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第一章 2代目時の神子 ユーリ
メイリラルド歴539年(3) Sideアランシス&ラトルク(2)
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目を覚ますと明るかった外も夕日が落ちようとしていた、隣を見るとラトは居なくてどこに行ったのかと辺りを見渡すと窓辺に立って外を見ている姿を見つけた…何かを睨みつけている?
「ラト?」
「…おはよう?」
「何で疑問形なんだ」
俺がそう言うとラトはベットに座った。
「何を見ていたんだ?」
「…夕日」
「あぁ…かなり寝てたな、何も言っていなかったがユーリ殿が迎えに来るんじゃないか?」
「それはないよ」
「は?」
どういうことだ?
「…ユーリ殿が言っててたのか?」
「ううん…でも来れないよ」
何で知っている?そう言いかけた時ノックが聞こえた。
「どうした」
「ユーリ様からラトルク様へお手紙です」
侍女から受け取ったルドは無言で手紙を読んだ。
「…仕事が少し長くなるけどすぐ終わるらしいから夕食はアランたちと食べてって、家にも連絡したし陛下にも許可取ったみたい」
「そうか…なぜ分かったんだ?」
「…なんとなく」
なんとなくにしては尖すぎる…寝る前に出た答えが正解だとししたら納得は行く。もしラトが時の神子と同じくアレが見えるのだとしたら…。
「ラト…お前は、歪みが見えるのか?」
「…さすがだね」
そう言って笑った…笑えるんだな。そう思っていたらラトが防音の魔法を使ったことがわかった。
「ラトは…歪みが見えるんだな?」
「うん…これは決して誰にも話してはいけないこと。知っているのは母上と父上、陛下と爺様だけ」
「分かった、俺も黙っておこう」
「…ごめんね、巻き込んで」
「何を言ってる、俺が自分で巻き込まれたんだよ」
そう言って強く頭を撫でてやる。
「…ありがとう」
「あぁ」
初めて見るラトの笑顔に驚いていたらノックが聞こえ食事の時間の知らせを聞いた。
「さ、行くぞ」
「うん…ねぇ、アラン」
「ん?」
「僕…アランに出会えて良かった」
「…俺もだ」
そう言って俺達は歩き出した。
* * *
目を開けると横ではまだアランが寝ていた。外を見るときれいな夕日が出ていて自分が本当に疲れてたことに気付く、これからはしっかりと考えないとだ…そういえば、僕っていつ帰るのかな?母上は何も言ってなかったけど仕事が終わったら知らせに来るよね。
―キーン―
耳鳴りに近いこの音…またアレが出たのか。僕帰れない?一人で帰っていいのかな?
母上はアレを直すことが出来る、父上だって母上ほどではないけど出来る…なのに僕は何もできない、最近の歪みはなにか変だって言ってた…今、ある物の開発をしているけど完成するまで何年かかるかも分からないしな。
「ラト?」
「…おはよう?」
「何で疑問形なんだ」
起きたんだね。
「何を見ていたんだ?」
「…夕日」
「あぁ…かなり寝てたな、何も言っていなかったがユーリ殿が迎えに来るんじゃないか?」
「それはないよ」
「は?」
アレが発生したからね。
「…ユーリ殿が言っててたのか?」
「ううん…でも来れないよ」
どう言えばいいのか分からなくて困っていたらいいタイミングでノックが聞こえた、やったね。
「どうした」
「ユーリ様からラトルク様へお手紙です」
”知っているでしょうけど仕事が増えたから少し遅くなるわ、王様達には言っておいたから夕食はアラン達と食べてね。仕事が終わり次第迎えに行くわ ユーリ”
やっぱりか。
「…仕事が少し長くなるけどすぐ終わるらしいから夕食はアランたちと食べてって、家にも連絡したし陛下にも許可取ったみたい」
「そうか…なぜ分かったんだ?」
「…なんとなく」
母上達には絶対に言うなって、言ってもいいと判断した人だけに言いなさいって…どうしよう、何かアランは気づいている気がするけど。
「ラト…お前は、歪みが見えるのか?」
「…さすがだね」
やっぱり気づいていたんだね…すごい、すごいよアランは…今日会ったばかりなのにね。
「ラトは…歪みが見えるんだな?」
「うん…これは決して誰にも話してはいけないこと。知っているのは母上と父上、陛下と爺様だけ」
「分かった、俺も黙っておこう」
「…ごめんね、巻き込んで」
「何を言ってる、俺が自分で巻き込まれたんだよ」
撫でられた、今日初めて会ったばかりなのに前から一緒にいる気持ちになる。
「…ありがとう」
「あぁ」
驚いているけど僕が笑ってるからかな?確かにいつもは表情変えないけど変えないだけでちゃんと笑ったりできるしね…ふふ。
「さ、行くぞ」
「うん…ねぇ、アラン」
「ん?」
「僕…アランに出会えて良かった」
「…俺もだ」
そう言って僕達は歩き出した。
「ラト?」
「…おはよう?」
「何で疑問形なんだ」
俺がそう言うとラトはベットに座った。
「何を見ていたんだ?」
「…夕日」
「あぁ…かなり寝てたな、何も言っていなかったがユーリ殿が迎えに来るんじゃないか?」
「それはないよ」
「は?」
どういうことだ?
「…ユーリ殿が言っててたのか?」
「ううん…でも来れないよ」
何で知っている?そう言いかけた時ノックが聞こえた。
「どうした」
「ユーリ様からラトルク様へお手紙です」
侍女から受け取ったルドは無言で手紙を読んだ。
「…仕事が少し長くなるけどすぐ終わるらしいから夕食はアランたちと食べてって、家にも連絡したし陛下にも許可取ったみたい」
「そうか…なぜ分かったんだ?」
「…なんとなく」
なんとなくにしては尖すぎる…寝る前に出た答えが正解だとししたら納得は行く。もしラトが時の神子と同じくアレが見えるのだとしたら…。
「ラト…お前は、歪みが見えるのか?」
「…さすがだね」
そう言って笑った…笑えるんだな。そう思っていたらラトが防音の魔法を使ったことがわかった。
「ラトは…歪みが見えるんだな?」
「うん…これは決して誰にも話してはいけないこと。知っているのは母上と父上、陛下と爺様だけ」
「分かった、俺も黙っておこう」
「…ごめんね、巻き込んで」
「何を言ってる、俺が自分で巻き込まれたんだよ」
そう言って強く頭を撫でてやる。
「…ありがとう」
「あぁ」
初めて見るラトの笑顔に驚いていたらノックが聞こえ食事の時間の知らせを聞いた。
「さ、行くぞ」
「うん…ねぇ、アラン」
「ん?」
「僕…アランに出会えて良かった」
「…俺もだ」
そう言って俺達は歩き出した。
* * *
目を開けると横ではまだアランが寝ていた。外を見るときれいな夕日が出ていて自分が本当に疲れてたことに気付く、これからはしっかりと考えないとだ…そういえば、僕っていつ帰るのかな?母上は何も言ってなかったけど仕事が終わったら知らせに来るよね。
―キーン―
耳鳴りに近いこの音…またアレが出たのか。僕帰れない?一人で帰っていいのかな?
母上はアレを直すことが出来る、父上だって母上ほどではないけど出来る…なのに僕は何もできない、最近の歪みはなにか変だって言ってた…今、ある物の開発をしているけど完成するまで何年かかるかも分からないしな。
「ラト?」
「…おはよう?」
「何で疑問形なんだ」
起きたんだね。
「何を見ていたんだ?」
「…夕日」
「あぁ…かなり寝てたな、何も言っていなかったがユーリ殿が迎えに来るんじゃないか?」
「それはないよ」
「は?」
アレが発生したからね。
「…ユーリ殿が言っててたのか?」
「ううん…でも来れないよ」
どう言えばいいのか分からなくて困っていたらいいタイミングでノックが聞こえた、やったね。
「どうした」
「ユーリ様からラトルク様へお手紙です」
”知っているでしょうけど仕事が増えたから少し遅くなるわ、王様達には言っておいたから夕食はアラン達と食べてね。仕事が終わり次第迎えに行くわ ユーリ”
やっぱりか。
「…仕事が少し長くなるけどすぐ終わるらしいから夕食はアランたちと食べてって、家にも連絡したし陛下にも許可取ったみたい」
「そうか…なぜ分かったんだ?」
「…なんとなく」
母上達には絶対に言うなって、言ってもいいと判断した人だけに言いなさいって…どうしよう、何かアランは気づいている気がするけど。
「ラト…お前は、歪みが見えるのか?」
「…さすがだね」
やっぱり気づいていたんだね…すごい、すごいよアランは…今日会ったばかりなのにね。
「ラトは…歪みが見えるんだな?」
「うん…これは決して誰にも話してはいけないこと。知っているのは母上と父上、陛下と爺様だけ」
「分かった、俺も黙っておこう」
「…ごめんね、巻き込んで」
「何を言ってる、俺が自分で巻き込まれたんだよ」
撫でられた、今日初めて会ったばかりなのに前から一緒にいる気持ちになる。
「…ありがとう」
「あぁ」
驚いているけど僕が笑ってるからかな?確かにいつもは表情変えないけど変えないだけでちゃんと笑ったりできるしね…ふふ。
「さ、行くぞ」
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「…俺もだ」
そう言って僕達は歩き出した。
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