誰かのヒーローになりたい俺の第一歩

よーじろー

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第四章

第三十八話

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 翌日、依然として真冬はパソコンで何かしら作業をしており、リチャードは電話をかけては書類にチェックをつけたり、手帳に書き込んだりしている。
 東は今日もどこかに出かけ、そして、あかりもまた崇徳院朱雀のところに出かけている。
 昨日はどのように解決していくつもりなのか、作戦の概要を説明するだけに終わったので、今日は具体的なところを詰めていくのだろう。
 皆が各々の仕事を着々と遂行している中、あかりに突き放された俺に仕事は与えられなかった。
 当然と言えば当然の仕打ちなのだが、より一層の寂しさを感じずにはいられない。

「真冬さん、今少し大丈夫ですか?」
「ん、どったの、あっちゃん」

 真冬はパソコンに向かいながら声を上げる。
 初日こそ真冬の圧倒的な圧力に押されてしまったが、落ち着いて話せば何の問題はないただの男好きな男の娘であった。……まあ、あくまでも〝落ち着いて話せば〟という条件は消えないが。

「あかりさんと朱雀さんのことなんですが」

 その言葉に一瞬、パソコンを操作する真冬の手が止まる。

「ああ、あかりちゃんとすーちゃんね。なるなる」

 軽く頷きながら真冬があからさまに口を濁す。
 何か訳ありなのはあかりと朱雀のやり取りを見ていて感じていた。
 そして、その後のあかりの態度を見て確信した。
 問題なのはそれが悪い方向に向かっているような気がしてならないということだった。

「幼馴染っていうのは?」
「それは聞きました」
「じゃあ、昔の事件については?」
「真冬様!」

 作業する手を止めることなくリチャードが口をはさむ。その口調はいつになく厳しく、有無を言わせない。

「あっちゃんも知っといた方がいいんでね? もう無関係ってわけじゃないしさ」

 その言葉にリチャードがひとつ溜息を吐く。

「それとこれとは別です。お嬢様にもきつく口止めされてるんですから」
「えー、リチャードのけち」
「すみません、神田様、今のは聞かなかったことにしてください」

 分かりやすく釘を刺しにくる。
 あかりになんて言われて口止めされたのかは知らないが、それだけは確約できない相談だった。

「話の内容によりますが……たぶん俺が引くことはないですよ。もし真冬さんに教えてもらえなくてもそれは変わらないと思います」
「それでもです」
「……分かりました。それなら他の人に訊きます」

 あかりのことだ。
 おそらくもう根回しは済んでいるのだろうから望みは薄い。
 しかし、それでも俺は明楽あかりという人物のことをもっと知らないといけないと思ったのだ。
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