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3章
寮の部屋に訪れたのは
ユノとサランが二人きりでいる時を狙ってはやって来る三人と、時折ではあるがにぎやかに過ごす毎日を送るうちに、魔女学校との交流会の日はあっという間にやってきた。
生徒会役員であるユノ達と違い、サランは交流の時間は魔女学校に通う女友達と久しぶりにおしゃべりをする気楽な時間だった。
そんな交流会自体よりも、サランにとっては大事なことがあった。その夜に行われる晩餐会と舞踏会に生徒会役員という立場でユノは初参加するため、身なりを整える手伝いをすることがサランにとっては本日最大のミッションだった。
あのイヴァンのパートナーとして出席するらしいユノの準備を整えるのは自分の仕事だ!とサランは意気込んでいた。
交流会の昼のプログラムはユノたち生徒会役員の入念な準備のお陰で滞りなく行われ、サランは終わると誰よりも早く箒を飛ばして寮の部屋に帰った。
ユノが心を落ち着けることができるように、ハーブティを用意して、髪をセットするための道具を揃えて、シャツの皺を綺麗にすると、先にサランは自分の着替えを済ませてしまう。同級生の皆とスタンダードクラスのエリアで参加するので、ユノほど頑張る必要もないので、さっさと支度を済ませ、ユノが戻るのを待った。
「ただいま……ってサラン、準備するためにもしかして早く帰ってくれたの? ありがとう!」
寮の部屋の様子を見てユノが目を見開いて感激してくれた。
「うん。ユノはそのままでも十分素敵だけれど、少し手を加えることで晩餐会用のエレガントなユノにすることができるからね。さぁ、髪を整えるからこの椅子に座って。少し時間かかるから、僕がやっている間ハーブティでも飲んでいてね」
「すごい……! 前に城下町に行ったときに通りかかったサロンみたい!」
「貴族が通う本格的なものには負けるけどね」
ユノの髪を纏めるために用意した、ユノの香りと合う優しい香りの香油を手に取り、入念にユノの髪にもみ込んでいく。
すると、不意に部屋のドアがノックされた。
サランがユノの髪をセットする手を休めず、「どうぞ!」と開錠する魔法を使うと、現れたのはイヴァンだった。
「イヴァン!?」
「お届けものがあってね」
現れたのは正装を身にまとったイヴァンだった。
彼はどうやらキリヤからユノへのプレゼントである燕尾服を届けに来たらしい。
見るからに高価なその燕尾服にユノは尻込みをして見せたが、今日のユノは生徒会役員としてハイクラスの貴族達と並んで晩餐会に参加しないといけないのだ。
サランが用意したものも自信を持って勧められる品物だが、貴族の正装と混ざると見劣りしてしまうことは今目の前にいる完璧な正装をしたイヴァンを見ていても分かることだ。
恋敵からのプレゼントに身を包むユノを見るのは複雑だが、それよりも晩餐会にはより素敵な服を着て堂々とした気持ちで参加してほしかったので、サランは燕尾服を受け取るように熱心に勧めた。
イヴァンとサランの二人に押し切られる形でユノは燕尾服を試しに着用した。
すると、現れたのはどこの貴公子かと思うほど麗しいユノだった。
はやりキリヤは悔しいほどにユノのことをわかっている。
「……っ、ユノ……っ!」
「あ……やっぱり似合ってない……よね……」
感激のあまりサランが声をこぼすと、ユノは勘違いしたようだったが、イヴァンがすぐにそれを否定するように優雅に顔の前で手を振った。
「違うよ。逆だよ。ね。サラン?」
サランはこくこく、と首を激しく縦に振った。
「うわぁ……ぴったり過ぎて贈り主怖っ。でもすごく似合ってるよ! ユノ! 絶対それで晩餐会に参加したほうがいいっ!」
「ええ……?」
「サランの言うとおりだよ。すごく似合っている」
「僕の貸す服じゃイヴァンの隣だと少し浮いちゃうかもしれないから、ちょうどよかったんじゃない?」
サランはできるだけユノが燕尾服を選ぶことをサランに申し訳ないなんて思わないようにさらりと言った。
ユノは迷っていたが、結局はキリヤの贈った燕尾服を着ることにした。
よりいっそう素敵になるユノをみんなに見られるのは寂しくもあったが、きっとこれで生徒会の一員としてユノのことは誰もが認めざるを得なくなるはずだ。
着替えたユノにヘアセットの続きをしていると、すると今度はノックなしで部屋の扉が再び開いた。
「平民は部屋に鍵も掛けねぇのかよ」
そう言って不用心なことに眉を顰めながら入ってきたのは、アンドレアだった。
サランはアンドレアを見て、驚いて固まってしまった。
戴冠式の時は軍服だったが、今日はアンドレアも漆黒の燕尾服に身を包んでいたが、それは野性味が強い彼が実はかなり育ちがよくエレガントな一面も持ちあわせているのだということが感じ取れた。
そう、率直に言うと不覚にもサランは彼の装った美しい姿に見とれた。
思わずうっとりと彼を見てしまうと、燃えるような熱い視線とばっちりぶつかってしまった。そこで、サランははっと我に返った。
「ちょっと! 勝手に入ってこないでよ! 鍵はイヴァンを入れてあげたあとに締め忘れただけだから!」
サランはいつも通りに振る舞わなければと思いすぎて、ややキツめに声を上げてしまったが、サランの言い分などどこ吹く風の様子であるアンドレアは部屋へずかずか踏み込んでくる。
アンドレアはユノの装いを上から下へ眺めると、うっとりするように赤い目を細めてよく似合っていると、称賛した。
「あ……ありがとう……」
ユノは照れくさかったのか、恥ずかしそうに頬を赤らめ礼を言った。
二人のそんな姿を見たその時、サランの胸の中に言いようのない気持ちがあふれた。大好きなユノに想いを寄せる男を疎ましく思うような気持ちとは違う、なにか。
「ね。アンドレアはお世辞なんか言いそうにないでしょう? この燕尾服で参加するのが正解だよ。ところでアンドレアはなんの用事でこの部屋に来たんだい?」
イヴァンの口調はいつもどおりであったため、サランはそこではっと我に返った。
うっとりとした目でユノを見ていたくせに、アンドレアはサランの視線を移すと、からかうように笑ってから、ベッドにどっかり座って口を開いた。
「どうせ平民は学校まで歩いて行くか箒で行くかだろうと思って、馬車で迎えに来てやった」
「あーー! ちょっと! 僕のベッドに座らないでもらえます!?」
先ほどアンドレアとユノを見て感じた思いと、そのあとサランに向けたからかうようなふざけた視線とで、サランの心はなぜかぐしゃぐしゃになってしまいそれを誤魔化すように声を張り上げた。
「うるせぇな。狭い上にソファもねぇんだから仕方ないだろうが。っとに、貧乏くせぇ部屋だな」
「なっ……あんたこそ部屋の主に許可を取ることもなく図々しくベッドに座ったりして、マナー違反じゃないの? 上流階級のくせにそんなことも知らないの?」
「なんだと!? てめぇ誰に向かって」
ユノに片思いしていることはサランと同じなので同情していたし、アンドレアとの小競り合いはポンポン言葉を交わし合うのでそのリズムが楽しくもあったが、何だか説明できない変な気持ちとユノとの扱いがあまりにも違うのが妙に悲しく感じた。ユノのことが好きなんだから、ユノにアンドレアが優しくするのは当たり前だとは思うが、こんなにも差をつけて扱うこともないんじゃないか。
そう思ったのが態度に出てしまったのか、言葉がいつも以上にきつくなってしまった。
「サランっ! アンドレアっ! メープルのクッキー食べる?」
ユノはいつものやり取りよりもサランの声に険があるのを感じたのだろう。慌てたように二人の間に入ってきた。これはユノの作る優しい味のクッキーを食べて気持ちを
落ち着かせよう、とサランは思った。
「……食べるっ!」
「……食う」
「ぶ……っ」
少しの静寂ののち、二人の声が重なったところでイヴァンとユノは吹き出すように笑った。
何だかよく分からないサランの中の動揺を、占術ができる敏いイヴァンに気づかれやしないか心配したが、大丈夫であったようだ。いや、もしかしたら気がついていて、いつもどおり振舞ってくれたのだとしたら有難かった。
生徒会役員であるユノ達と違い、サランは交流の時間は魔女学校に通う女友達と久しぶりにおしゃべりをする気楽な時間だった。
そんな交流会自体よりも、サランにとっては大事なことがあった。その夜に行われる晩餐会と舞踏会に生徒会役員という立場でユノは初参加するため、身なりを整える手伝いをすることがサランにとっては本日最大のミッションだった。
あのイヴァンのパートナーとして出席するらしいユノの準備を整えるのは自分の仕事だ!とサランは意気込んでいた。
交流会の昼のプログラムはユノたち生徒会役員の入念な準備のお陰で滞りなく行われ、サランは終わると誰よりも早く箒を飛ばして寮の部屋に帰った。
ユノが心を落ち着けることができるように、ハーブティを用意して、髪をセットするための道具を揃えて、シャツの皺を綺麗にすると、先にサランは自分の着替えを済ませてしまう。同級生の皆とスタンダードクラスのエリアで参加するので、ユノほど頑張る必要もないので、さっさと支度を済ませ、ユノが戻るのを待った。
「ただいま……ってサラン、準備するためにもしかして早く帰ってくれたの? ありがとう!」
寮の部屋の様子を見てユノが目を見開いて感激してくれた。
「うん。ユノはそのままでも十分素敵だけれど、少し手を加えることで晩餐会用のエレガントなユノにすることができるからね。さぁ、髪を整えるからこの椅子に座って。少し時間かかるから、僕がやっている間ハーブティでも飲んでいてね」
「すごい……! 前に城下町に行ったときに通りかかったサロンみたい!」
「貴族が通う本格的なものには負けるけどね」
ユノの髪を纏めるために用意した、ユノの香りと合う優しい香りの香油を手に取り、入念にユノの髪にもみ込んでいく。
すると、不意に部屋のドアがノックされた。
サランがユノの髪をセットする手を休めず、「どうぞ!」と開錠する魔法を使うと、現れたのはイヴァンだった。
「イヴァン!?」
「お届けものがあってね」
現れたのは正装を身にまとったイヴァンだった。
彼はどうやらキリヤからユノへのプレゼントである燕尾服を届けに来たらしい。
見るからに高価なその燕尾服にユノは尻込みをして見せたが、今日のユノは生徒会役員としてハイクラスの貴族達と並んで晩餐会に参加しないといけないのだ。
サランが用意したものも自信を持って勧められる品物だが、貴族の正装と混ざると見劣りしてしまうことは今目の前にいる完璧な正装をしたイヴァンを見ていても分かることだ。
恋敵からのプレゼントに身を包むユノを見るのは複雑だが、それよりも晩餐会にはより素敵な服を着て堂々とした気持ちで参加してほしかったので、サランは燕尾服を受け取るように熱心に勧めた。
イヴァンとサランの二人に押し切られる形でユノは燕尾服を試しに着用した。
すると、現れたのはどこの貴公子かと思うほど麗しいユノだった。
はやりキリヤは悔しいほどにユノのことをわかっている。
「……っ、ユノ……っ!」
「あ……やっぱり似合ってない……よね……」
感激のあまりサランが声をこぼすと、ユノは勘違いしたようだったが、イヴァンがすぐにそれを否定するように優雅に顔の前で手を振った。
「違うよ。逆だよ。ね。サラン?」
サランはこくこく、と首を激しく縦に振った。
「うわぁ……ぴったり過ぎて贈り主怖っ。でもすごく似合ってるよ! ユノ! 絶対それで晩餐会に参加したほうがいいっ!」
「ええ……?」
「サランの言うとおりだよ。すごく似合っている」
「僕の貸す服じゃイヴァンの隣だと少し浮いちゃうかもしれないから、ちょうどよかったんじゃない?」
サランはできるだけユノが燕尾服を選ぶことをサランに申し訳ないなんて思わないようにさらりと言った。
ユノは迷っていたが、結局はキリヤの贈った燕尾服を着ることにした。
よりいっそう素敵になるユノをみんなに見られるのは寂しくもあったが、きっとこれで生徒会の一員としてユノのことは誰もが認めざるを得なくなるはずだ。
着替えたユノにヘアセットの続きをしていると、すると今度はノックなしで部屋の扉が再び開いた。
「平民は部屋に鍵も掛けねぇのかよ」
そう言って不用心なことに眉を顰めながら入ってきたのは、アンドレアだった。
サランはアンドレアを見て、驚いて固まってしまった。
戴冠式の時は軍服だったが、今日はアンドレアも漆黒の燕尾服に身を包んでいたが、それは野性味が強い彼が実はかなり育ちがよくエレガントな一面も持ちあわせているのだということが感じ取れた。
そう、率直に言うと不覚にもサランは彼の装った美しい姿に見とれた。
思わずうっとりと彼を見てしまうと、燃えるような熱い視線とばっちりぶつかってしまった。そこで、サランははっと我に返った。
「ちょっと! 勝手に入ってこないでよ! 鍵はイヴァンを入れてあげたあとに締め忘れただけだから!」
サランはいつも通りに振る舞わなければと思いすぎて、ややキツめに声を上げてしまったが、サランの言い分などどこ吹く風の様子であるアンドレアは部屋へずかずか踏み込んでくる。
アンドレアはユノの装いを上から下へ眺めると、うっとりするように赤い目を細めてよく似合っていると、称賛した。
「あ……ありがとう……」
ユノは照れくさかったのか、恥ずかしそうに頬を赤らめ礼を言った。
二人のそんな姿を見たその時、サランの胸の中に言いようのない気持ちがあふれた。大好きなユノに想いを寄せる男を疎ましく思うような気持ちとは違う、なにか。
「ね。アンドレアはお世辞なんか言いそうにないでしょう? この燕尾服で参加するのが正解だよ。ところでアンドレアはなんの用事でこの部屋に来たんだい?」
イヴァンの口調はいつもどおりであったため、サランはそこではっと我に返った。
うっとりとした目でユノを見ていたくせに、アンドレアはサランの視線を移すと、からかうように笑ってから、ベッドにどっかり座って口を開いた。
「どうせ平民は学校まで歩いて行くか箒で行くかだろうと思って、馬車で迎えに来てやった」
「あーー! ちょっと! 僕のベッドに座らないでもらえます!?」
先ほどアンドレアとユノを見て感じた思いと、そのあとサランに向けたからかうようなふざけた視線とで、サランの心はなぜかぐしゃぐしゃになってしまいそれを誤魔化すように声を張り上げた。
「うるせぇな。狭い上にソファもねぇんだから仕方ないだろうが。っとに、貧乏くせぇ部屋だな」
「なっ……あんたこそ部屋の主に許可を取ることもなく図々しくベッドに座ったりして、マナー違反じゃないの? 上流階級のくせにそんなことも知らないの?」
「なんだと!? てめぇ誰に向かって」
ユノに片思いしていることはサランと同じなので同情していたし、アンドレアとの小競り合いはポンポン言葉を交わし合うのでそのリズムが楽しくもあったが、何だか説明できない変な気持ちとユノとの扱いがあまりにも違うのが妙に悲しく感じた。ユノのことが好きなんだから、ユノにアンドレアが優しくするのは当たり前だとは思うが、こんなにも差をつけて扱うこともないんじゃないか。
そう思ったのが態度に出てしまったのか、言葉がいつも以上にきつくなってしまった。
「サランっ! アンドレアっ! メープルのクッキー食べる?」
ユノはいつものやり取りよりもサランの声に険があるのを感じたのだろう。慌てたように二人の間に入ってきた。これはユノの作る優しい味のクッキーを食べて気持ちを
落ち着かせよう、とサランは思った。
「……食べるっ!」
「……食う」
「ぶ……っ」
少しの静寂ののち、二人の声が重なったところでイヴァンとユノは吹き出すように笑った。
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