平凡な俺は魔法学校で、冷徹第二王子と秘密の恋をする

ゆなな

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強面騎士団長は宿敵だったはずなのに5章

フィアマとサラン

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 楽しい気持ちで魔法動物の谷の駅に到着し、宿舎の部屋でユノと過ごしていたサランだったが、ジェイコブが部屋にやってきてから少し落ち着かない気持ちになった。
 ジェイコブは守りの氷の発掘作業を主導して進めてくれているトリトン教授が、ユノを打ち合わせに呼んでいると伝えに来たのだ。明日から忙しくなるのでこれから少しでもゆっくりと過ごせたら、と思っていたのに宿舎の部屋に一人取り残されて、サランは残念に思いながら窓の外の雪景色に視線を遣った。
 外は寒そうだった。サランが宿舎に着いてからプレゼントとして渡した手袋が役に立ってくれるといいけれど。そんなことを考えながら外を見る。
 窓の外は一面の雪景色で、美しい。だが王都育ちのサランは雪景色や刺すほどに冷たい空気にも馴染みがない。だから何となく不安に感じてしまうのだろうか、と思ったけれどユノがトリトン教授のところに向かうまではそんな気候も楽しく感じられていたはずだ。なのに、なんだろう。この不安な気持ちは。
 雪はしんしんと降っていて、更に厚く降り積もる様子だった。
 なんだかサランの心配が降り積もっているような気がしてならなかった。
 ユノは北部出身で寒さにはサラン以上にずっと雪や寒さに慣れているのに、この胸騒ぎは何だと言うのか。どうしたらいいのかわからず、サランはどれくらい雪を眺めていただろうか。
「おい、準備ができた。行くぞ」
「アンドレア………ノックくらいしてよ!」
 突然現れて部屋にずかずかと入ってきたアンドレアを見てサランは立ち上がり、思わずいつものように言ったが、実は彼の姿を見たら不安な気持ちが少しばかり柔らいだ。
「この時間に約束していたんだから別にノックは必要ないだろう? あれ? ユノは? キリヤ様は今夜ユノと会うって浮かれて……いや楽しそうに準備をするために宿舎には寄らずそのまま別邸に向かわれたから、まだ待ち合わせではないと思うんだが」
「うん。ユノはトリトン教授と打ち合わせがあるから来るようにって呼ばれて行っちゃった」
「トリトン教授が? 既に教授は明日からの発掘作業に備えて打ち合わせは全て終えているはずだ。間違いない。それに教授は理不尽なことで生徒をこの雪国で自分の宿舎に呼び出すような人じゃないから、何かの間違いじゃないか?」
 首を傾げながら言うアンドレアのセリフにサランの胸はより一層ざわついた。
「うそ……だってそんな。伝言してくれたのはジェイコブで……あっ」
「サラン?」
「ジェイコブ……フィザード家の侍従だ……」
 サランの顔が真っ青になる。いや、でもまさか。ジェイコブはいつだって一緒にいる大切な友人だ。でも、それを利用されていたら? ジェイコブも本当のことを知らないで、ただフィザード家の誰かから言われるままにユノに伝言したのかもしれない。
 グラグラと頭が揺れるみたいな感覚がして、足元がふらついた。
「おい。大丈夫か? サラン」
「だって……だって……ジェイコブはずっと僕らの友達で……こんな伝言に利用されているって知ったら……っ」
「大丈夫だ。落ち着け。まずはユノを探そう。本当にトリトン教授はなにかユノに用事があったのかもしれない。まだ事件に巻き込まれたと考えるのは早計だ」
 アンドレアが真っ直ぐにサランの目を見て言った。
「そ……そうだねっまだトリトン教授の呼び出しが嘘だと決まったわけじゃないし」
 アンドレアの冷静な目を見てサランは正気を取り戻し、二人は宿舎の外に向かって駆け出した。
 宿舎のエントランスから外に出ると、雪国の凍てついた空気が二人を刺すようだった。
「えっ……?」
 宿舎の前に広がる真っ白な雪景色の中に、青い花のようなものを見つけたサランが雪の中を駆け出した。
「サラン?!」
 アンドレアが慌てたように後を追う。
「これ……っ僕がユノにあげた手袋……っ」
 雪の中に青い花が咲いているように見えたものは、サランがユノに贈った手袋だった。
 それを拾い上げたサランの声が震える。
 サランは先刻ユノにプレゼントしたはずの手袋を手に呆然とした。
「ユノってばずっとボロボロの古い手袋を大事に使っていたような人なんだから、あげたばかりの手袋を不用意に落とす訳がないんだ。これは……これは……僕への助けてっていうメッセージだと思う……っ」
 アンドレアは厳しい目で手袋を見た後、白い雪道に残る轍にも目をやった。
「方角は教授たちの宿舎とは逆の方面だ。この方角だと……氷の洞窟か……くそっ……とんでもないところに連れて行きやがった」
 眉を顰めたアンドレアの声を聞いて、サランははっとしたように轍を辿って雪の中を駆け出した。
「サランっ……待て!」
 アンドレアはサランを追いかけ、その腕を掴んで引き寄せるとそのまま胸の中に閉じ込められた。
「だって……っだって! ユノが僕に助けてって……!離してっ! 行かなくちゃ!」
「そうだけど! 違うだろっ!」
 アンドレアの厳しい声にサランの動きはぴたりと止まった。
「確かあの手袋はサランへのメッセージだよ。だけどよく考えろ。俺たちは確実にユノを助け出せる方法を取らないといけないんだ。難しいけれど、間違うことは許されない。恐らく時間との勝負だ。行ったことはなくても氷の洞窟がどんなに厳しいところかわかるだろう?」
「うん」
 アンドレアの厳しい声と温かい体温で、サランは落ち着きを徐々に取り戻した。
「氷の洞窟は王家の氷の竜の住処……だよね」
 サランの口から出てきた言葉に、サランが自分を取り戻したのが分かったのかアンドレアは安堵の吐息を吐いた。
「そうだ。だからキリヤ様に早急にお伝えしないと。あと俺の竜は炎のタイプだから、連れて行こう。氷の洞窟では役に立つこともありそうだ」
 そう言うとアンドレアは落ち着いたサランをそっと離して、空に向かって指をパチリと鳴らした。すると、もともとすぐ近くの空を飛んで待機していたのか、上空に竜が現れた。
「……っうわ……」
 そして凍てつく空気の中にぶわっと熱風が吹いたかと思うと、サランの目の前に真っ赤な竜がドスンという大きな音と雪煙を巻き起こしながら下り立った。
「竜を見るのは初めてって言ってたもんな。紹介する。フィアマだ。フィアマ、彼はサランだ。俺の大事な人だ。急ぎの用事があってサランと一緒に行かなきゃいけないんだ。俺と一緒にサランもお前の背に乗せてくれないか」
 緊急事態の最中だが、生まれて初めて見る竜の想像以上の迫力に驚いて目を丸くするサランの横で、アンドレアはサランとフィアマに優しく言った。
 しかし、フィアマはアンドレアの言葉に不服を示すようににキィー! と高らかに不快を隠さない声で鳴いた。
 サランはあまりの迫力に驚きを隠せなかったが、すぐに冷静に情報を整理した。とても立派だが、人を乗せるのが苦手な竜だと汽車で聞いた。
 サランはかなり大きいフィアマの正面に静かに歩み寄って立つと、その赤い瞳と目を合わせた。
 フィアマとは今日初めて会ったが、アンドレアとよく似た赤い瞳なので、サランはフィアマが一目見るなり大好きだと思った。
 フィアマにサランは決して危害を加えるつもりはないことをわかってもらうため、サランは両手を開き、掌を見せながらゆっくりと口を開いた。
「フィアマ、初めまして。僕はアンドレアの友達のサランだよ。僕たちの友達を助けに行きたいんだ。僕たちだけじゃ助けられないから、どうかフィアマの力を貸してください」
 サランは心を込めて、伝わるようにゆっくりと言った。サランの治癒院では基本的に動物を診ることはないが、治癒魔法は動物にも使えるので緊急時に頼まれて診ることもある。
 その時に気を付けているのは、とにかく動物は怖がらせず安心させることが大切だ。
 じっとフィアマの表情を伺っていると、鋭い目の横に小さな傷があることに気が付いた。
「フィアマ、目の横に傷があるね。治療してもいい? 嫌だったら大きい声で鳴いてね」
 サランはそう言って、フィアマの表情の変化に気を付けながら一歩フィアマに近づいた。
「サラン……っ」
「大丈夫」
 心配そうなアンドレアの声が聞こえたが、サランはフィアマから目を離さず短く答えた。
 そして、フィアマの目の横の傷に手を翳すとそっと治癒魔法を掛けた。
 小さく浅い傷だったので、すぐに傷など何もなかったようにきれいに治った。
 傷を治したサランがフィアマに翳していた手をそっと下げた時だった。
「クゥーン」
 先ほどの鋭い悲鳴のような声とは違って、どこか甘えたような声を出したフィアマが、なんとその鼻先をそっとサランの顔に押し当てたのだ。
「わっフィアマ……っくすぐったいよぉ」
 これは賢い竜が主と認めた者にする愛情表現だと聞いたことがある。鼻先をサランの首や頬に押し当てて匂いを確かめるような可愛い仕種。
 サランもその鼻先をそっと撫でてやると、フィアマはもっと甘えたような声を出して鳴いた。
「よかった! アンドレア! 僕ら仲良くなれたかも! これで僕がフィアマの背に乗っても怯えさせることはないよね⁉ え……? 何? アンドレア?」
 嬉しく思ったサランがアンドレアに言うと、アンドレアは目を見開いてサランとフィアマを見ていたので、サランも戸惑ってしまった。
「アンドレア? 早くしないと!」
「あ……あぁ、すまん。フィアマがこんな甘えた声や仕種をするなんて驚いてしまった。 今はとにかく急がないとな。キリヤ様は汽車を降りた後学園の宿舎には立ち寄らず王家の別邸に向かわれた。まずは王家の別邸に行ってみよう」
 サランがフィアマに乗るのをアンドレアは手伝ったあと、自身も背に軽々と飛び乗った。
 フィアマにアンドレアとサランが乗るとその背がほわんと温かくなり、二人を歓迎しているようだった。
「フィアマ、キリヤ様のところまでだ。わかるな? 悪いが急いでほしい。友達が危ないんだ」
 人の言葉を理解するらしい竜は短く鳴いてアンドレアに応えると、大きな翼を羽ばたかせて飛び立った。
「うわぁ。すごい!! 竜の背に乗って空を飛んでるなんて! フィアマ、ありがとうね。雪が降っているのにとっても温かいよ。いいこだね」
 そう言ってサランがフィアマの背を優しくなでると、フィアマは今度は嬉しそうに甘えたような声で鳴いた。
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