はじまりはいつもラブオール

フジノシキ

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5章 激闘、二回戦!

030話 経験と、弱点と ①

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SIDE:SHIZUKA

 第三ゲーム、スコアは9-9のイーブン。
 デュースになったら絶対に競り勝つアリスちゃんが相手、次の一本は絶対に取る。

 私は初めて正面向きに構えると、ボールを高く投げ上げる。
 二球目のレシーブで崩して三球目で仕留めるために一番崩せる可能性の高い、投げ上げサーブを選択する。そこまで自信があるサーブではないが、多少アバウトでも初見なら投げ上げの威力で押し切れる。
 ボールを打つ瞬間にラケットを縦にしてフォアで打ったかバックで打ったかわからないフォームでサーブを放つ。横下回転なので、回転をしっかり理解できていなければふわっとしたチャンスボールで返球されるはず。
 
 だが、向こうはこちらのサーブを知っていたかのように肘を高く上げて打点で待ち構えると、スマッシュのような強烈なチキータを打ち込んでくる。三球目は反射的にカウンターブロックしたものの、四球目をスマッシュで打ち抜かれる。


「-ッシ!!」

 やられた。
 今のは完全にこのサーブを『知っている』レシーブだった。投げ上げサーブの中ではそこまで希少なわけでもないサーブ。身近に使い手がいるのかもしれない。

 9-10、セットポイントを向こうに取られたが、無抵抗でそのまま取られるつもりは無い。
 サーブを打つ基本の立ち位置に戻り、バック側へのロングサーブを放つ。そのままお互い得意の中陣バックハンドドライブの打ち合いに持って行くつもりだったが、ここで相手はレシーブをストレートにこちらのフォア側へ打ち込んできた。
 バックハンドでストレートに打ってくるのとフォアハンドでストレートに打つのはバックハンドの方が有利なので、こちらは素直にフォアハンド側へクロスのスピードドライブを打ち込む。

 自分としてもこれ以上ないスピードとコースのスピードドライブ。だが、向こうは右手を投げ出してブロックする。ブロックの瞬間手首を返していたので下回転がかかっているかそれともナックルか、一瞬迷ってからループドライブを選択したが、ナックルで打つ瞬間ボールが微妙に揺れたため、打点のずれたループドライブは思い切りコートオーバーしてしまう。


「ヨシッ!!!」

 9-7からの四連続失点で9-11。第三ゲームを取られてしまう。
 だが落ち込みなどしない。こんな試合展開今まで何度も経験してきた。
 
 最後に勝つのは私、妙高静香だ。
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