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第3章 ファーストライブ!
伝説のはじまり
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舞台袖から控え室に戻ってくる佑香たち。紗夜香が三人を迎える。
「みんな、お疲れ様。控え室のテレビから見ていたけど、初ライブにしては文句なしだったわ」
「さやか先輩、ありがとうございますっ」
美空はカバンからスポーツドリンクの入ったペットボトルを三本取り出すと、玲に手渡す。
「はい、玲ちゃん。本番終わると一気に喉が渇くでしょ?」
「うん、ありがとう、美空」
スポーツドリンクを受け取ると一気飲みする玲。本番が終わり、緊張が取れたところで一気に汗として流れ出た水分を補給する。今まで文化系だった玲は、生まれてはじめてスポーツドリンクをこんなにも美味しいものだと感じた。
三人がスポーツドリンクを飲んで休んでいたら、音響室から亜紀が戻ってきた。
「三人とも歌バッチリやったで!」
そう言うと右手を高く掲げる亜紀。意図に気付いた佑香が同じく右手を上げて亜紀とハイタッチする。
パチンッ
そのまま亜紀は美空、玲ともハイタッチを交わす。亜紀にとってもはじめてのホールでの音響調節、『初ライブ』だったのだ。
亜紀を含めた四人でライブの余韻に浸っていたところ、控え室に美樹先輩がやってきた。
「みんな、おつかれさま。良いステージだったよ!」
「ありがとうございますっ」
佑香がぺこりとお辞儀をする。紗夜香がちょっといたずらっぽく美樹先輩に聞く。
「どうでした? 愛菜先輩、この子達のキャンスト」
「そりゃあもう、ワタシの初ライブとは比べものにならないよ。こんなに踊れなかったし声なんか上ずって酷かったもん。ダンスも完コピしてくれたんだね!」
「はいっ、すごく可愛いダンスで踊ってて楽しかったです」
そう言って笑う佑香。美樹先輩もうんうんと頷く。と、何かを思い出したように美樹先輩がポケットからスマートフォンを取り出す。
「そうそう、みんなに教えたいことがあったんだ。これを見て」
そう言ってスマートフォンの画面を見せる美樹先輩。画面を覗き込む五人。
「愛菜先輩、これは?」
「今回のフェス用にツイッターのハッシュタグを作っているんだ。これはそのタグの検索結果。見て」
佑香が画面を見ると、そこには今回のアイドルフェスに対する感想が並んでいた。
『まもなくアイドルフェス』
『会場着いた。まだ人ほとんどいない』
などという書き込みがタグと一緒に書き込まれている。それらの書き込みを時系列で追っていった佑香の目がとある書き込みのところで止まる。
『最初のグループすげえ良かった!これで初ライブらしい』
「これって……」
「他にもあるよ。見て」
そう言って美樹先輩が画面をスクロールさせる。そこには三人についての書き込みが続いていた。
『1組目のグループみんなかわいかった。2曲目の青い子のジャンプ、あれは一見の価値あり』
『トップバッターのスノーフェアリーズ。荒削りだがここまで可能性を感じるグループには初めて会った。もしかしたら伝説のはじまりの瞬間に立ち会ったのかもしれない』
全員がその書き込みをじっと見つめていた。美空が口を開く。
「え、でもお客さん二十人もいないくらいだった気が」
「うん、だから二十人のうち三人が書き込まずにはいられない、と思ったくらいみんなのパフォーマンスが良かったんだよ」
そう言ってウィンクする美樹先輩。まだ実感が沸かない美空は、しばらくその書き込みを見つめていた。
★
その後、美樹先輩と実行委員長に挨拶をして、五人は会場を出た。まだ日は高く、メインストリートでは出店の学生達の元気な声が聞こえていた。
「うう、みっぴーのトークショー見たかった……」
「トークショーは整理券で朝から並んでいたみたいだからね」
残念そうな声を出し肩を落とす佑香に対し、紗夜香が苦笑しながら話し掛ける。
「ま、せっかくの初ライブ成功やし、そんな辛気臭い顔せんと学園祭楽しもうで」
「そうだね。屋台とか回ろうか」
「屋台! わたしライブ前でダイエットしてたからたくさん食べるぞ!」
屋台という言葉に急に元気になる佑香に苦笑する玲。
「佑香、ダイエットなんてしてたの?」
「うん、だってせっかくの衣装、本番でウエスト入りませんとか絶対いやだったもんっ」
「そういやゆかっち最初の頃は弁当ものすごい量だったもんなぁ」
「えへへ、元々は大食いなのです」
そう言う佑香に美空が声を掛ける。
「あ、佑香ちゃんあっちに『エスニック焼きそば』だって」
「なに、エスニック焼きそばですと。それは食べてみないとっ」
美空の手を引いて屋台へと向かっていく佑香。その姿を見ていた亜紀が玲に話し掛ける。
「さ、れいれい、うちらも色々見て回ろうや」
「うん」
★
結局、学園祭の終了時間まで見て回った五人は、そのまま別れてそれぞれの帰路に着いた。
家に帰った玲が、シャワーを浴びてからパジャマに着替えて自室の椅子に腰掛けた。目を閉じると、まだ今日のライブの光景が甦ってくる。ライブ前の泣いてしまった自分も、今となっては思い出として胸の中にしまっておくことができた。
「そうだ……」
玲は、スマートフォンを取り出す。ライブ前自分に平常心を戻してくれた美空に礼を言おうとしたが、そういえばまだメールアドレスの交換だけで、電話番号は聞いていなかったことに気付く。
明日電話番号も聞こうと思いながら、玲は美空に対してメールを打つ。感謝の言葉を並べているうちに、美空にはライブ前に助けられたが、本番中には佑香にもたくさん助けてもらったなと思う。
結局、玲はグループメールで美空と佑香の二人にメールを送ることにした。
『佑香、美空、こんばんわ。今日はお疲れ様。そしてありがとう。二人に助けてもらったおかげで、私にとって最高の初ライブになりました。明日からもよろしく』
メールを送信すると、一気に今日の疲れが襲ってきて、メールの返信を確認する前に、玲はそのまま眠りについた。
「みんな、お疲れ様。控え室のテレビから見ていたけど、初ライブにしては文句なしだったわ」
「さやか先輩、ありがとうございますっ」
美空はカバンからスポーツドリンクの入ったペットボトルを三本取り出すと、玲に手渡す。
「はい、玲ちゃん。本番終わると一気に喉が渇くでしょ?」
「うん、ありがとう、美空」
スポーツドリンクを受け取ると一気飲みする玲。本番が終わり、緊張が取れたところで一気に汗として流れ出た水分を補給する。今まで文化系だった玲は、生まれてはじめてスポーツドリンクをこんなにも美味しいものだと感じた。
三人がスポーツドリンクを飲んで休んでいたら、音響室から亜紀が戻ってきた。
「三人とも歌バッチリやったで!」
そう言うと右手を高く掲げる亜紀。意図に気付いた佑香が同じく右手を上げて亜紀とハイタッチする。
パチンッ
そのまま亜紀は美空、玲ともハイタッチを交わす。亜紀にとってもはじめてのホールでの音響調節、『初ライブ』だったのだ。
亜紀を含めた四人でライブの余韻に浸っていたところ、控え室に美樹先輩がやってきた。
「みんな、おつかれさま。良いステージだったよ!」
「ありがとうございますっ」
佑香がぺこりとお辞儀をする。紗夜香がちょっといたずらっぽく美樹先輩に聞く。
「どうでした? 愛菜先輩、この子達のキャンスト」
「そりゃあもう、ワタシの初ライブとは比べものにならないよ。こんなに踊れなかったし声なんか上ずって酷かったもん。ダンスも完コピしてくれたんだね!」
「はいっ、すごく可愛いダンスで踊ってて楽しかったです」
そう言って笑う佑香。美樹先輩もうんうんと頷く。と、何かを思い出したように美樹先輩がポケットからスマートフォンを取り出す。
「そうそう、みんなに教えたいことがあったんだ。これを見て」
そう言ってスマートフォンの画面を見せる美樹先輩。画面を覗き込む五人。
「愛菜先輩、これは?」
「今回のフェス用にツイッターのハッシュタグを作っているんだ。これはそのタグの検索結果。見て」
佑香が画面を見ると、そこには今回のアイドルフェスに対する感想が並んでいた。
『まもなくアイドルフェス』
『会場着いた。まだ人ほとんどいない』
などという書き込みがタグと一緒に書き込まれている。それらの書き込みを時系列で追っていった佑香の目がとある書き込みのところで止まる。
『最初のグループすげえ良かった!これで初ライブらしい』
「これって……」
「他にもあるよ。見て」
そう言って美樹先輩が画面をスクロールさせる。そこには三人についての書き込みが続いていた。
『1組目のグループみんなかわいかった。2曲目の青い子のジャンプ、あれは一見の価値あり』
『トップバッターのスノーフェアリーズ。荒削りだがここまで可能性を感じるグループには初めて会った。もしかしたら伝説のはじまりの瞬間に立ち会ったのかもしれない』
全員がその書き込みをじっと見つめていた。美空が口を開く。
「え、でもお客さん二十人もいないくらいだった気が」
「うん、だから二十人のうち三人が書き込まずにはいられない、と思ったくらいみんなのパフォーマンスが良かったんだよ」
そう言ってウィンクする美樹先輩。まだ実感が沸かない美空は、しばらくその書き込みを見つめていた。
★
その後、美樹先輩と実行委員長に挨拶をして、五人は会場を出た。まだ日は高く、メインストリートでは出店の学生達の元気な声が聞こえていた。
「うう、みっぴーのトークショー見たかった……」
「トークショーは整理券で朝から並んでいたみたいだからね」
残念そうな声を出し肩を落とす佑香に対し、紗夜香が苦笑しながら話し掛ける。
「ま、せっかくの初ライブ成功やし、そんな辛気臭い顔せんと学園祭楽しもうで」
「そうだね。屋台とか回ろうか」
「屋台! わたしライブ前でダイエットしてたからたくさん食べるぞ!」
屋台という言葉に急に元気になる佑香に苦笑する玲。
「佑香、ダイエットなんてしてたの?」
「うん、だってせっかくの衣装、本番でウエスト入りませんとか絶対いやだったもんっ」
「そういやゆかっち最初の頃は弁当ものすごい量だったもんなぁ」
「えへへ、元々は大食いなのです」
そう言う佑香に美空が声を掛ける。
「あ、佑香ちゃんあっちに『エスニック焼きそば』だって」
「なに、エスニック焼きそばですと。それは食べてみないとっ」
美空の手を引いて屋台へと向かっていく佑香。その姿を見ていた亜紀が玲に話し掛ける。
「さ、れいれい、うちらも色々見て回ろうや」
「うん」
★
結局、学園祭の終了時間まで見て回った五人は、そのまま別れてそれぞれの帰路に着いた。
家に帰った玲が、シャワーを浴びてからパジャマに着替えて自室の椅子に腰掛けた。目を閉じると、まだ今日のライブの光景が甦ってくる。ライブ前の泣いてしまった自分も、今となっては思い出として胸の中にしまっておくことができた。
「そうだ……」
玲は、スマートフォンを取り出す。ライブ前自分に平常心を戻してくれた美空に礼を言おうとしたが、そういえばまだメールアドレスの交換だけで、電話番号は聞いていなかったことに気付く。
明日電話番号も聞こうと思いながら、玲は美空に対してメールを打つ。感謝の言葉を並べているうちに、美空にはライブ前に助けられたが、本番中には佑香にもたくさん助けてもらったなと思う。
結局、玲はグループメールで美空と佑香の二人にメールを送ることにした。
『佑香、美空、こんばんわ。今日はお疲れ様。そしてありがとう。二人に助けてもらったおかげで、私にとって最高の初ライブになりました。明日からもよろしく』
メールを送信すると、一気に今日の疲れが襲ってきて、メールの返信を確認する前に、玲はそのまま眠りについた。
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