稚拙図書館

織賀光希

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発声練習

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では、発声練習を行います。

私の後に続いて、発声してください。


ア  エ  イ  ウ  エ  オ  エ  オ

はいっ。

"ア  エ  テ  ウ  レ  シイ  ワ  ヨ"


会えて嬉しいわよ?

そんなこと言ってないから。

ちょっと違うかな。

あなたの本心なら、嬉しい言葉ではあるけどね。

もう、ありがとうとしか言えないよ。

続けていくよ。


カ  ケ  キ  ク  ケ  コ  カ  コ

はいっ。

"カ  キ  クイ  ス  ギ  タ  カ  コ"


カキ食い過ぎた過去、があるの?

パーソナルな部分、知れてよかったけど。

どっちのカキだろう。

たぶん、海の方かな。

食あたりで、色々あったのかな。

でもね、過去を今、報告しなくてもいいかな。

まあいいや、次にいくよ。


サ  セ  シ  ス  セ  ソ  サ  ソ

はいっ。

"サ  セ  ツ  シ  タン  ダ  サッ  ソウト"


左折したんだ颯爽と、ってどこを?

デートの別れ際、とかかな。

さよならして振り返ったら、恋人がわき道に、颯爽と左折した、みたいな。

そんな感じかな。

まあ気にしないで、どんどん行こうか。


タ テ チ ツ テ ト タ ト

はいっ。

"タ テ ツイ テ イタ ン ダ ト"


楯突いていたんだと、とは言ってないん
だよ。

この仕事していて、楯突かれたことは、あったけど。

それも、あなたと同じ苗字の女の人に。

もしかしてその人、お姉さんだったりする?

しないよね、しないよね。

次、行こうか。


ナ ネ ニ ヌ ネ ノ ナ ノ

はいっ。

"ナ ニ ユエ ノ ヌ ノ ナ ノ"


なにゆえの布なの、って言った?

私も、思ってた。

今、私が着ているこの服。マントみたいなのが、付いているの。

腰辺りから、チョロッと。

これが、何故の布なのかは、私にも分からない。

はい、次。


ハ ヘ ヒ フ ヘ ホ ハ ホ

はいっ。

"ハ エ ガ ヒフ カッ ポ カッ ポ"

ハエが皮膚、闊歩闊歩?

えっ、何で知ってるの?

私の皮膚が鈍感なの、何で知ってるの?

ハエが歩いていても、気付かないんだよね。

ハエが腕を歩いてるよ、って何回も言われたの。

まあ、今それは、関係ないからね。

止めるようなこと、言わないように。


マ メ ミ ム メ モ マ モ

はいっ。

マ メ ミ ル メ モ マ ドウ


豆見る目も惑う、か。

四角豆だよね?

四角豆のこと、言っているよね?

あれは、目も惑うよね。

変わった形の豆だからね。

不思議な、豆だよね。

他に、ああいうやつは、無いよね。

断面が、カッコいいんだよね。

よし、次に行こう。


ラ レ リ ル レ ロ ラ ロ

はい。

ラ レ ツ スル モ ノ ダ ロウ


羅列するものだろう、って言ってないよ。

そんなこと、一言も言ってないよ。

もう、そういうのやめようか。

真剣に、言ってるからね。

本気で、言ってるよ。

もう、そういうのやらないように。


でも、もじるの上手だね。
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