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俺の彼氏には特別に大切なヒトがいる〜B面〜
B面11
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キスでぽやぽやしたままだったけれど、コータに導かれるように彼の家に向かった。二人で夜道を歩きながら心配してくれていただろう真琴に電話をした。
真琴は何度も俺にコータでいいのか? 無体なことをされてないのか? 心配そうに聞いてきた。俺もコータが好きだから、と真琴にきちんと伝えると最後にはそれならいいけど……と言ってくれた。コータに電話を代わると、コータは何だか真琴にすっごく怒られてたみたいだった。
でも電話の最後で「もう絶対に泣かせるようなことはしないから」って真琴にも俺にも誓うようにコータは言っていたから俺はちょっとだけ泣けて、もう早速泣かされてるんだけどって密かに思ったとき電話は終わった。
コータのうちでシャワーを借りるとぼんやりは少しおさまったけれど、部屋に戻った俺の姿を見てコータは片手で顔を覆っていた。
「あー……やっぱ俺の着るとこうなっちゃうよね……」
シャワーのあと着てねと渡されたスウェットは、今日は真琴のものではなくてコータのものだった。
「……やっぱ俺には大きすぎてみっともないよね……あ……あの真琴のがあればそっち借りるよ……」
コータのだとやっぱりどこもかしこもダボダボでみっともない。
みすぼらしい体が服の中で泳いでるみたいで恥ずかしい。
「まこちゃんのはダメ。サイズ近いからいいかなーと思ったんだけど、なっちゃんが他の男のもの着てぶかぶかさせてんの見たら、俺すげぇ妬けちゃったんだよね」
そんなことを言うから、俺は思わず目を丸めた。
「……でも俺のスウェット着てるなっちゃんはホントたまんない……」
ぶかぶかのスウェットの中に手を潜らせてくるから、俺はぴゃっと飛び退いた。
「触っちゃだめ……?」
飛び退いてベッドの上に逃げた俺に覆いかぶさるように聞いてくる。
「だめ……だめじゃないけど……」
もう触れ合うことがないんだと覚悟していたコータの腕の中にもう一度戻れたことが信じられなくて、馬鹿みたいに心臓がドキドキする。
俺の返事を聞いたコータの大きくて熱い手がスウェットの中に再び潜ってきて、薄い腹を撫で回したあと。
「んんっ……」
ひときわ弱い胸の先に指が触れた。
「可愛い……なっちゃん……だいすき………」
触れながら、唇に何度も小さなキスを落とす。
指先が優しく胸の先を転がすように触れる。
機嫌を伺うように、優しく舌先が唇の隙間をなぞると、腰が震えた。
お願い、入れさせて……
そう懇願するかのような仕種がたまらなくて、くちを開くとコータの舌が入り込んできた。
俺の舌に優しく絡んで、吸って、舐めて……
「んん………っ」
硬く尖ってしまった軽く胸の先をつままれて、全身に甘い痺れが走る。
あ、と思ったときには堪える方法なんて知らない俺のペニスはぐっしょり濡れていた。
「あー……ほんと可愛い……キスされながらおっぱい触られてイッちゃったの?」
「え………」
とにかく気持ちよくて頭がぼーっとしてしまって、ぽやん、としたままコータを見ると、ローションを取り出して両手で揉んで温めていた。
俺がひやっとしないように。
「今イッて力が抜けてるとこだから、慣らしていくね」
そう言って温かいローションをまとわせた指でゆっくり、ゆっくり時間をかけて後ろを解してから、きちんとコンドームを着けて挿入してきた。
「こ……コータぁ……っも、大丈夫だからぁ……」
ゆっくり時間を掛けて挿入するコータ。焦れったくて俺は気がおかしくなりそうなのに、コータはすごく落ち着いている。
俺のことを傷付けないように、痛くないようにっていうのは分かるけど、コータは最後に薄い被膜の中に精液を出すそのときまでもいつも落ち着いて優しい。
達する前になると、切なくて腰を揺らしてしまう俺とは大きな違いだ。
我慢できない彼にガツガツ穿たれる、なんていうことになったことはない。
「何でそんなに優しくできるの……っ」
気がおかしくなるほどゆっくり、ゆっくり出し入れされて、俺は思わず今まで我慢していたことをとうとう声に出してしまった。
「なっちゃん……?」
「ほ……ほんとに好きだったら……っもっと夢中になっちゃっうものじゃないの……」
もう思うことは全て素直に言ってもいいんだと思ってしまったら、止まらなかった。
「なっちゃん……もしかして、俺が余裕があるとでも思ってんの……?」
動きを止めて、コータは少しだけ眉を顰める。
「だって……いつもコータ余裕そうじゃん……っ違うの……?」
「全っ然わかってない……っ………俺がどんだけ我慢してると思って……っ!」
俺が言うとコータは怒ってるみたいな声で言った。
「我慢……我慢しなくていいっ……」
彼の逞しい腰に、脚をぎゅっと絡みつけて誘うように言う。
「俺が我慢しなかったら、どんなことされちゃうか、なっちゃんわかってない……っ」
唇を噛み締めた彼の表情は初めて見るもので、ものすごくドキドキした。
「わ……わかんないよ、そりゃ……されたことないもん……だから……されてみたいし、我慢できなくなってるコータ見たい……っ」
優しいセックスはたまらないけれど、そんな余裕嫌だよ。
余裕がないくらい溺れてるってところを見せるばかりじゃなく、見たいと思っちゃだめなの?
「ああっ………もう……………泣いたって止めてあげないからね……なつき、覚悟しな」
そう言ったコータの声はいつもよりずっと低くて、すごくいやらしくて、もしかしたら俺はとんでもないことを言ってしまったんじゃないかと思ったけれど、次の瞬間には貪られるように唇を塞がれて、そこからは自分の発言をどんなに後悔してももう彼の熱に溺れることしかできなかった。
真琴は何度も俺にコータでいいのか? 無体なことをされてないのか? 心配そうに聞いてきた。俺もコータが好きだから、と真琴にきちんと伝えると最後にはそれならいいけど……と言ってくれた。コータに電話を代わると、コータは何だか真琴にすっごく怒られてたみたいだった。
でも電話の最後で「もう絶対に泣かせるようなことはしないから」って真琴にも俺にも誓うようにコータは言っていたから俺はちょっとだけ泣けて、もう早速泣かされてるんだけどって密かに思ったとき電話は終わった。
コータのうちでシャワーを借りるとぼんやりは少しおさまったけれど、部屋に戻った俺の姿を見てコータは片手で顔を覆っていた。
「あー……やっぱ俺の着るとこうなっちゃうよね……」
シャワーのあと着てねと渡されたスウェットは、今日は真琴のものではなくてコータのものだった。
「……やっぱ俺には大きすぎてみっともないよね……あ……あの真琴のがあればそっち借りるよ……」
コータのだとやっぱりどこもかしこもダボダボでみっともない。
みすぼらしい体が服の中で泳いでるみたいで恥ずかしい。
「まこちゃんのはダメ。サイズ近いからいいかなーと思ったんだけど、なっちゃんが他の男のもの着てぶかぶかさせてんの見たら、俺すげぇ妬けちゃったんだよね」
そんなことを言うから、俺は思わず目を丸めた。
「……でも俺のスウェット着てるなっちゃんはホントたまんない……」
ぶかぶかのスウェットの中に手を潜らせてくるから、俺はぴゃっと飛び退いた。
「触っちゃだめ……?」
飛び退いてベッドの上に逃げた俺に覆いかぶさるように聞いてくる。
「だめ……だめじゃないけど……」
もう触れ合うことがないんだと覚悟していたコータの腕の中にもう一度戻れたことが信じられなくて、馬鹿みたいに心臓がドキドキする。
俺の返事を聞いたコータの大きくて熱い手がスウェットの中に再び潜ってきて、薄い腹を撫で回したあと。
「んんっ……」
ひときわ弱い胸の先に指が触れた。
「可愛い……なっちゃん……だいすき………」
触れながら、唇に何度も小さなキスを落とす。
指先が優しく胸の先を転がすように触れる。
機嫌を伺うように、優しく舌先が唇の隙間をなぞると、腰が震えた。
お願い、入れさせて……
そう懇願するかのような仕種がたまらなくて、くちを開くとコータの舌が入り込んできた。
俺の舌に優しく絡んで、吸って、舐めて……
「んん………っ」
硬く尖ってしまった軽く胸の先をつままれて、全身に甘い痺れが走る。
あ、と思ったときには堪える方法なんて知らない俺のペニスはぐっしょり濡れていた。
「あー……ほんと可愛い……キスされながらおっぱい触られてイッちゃったの?」
「え………」
とにかく気持ちよくて頭がぼーっとしてしまって、ぽやん、としたままコータを見ると、ローションを取り出して両手で揉んで温めていた。
俺がひやっとしないように。
「今イッて力が抜けてるとこだから、慣らしていくね」
そう言って温かいローションをまとわせた指でゆっくり、ゆっくり時間をかけて後ろを解してから、きちんとコンドームを着けて挿入してきた。
「こ……コータぁ……っも、大丈夫だからぁ……」
ゆっくり時間を掛けて挿入するコータ。焦れったくて俺は気がおかしくなりそうなのに、コータはすごく落ち着いている。
俺のことを傷付けないように、痛くないようにっていうのは分かるけど、コータは最後に薄い被膜の中に精液を出すそのときまでもいつも落ち着いて優しい。
達する前になると、切なくて腰を揺らしてしまう俺とは大きな違いだ。
我慢できない彼にガツガツ穿たれる、なんていうことになったことはない。
「何でそんなに優しくできるの……っ」
気がおかしくなるほどゆっくり、ゆっくり出し入れされて、俺は思わず今まで我慢していたことをとうとう声に出してしまった。
「なっちゃん……?」
「ほ……ほんとに好きだったら……っもっと夢中になっちゃっうものじゃないの……」
もう思うことは全て素直に言ってもいいんだと思ってしまったら、止まらなかった。
「なっちゃん……もしかして、俺が余裕があるとでも思ってんの……?」
動きを止めて、コータは少しだけ眉を顰める。
「だって……いつもコータ余裕そうじゃん……っ違うの……?」
「全っ然わかってない……っ………俺がどんだけ我慢してると思って……っ!」
俺が言うとコータは怒ってるみたいな声で言った。
「我慢……我慢しなくていいっ……」
彼の逞しい腰に、脚をぎゅっと絡みつけて誘うように言う。
「俺が我慢しなかったら、どんなことされちゃうか、なっちゃんわかってない……っ」
唇を噛み締めた彼の表情は初めて見るもので、ものすごくドキドキした。
「わ……わかんないよ、そりゃ……されたことないもん……だから……されてみたいし、我慢できなくなってるコータ見たい……っ」
優しいセックスはたまらないけれど、そんな余裕嫌だよ。
余裕がないくらい溺れてるってところを見せるばかりじゃなく、見たいと思っちゃだめなの?
「ああっ………もう……………泣いたって止めてあげないからね……なつき、覚悟しな」
そう言ったコータの声はいつもよりずっと低くて、すごくいやらしくて、もしかしたら俺はとんでもないことを言ってしまったんじゃないかと思ったけれど、次の瞬間には貪られるように唇を塞がれて、そこからは自分の発言をどんなに後悔してももう彼の熱に溺れることしかできなかった。
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