨みつけた。
「……そんなこと思っていません。何度も言っています。ただ、ダントルグストは巨悪です。第一騎士団長といえども消されてしまうこともあるということを貴方はわかっているはずです!」
「……今回は他の黒幕や関係者の捜査を水面下でするだけだ。招待されているのは俺だけなのに、お前を連れて行くのもおかしな話で、逆に一人で大公のもとへ行けない理由があるのかと勘繰られる」
正直に言うと、ダントルグストのもとに訪れるのは危険だとフェリクスも思っていた。
だが、これまで何をしても証拠を掴めなかった。
危険な人物ばかりがやって来るダントルグストのパーティーに顔を出すくらいのことをしなければ、証拠は掴めないのだ。
年々アンダーバーの主催する人身売買のオークションの規模も大きくなっていることにより、一昨日のようにすべての子どもを安全に救い出すことも難しくなってきている。
一刻も早くアンダーバーを潰さなければ子どもたちの身どころか、フェリクスに協力してくれているバルトやフィーも危険に晒してしまうことになるとフェリクスは焦り始めていた。
「……わかりました。ただ、日付を超えても貴方が戻らなかった場合、俺は動きます。絶対にそれまでには帰ってきてください」
「バルト……もし俺がダントルグストのところから帰れない事態になっている場合、お前が来たら危ない。そうなった場合は城下町に駐在しているクランブルク帝国の治安維持隊に相談してくれ。ゴルール公国は警備隊もなにもかもダントルグストの手の中にあるからな」
「いいえ。俺が行きます」
「バルト……っ危ないんだ! わかってくれ!」
いつもはなんでも二つ返事でフェリクスの言うことを呑むバルトが自分の意見を譲らないので、フェリクスは声を荒らげた。
「わかりました。帝国の治安維持隊には連絡を入れますが、十二時に戻って来なければ、俺もそこに行く、と思えば貴方も危険なところから一歩引くでしょう? 違いますか?」
バルトは真っ直ぐフェリクスに視線を向けて問うた。
強く、逞しく、賢く金獅子の王のように成長した彼の真っ直ぐな視線に晒されていると、フェリクスは自分がいかに穢れているか彼に相応しくないか詳らかにされているような気持になり、フェリクスはさっと視線を下げた。
「……わかった。十二時までには帰る。それでいいんだろ」
フェリクスは俯いて言った。
「はい。必ず、無事に帰って来てください」
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