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強面騎士団長は宿敵だったはずなのに5章
ユノの行方を追って
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フィアマの背に初めて乗るサランがアンドレアのコートを掴んでいると、アンドレアはその手を外して自身の腰に巻き直した。サランは後ろからアンドレアに抱き着いているような体勢だ。
ここのところドキドキさせられっぱなしの彼のシトラスだったが、今はとても頼れて安心を感じる香りだ。
どうかユノが無事であってほしい。そう思いながら逞しい背中にぎゅっと抱き付いて額を押し当てた。フィアマだけでなくアンドレアも温かくて、彼の力強い鼓動がサランの不安でいっぱいだった気持ちを宥めていく。
「……不死鳥……?」
すでにあたりは暗くなっていたが、不死鳥は自ら炎のように発光しているので夕闇に包まれた中でそれはそれは美しく見えた。
「あぁ、不死鳥だな。珍しい。サランは運がいいな。ここに来るたびにフィアマと空を飛ぶが、さすがに滅多に見ない。初等科以来かもしれない」
こんな時でなければゆっくり景色を楽しめただろう光景は圧巻だった。
エメラルド色のまま凍り付いた湖を色鮮やかな炎のような色の不死鳥が歩くと、その下だけ氷が溶けて静かに湖面が揺れる様が見えたし、暗い中でも一角獣が見たことないほどの群れで移動しているのもわかった。
そこから少し飛ぶと、灯りがたくさん見えるようになり、小城と言ってもいいほどの邸宅がいくつも並んでいるのがわかった。おそらく王族や貴族の邸宅が並ぶ地域なのだろう。
そのうち最も大きな建物の前にフィアマは降り立った。これが王家の別邸らしい。
「別邸っていうか、もうお城じゃん」
「魔法動物の谷はその名の通り多くの魔法動物が集まるだけではなく、魔法の道具を作るための原材料も豊富だからな。様々な研究をするための施設も併設されている」
フィアマの上から二人で飛び降りる。
「ありがとう、フィアマ」
「クゥーン」
急いではいるが初対面のサランを乗せてくれたお礼を、フィアマの正面に回って真摯に言うと、フィアマは頭を撫でてほしいというようにサランに顔を寄せてきた。
サランが優しくなでてやると、フィアマは満足そう喉を鳴らした。
「助かった、フィアマ」
「キィー」
次にアンドレアが声を掛けると、フィアマ不満げな声を上げた。
「あ……すまん。忘れていた。ほら」
アンドレアは何でも収納できる魔法のコートの内ポケットからキャンディを取り出すと、フィアマの口に放り込んだ。
「……お前、俺には甘いものを要求するくせに、サランは撫でるだけでいいんだな……」
「キィー」
アンドレアが憮然とした声で言ったが、フィアマは気にせずキャンディを楽しんでいるようだった。
「フィアマ、僕は何も用意してなくてごめん。今度持ってくるからね」
「クゥーン」
サランがそう言ってフィアマをもう一度撫でると、フィアマは甘え切った声を出した。
アンドレアはそんなフィアマに何か言いたそうだったが、今はそれどころではないと思ったのか、身を翻して急いで立派な門扉の前に立つ王家の門番のところに向かった。
サランもその後に続くと心得ているようでフィアマも付いてきた。
「キリヤ様に至急の用事でやってきた。お通し願いたい。あと竜に乗ってきたので、別邸の敷地内で少しの間預かってくれ」
「炎の竜は敷地内の竜のエリアでお預かりいたします。ですがアンドレア様、大変失礼ながらお連れの方は、ビスコンティ家の方ではないようにお見受けしますのでこのままお通しはできません」
門番はサランを見て、淡々と言った。
「今回の研修旅行にビスコンティ家の侍従を伴って来ていないため、学校の生徒に侍従の役割を頼んでいる。シュトレイン王国立魔法学園の五年生サラン・チェだ。俺の侍従としてなら入れないか?」
「アンドレア様の侍従魔法使いとしてなら許可が下りますが、身分証明が必要です」
サランが指を一振りすると、宙に学園の紋章とサランの生年月日が書かれた像が浮かび上がった。これが学校の生徒だと証明するものになる。
「確かに確認いたしました。どうぞお入りください」
門番の言葉とともにアンドレアとサランは足早に別邸の敷地内に入った。
「キリヤ様のお部屋までここからも結構距離がある。走れるか? ここでは箒での走行は禁じられている」
「走るのはいっつも馬車のアンドレアよりよっぽど慣れてるっつーの」
サランの返事を聞くとアンドレアは駆け出した。
別邸の敷地内の一番中央にある本館に走り込んで、かなりの勢いでアンドレアはずんずん進んでいく。
立派な建物はゆっくり見ればかなり楽しめただろうが、今はそれどころではない。
わかるのは床がフカフカしていて冷え切ったつま先に優しい感触がするということくらいだ。
フロア一階分だけ階段を上がり奥に進むと、大きな扉が現れた。
その扉をアンドレアはやってきた勢いのままドンドン、と乱暴に叩いた。
「キリヤ様っ! 至急ですっ」
「入れ」
アンドレアが叫ぶように言うとキリヤも非常事態を感知したのか、すぐに返答があった。
大きな扉の中に入るとキリヤはすでに立ち上がっており、アンドレアに続いてサランが入ってきたことを見ると、険しい顔になった。
サランを見てユノの身に何かあったと瞬時に察したのだろう。
「何があった?」
キリヤの短い問いに、アンドレアはユノがトリトン教授に呼び出されて出て行ったが、恐らくトリトン教授は口実に使われただけで無関係の人間がユノを氷の洞窟に連れて行った可能性があることを手短に話した。
「僕は竜を連れてすぐに氷の洞窟に向かう。至急イヴァンに占術を始めるように頼んでからお前もフィアマを連れて氷の洞窟へ来てくれ。この寒い地では、炎の竜が役立つことがあるだろう」
キリヤはすぐに素早く判断した。移動の途中アンドレアから聞いた話だが、氷の洞窟は王家の氷の竜が生れる場所だ。独り立ちした竜は王家のもとにやって来るが、その父竜と母竜は子どもの竜と共に氷の洞窟に住んでいる。氷の洞窟で騒いだり、大きな音を立てたりすると、母竜が子どもの竜を狙われたと思い、洞窟の入り口を氷で閉ざしてしまうらしい。何者かがユノの命を狙ったのだとしたら、氷の洞窟に連れて行って、洞窟の入り口を閉ざされるよう仕向けるかもしれない。母竜の怒りが解ける前に氷の洞窟が開かれるのは、母竜の子どもである王家の竜が帰ってきた時のみである。アンドレアが長く説明しなくともすべてを察したキリヤはサランの方を見た。
「サランは校医よりも治癒能力があると聞いている。どうか一緒に来てほしい。しかし、場合によっては危険が伴う。もし来てくれるのならアンドレアと彼の炎の竜であるフィアマと逸れないように一緒に来てくれ。では僕は先に氷の洞窟に行く」
「もちろん行くに決まっています!」
サランが叫んだ時にはもうすでにキリヤは身を翻し、外に出て行くところだった。
ものすごい勢いでキリヤが出て行くと、アンドレアとサランもすぐにキリヤの部屋を出た。
転がるように走り、外に出る。アンドレアは王家の別邸には慣れているようで、彼に付いて行くとすぐにもう一度フィアマに会えた。
サランとアンドレアを見て嬉しそうに鳴いた。会ったばかりなのに、すっかり仲間と認識されているみたいだった。
フィアマはサランが乗りやすいように身を低くしてくれた。
フィアマに乗ると、まずは王家の別邸のすぐ近くにあるポポフ家の別邸に向かった。
王家の、とまではいかないが、雪の中に佇む淡い紫色の別邸は童話に出てくるお姫様のお城のようにロマンチックだった。
なだらかなラインを描く美しいシルバーの門扉のところには門番はいたが、ちょうど庭で竜の手入をしていたらしいイヴァンはすぐに二人に気が付き門扉までやってきた。
「……信じられない……フィアマが初対面の人を乗せているのに、ご機嫌だなんて……」
「鳴き声を聞かなくても、イヴァンは竜の機嫌がわかるの?」
「うん。人間だったら踊りだしそうなくらい、機嫌が良さそうに見えるんだけど……てっきりサランは馬車で来ることになるかなぁと思っていたから驚いたよ」
フィアマに乗って現れたアンドレアとサランに、イヴァンはいつも飄々としている表情を驚きでいっぱいにした。彼のこんな表情は珍しいから心底驚いているのだろう。
フィアマに乗ったまま話していても、フィアマは嫌そうな素振りもなく大人しく待っている。イヴァンは目を丸くしたが、察しのいい彼はアンドレアとサランのシリアスな様子とフィアマから降りないで話しはじめたことからすぐに切り替えた。
「……もしかしてここに来たのは、何かあったからなんだね」
「あぁ。ユノが攫われたかもしれん。最初にユノに声を掛けた奴がフィザード家と関わりが深い生徒だったから、フィザード家が関与している可能性が高い。今から俺たちはキリヤ様と一緒に攫われた可能性がある氷の洞窟に行ってくる。イヴァンには占術で犯人を始めとする情報集めをしてほしい」
アンドレアが話すとイヴァンは息を呑んだ。
「……まさか……さっきまでは汽車で一緒にいて笑ってたのに……僕も一緒に氷の洞窟に行きたいけれど、それぞれ役割を全うしたほうがきっとユノのためになるね。すぐに部屋に戻って占術を始めるよ。ユノがどういう道筋を辿ったかは予想できている?」
「ユノは学校の宿舎前から恐らくフィザード家が手配したと思われる馬車で連れ去られていると思うんだ。そしてそこから氷の洞窟に向かったと思う」
サランが答えると、イヴァンは頷いた。
「わかった。じゃあ早速部屋に戻って僕は占術を始めるよ。氷の洞窟に行くのにフィアマがこんなに友好的ならきっと大丈夫だろうけど、気を付けて行ってきて」
「ありがとう! イヴァン! 行ってくる!」
サランが言うと賢い竜は直接命令せずとも再び空に舞い上がった。
ここのところドキドキさせられっぱなしの彼のシトラスだったが、今はとても頼れて安心を感じる香りだ。
どうかユノが無事であってほしい。そう思いながら逞しい背中にぎゅっと抱き付いて額を押し当てた。フィアマだけでなくアンドレアも温かくて、彼の力強い鼓動がサランの不安でいっぱいだった気持ちを宥めていく。
「……不死鳥……?」
すでにあたりは暗くなっていたが、不死鳥は自ら炎のように発光しているので夕闇に包まれた中でそれはそれは美しく見えた。
「あぁ、不死鳥だな。珍しい。サランは運がいいな。ここに来るたびにフィアマと空を飛ぶが、さすがに滅多に見ない。初等科以来かもしれない」
こんな時でなければゆっくり景色を楽しめただろう光景は圧巻だった。
エメラルド色のまま凍り付いた湖を色鮮やかな炎のような色の不死鳥が歩くと、その下だけ氷が溶けて静かに湖面が揺れる様が見えたし、暗い中でも一角獣が見たことないほどの群れで移動しているのもわかった。
そこから少し飛ぶと、灯りがたくさん見えるようになり、小城と言ってもいいほどの邸宅がいくつも並んでいるのがわかった。おそらく王族や貴族の邸宅が並ぶ地域なのだろう。
そのうち最も大きな建物の前にフィアマは降り立った。これが王家の別邸らしい。
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「魔法動物の谷はその名の通り多くの魔法動物が集まるだけではなく、魔法の道具を作るための原材料も豊富だからな。様々な研究をするための施設も併設されている」
フィアマの上から二人で飛び降りる。
「ありがとう、フィアマ」
「クゥーン」
急いではいるが初対面のサランを乗せてくれたお礼を、フィアマの正面に回って真摯に言うと、フィアマは頭を撫でてほしいというようにサランに顔を寄せてきた。
サランが優しくなでてやると、フィアマは満足そう喉を鳴らした。
「助かった、フィアマ」
「キィー」
次にアンドレアが声を掛けると、フィアマ不満げな声を上げた。
「あ……すまん。忘れていた。ほら」
アンドレアは何でも収納できる魔法のコートの内ポケットからキャンディを取り出すと、フィアマの口に放り込んだ。
「……お前、俺には甘いものを要求するくせに、サランは撫でるだけでいいんだな……」
「キィー」
アンドレアが憮然とした声で言ったが、フィアマは気にせずキャンディを楽しんでいるようだった。
「フィアマ、僕は何も用意してなくてごめん。今度持ってくるからね」
「クゥーン」
サランがそう言ってフィアマをもう一度撫でると、フィアマは甘え切った声を出した。
アンドレアはそんなフィアマに何か言いたそうだったが、今はそれどころではないと思ったのか、身を翻して急いで立派な門扉の前に立つ王家の門番のところに向かった。
サランもその後に続くと心得ているようでフィアマも付いてきた。
「キリヤ様に至急の用事でやってきた。お通し願いたい。あと竜に乗ってきたので、別邸の敷地内で少しの間預かってくれ」
「炎の竜は敷地内の竜のエリアでお預かりいたします。ですがアンドレア様、大変失礼ながらお連れの方は、ビスコンティ家の方ではないようにお見受けしますのでこのままお通しはできません」
門番はサランを見て、淡々と言った。
「今回の研修旅行にビスコンティ家の侍従を伴って来ていないため、学校の生徒に侍従の役割を頼んでいる。シュトレイン王国立魔法学園の五年生サラン・チェだ。俺の侍従としてなら入れないか?」
「アンドレア様の侍従魔法使いとしてなら許可が下りますが、身分証明が必要です」
サランが指を一振りすると、宙に学園の紋章とサランの生年月日が書かれた像が浮かび上がった。これが学校の生徒だと証明するものになる。
「確かに確認いたしました。どうぞお入りください」
門番の言葉とともにアンドレアとサランは足早に別邸の敷地内に入った。
「キリヤ様のお部屋までここからも結構距離がある。走れるか? ここでは箒での走行は禁じられている」
「走るのはいっつも馬車のアンドレアよりよっぽど慣れてるっつーの」
サランの返事を聞くとアンドレアは駆け出した。
別邸の敷地内の一番中央にある本館に走り込んで、かなりの勢いでアンドレアはずんずん進んでいく。
立派な建物はゆっくり見ればかなり楽しめただろうが、今はそれどころではない。
わかるのは床がフカフカしていて冷え切ったつま先に優しい感触がするということくらいだ。
フロア一階分だけ階段を上がり奥に進むと、大きな扉が現れた。
その扉をアンドレアはやってきた勢いのままドンドン、と乱暴に叩いた。
「キリヤ様っ! 至急ですっ」
「入れ」
アンドレアが叫ぶように言うとキリヤも非常事態を感知したのか、すぐに返答があった。
大きな扉の中に入るとキリヤはすでに立ち上がっており、アンドレアに続いてサランが入ってきたことを見ると、険しい顔になった。
サランを見てユノの身に何かあったと瞬時に察したのだろう。
「何があった?」
キリヤの短い問いに、アンドレアはユノがトリトン教授に呼び出されて出て行ったが、恐らくトリトン教授は口実に使われただけで無関係の人間がユノを氷の洞窟に連れて行った可能性があることを手短に話した。
「僕は竜を連れてすぐに氷の洞窟に向かう。至急イヴァンに占術を始めるように頼んでからお前もフィアマを連れて氷の洞窟へ来てくれ。この寒い地では、炎の竜が役立つことがあるだろう」
キリヤはすぐに素早く判断した。移動の途中アンドレアから聞いた話だが、氷の洞窟は王家の氷の竜が生れる場所だ。独り立ちした竜は王家のもとにやって来るが、その父竜と母竜は子どもの竜と共に氷の洞窟に住んでいる。氷の洞窟で騒いだり、大きな音を立てたりすると、母竜が子どもの竜を狙われたと思い、洞窟の入り口を氷で閉ざしてしまうらしい。何者かがユノの命を狙ったのだとしたら、氷の洞窟に連れて行って、洞窟の入り口を閉ざされるよう仕向けるかもしれない。母竜の怒りが解ける前に氷の洞窟が開かれるのは、母竜の子どもである王家の竜が帰ってきた時のみである。アンドレアが長く説明しなくともすべてを察したキリヤはサランの方を見た。
「サランは校医よりも治癒能力があると聞いている。どうか一緒に来てほしい。しかし、場合によっては危険が伴う。もし来てくれるのならアンドレアと彼の炎の竜であるフィアマと逸れないように一緒に来てくれ。では僕は先に氷の洞窟に行く」
「もちろん行くに決まっています!」
サランが叫んだ時にはもうすでにキリヤは身を翻し、外に出て行くところだった。
ものすごい勢いでキリヤが出て行くと、アンドレアとサランもすぐにキリヤの部屋を出た。
転がるように走り、外に出る。アンドレアは王家の別邸には慣れているようで、彼に付いて行くとすぐにもう一度フィアマに会えた。
サランとアンドレアを見て嬉しそうに鳴いた。会ったばかりなのに、すっかり仲間と認識されているみたいだった。
フィアマはサランが乗りやすいように身を低くしてくれた。
フィアマに乗ると、まずは王家の別邸のすぐ近くにあるポポフ家の別邸に向かった。
王家の、とまではいかないが、雪の中に佇む淡い紫色の別邸は童話に出てくるお姫様のお城のようにロマンチックだった。
なだらかなラインを描く美しいシルバーの門扉のところには門番はいたが、ちょうど庭で竜の手入をしていたらしいイヴァンはすぐに二人に気が付き門扉までやってきた。
「……信じられない……フィアマが初対面の人を乗せているのに、ご機嫌だなんて……」
「鳴き声を聞かなくても、イヴァンは竜の機嫌がわかるの?」
「うん。人間だったら踊りだしそうなくらい、機嫌が良さそうに見えるんだけど……てっきりサランは馬車で来ることになるかなぁと思っていたから驚いたよ」
フィアマに乗って現れたアンドレアとサランに、イヴァンはいつも飄々としている表情を驚きでいっぱいにした。彼のこんな表情は珍しいから心底驚いているのだろう。
フィアマに乗ったまま話していても、フィアマは嫌そうな素振りもなく大人しく待っている。イヴァンは目を丸くしたが、察しのいい彼はアンドレアとサランのシリアスな様子とフィアマから降りないで話しはじめたことからすぐに切り替えた。
「……もしかしてここに来たのは、何かあったからなんだね」
「あぁ。ユノが攫われたかもしれん。最初にユノに声を掛けた奴がフィザード家と関わりが深い生徒だったから、フィザード家が関与している可能性が高い。今から俺たちはキリヤ様と一緒に攫われた可能性がある氷の洞窟に行ってくる。イヴァンには占術で犯人を始めとする情報集めをしてほしい」
アンドレアが話すとイヴァンは息を呑んだ。
「……まさか……さっきまでは汽車で一緒にいて笑ってたのに……僕も一緒に氷の洞窟に行きたいけれど、それぞれ役割を全うしたほうがきっとユノのためになるね。すぐに部屋に戻って占術を始めるよ。ユノがどういう道筋を辿ったかは予想できている?」
「ユノは学校の宿舎前から恐らくフィザード家が手配したと思われる馬車で連れ去られていると思うんだ。そしてそこから氷の洞窟に向かったと思う」
サランが答えると、イヴァンは頷いた。
「わかった。じゃあ早速部屋に戻って僕は占術を始めるよ。氷の洞窟に行くのにフィアマがこんなに友好的ならきっと大丈夫だろうけど、気を付けて行ってきて」
「ありがとう! イヴァン! 行ってくる!」
サランが言うと賢い竜は直接命令せずとも再び空に舞い上がった。
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