とろけてまざる

ゆなな

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5章

13話

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 それからまた季節は移ろい……

 ユキのお腹が少し膨らんできた頃。ユキの父親は無事に病院を退院した。  
 随分と痩せて老け込んでしまったが、わずかばかりに右半身にあった痺れも術後のリハビリと時間の経過によりすっかり無くなり、退院する頃には自力で歩行できるようになっていた。
 そして、初めて永瀬とユキの自宅を訪れたユキの両親は、和也の顔を見るなり
「雪也の赤ちゃんの頃を思い出した……」
と言って泣いた。
 そしてその後、リビングのソファで和也を抱いた父から、手術前に病室で話されていたことは大体聞こえていたのだと聞かされた。
「雪也が永瀬先生に私を助けて欲しいと泣いて頼んでいたときほど、我が身が自由にならず、何も言えないことが辛かったことはなかった……」
 父は改めて永瀬とそして、ユキに謝罪と礼を言った。そして、病室に見舞いに訪れる小児科のスタッフ達から素晴らしい医師だと誉められてとても嬉しく思ったことも。

「病院は売却することにしたわ。私達は空気の綺麗なところでゆっくり暮らそうと思って……」
 帰る頃に母が言った。
 兄たちも各々好きな道を行くことにしたらしい。長兄は永瀬の手術を見て感銘を受け米国に渡り技術を学んでいるらしい。次兄は暫く仕事はせずに世界中を旅して歩いていて、三番目の兄は都内のかなり忙しい救命救急センターに仕事の場を移した。
「のんびりできる田舎に越すつもりなの。家族でたまには遊びに来て……くれるかしら?」
 最後に不安そうに呟いた母にユキが頷くと、それはそれは嬉しそうに両親は帰って行った。
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