Oddball !!!

Hirapa.

文字の大きさ
1 / 1

アタシ

しおりを挟む
「あ~…      」
溜め息しか出ない。

またやってしまった。
何回同じ事を繰り返せば気が済むのであろうか。
アタシはダメな女だ。

アタシは元占い師。今はセラピストって言うかマッサージ師?とにかく疲れた人を癒す仕事をしている。って別にいやらしいマッサージとかじゃなくて。

何をやらかしたかって?
ダメな男とまた付き合ってしまった…。
どんな男かって?
聞いてくれる?働きもしない、遊びもしないただただ生きてるだけ。
最初は良いの。
「僕は自分に自信がない。けど、君のことは好きだ。君と一緒にいたい。」
年下の男、なんか求められると可愛いく見えてしまう。

正直なところ私も自信がない。
顔も可愛いわけじゃないし、スタイルもいいわけじゃない。学生の頃はイジメられてたときもあった。
美人でスタイルもいい奴に!
だから見返してやる!って必死に勉強していい大学行っていい就職先で働いてって頑張った。
けど人間の根本ってそう変わんないよね。

最初に付き合った彼。
典型的なヒモ男。
「オレ夢があるんだ!いつか音楽で売れる!みんなのハートに響く音楽を作りたい!」って…
売れない夢見がちのギタリスト。
最初は良いの。素人目で見て上手いギターでアタシのために曲も作ってくれた。
アタシはこのとき“恋は盲目”って言葉を知った。
今でも思い出すだけで鳥肌が立つ…。
でもそのときは気付かないのよ~。
いつの間にかアタシの家に転がり込んできて、普通に生活してる。
たまにアタシをライブハウスに誘って2、3曲歌う。5、6人の前で。
いろんなバンドや歌い手さんの最初のほうで。でもその時は気付かないんだよな~
「売れてる歌手は最初はみんなこうなんだ!頑張ってー!」ってな感じで…。

なんで別れたかって? 
だって
「スタジオ借りたいから金貸して!頼む!絶対この曲は売れるから!オレの最高傑作だから!頼む!」
だったらって1万をはい。月3回くらい。
んで決まってする言い訳が、
「まだオレの音楽って世の中に受け入れてもらえないんだよな~。」
あー、あのピュア過ぎた自分を殺してしまいたい…。
「ヒデ君(元彼の名前)の曲は良い曲だよ!絶対みんなに受け入れて貰えるときがくるから!アタシそのためだったら頑張るから、一緒に頑張ろ!」
んで2人でベッドイン。

後からそのスタジオを借りる金は風俗に使ってたことがわかってバイバイ…。

あ~…  今考えたらあの時から始まってたんだよなぁ~…。

ちなみに2人目の彼も同じタイプ。
「オレは日本一のラーメンを作る!」
海賊王じゃないんだから…。
でも、仕事が終わって疲れて帰って来たときに彼は毎日美味しいあったかいご飯を作って待っててくれるの!
そんなことされたら、
「ヒロ君(2人目の彼の名前)なら絶対大丈夫だよ!だって料理こんなにも美味しいんだもん!アタシ応援するから!」
そのままベッドイン!

なんで別れたかって?
だってそいついつまでたってもラーメン屋のバイトしてるだけだもん。
何年待ったかって?
2年待った。2年もラーメン屋のバイトってただのフリーターじゃねぇか!
最終そこのラーメン屋のバイトの女の子と浮気して終了ー!

3人目は今の彼。
冒頭にあったように
「僕は仕事も続かないし、イジメられてばっかりでいつもパシリで…
君はそんな僕にいつも優しくしてくれる。君のことが好きだ。付き合ってください。」
このときは、アタシは占い師。
彼はその時の客。
前の彼の件があって自分の運命を変えたくて働きながら占いを勉強して人を占えるだけの技術を身につけた。
もともと人間観察が好きで、霊感じゃないけどその人の性格や行動、喋り方なんかでどんな人なんか良く分かった。

ん?じゃあ何でヒモ男を好きになるかって?
あくまでも第三者目線で見たらの話ね。
自分の事になると分からないもんよ~。だって好きになっちゃうんだもん!アタシみたいな人間でも求められるんだもん!正直途中で気付くんだけどね…。この人ダメかも…  って。
でもこの人はアタシがいなきゃダメなんだ!最悪アタシがこの人を支える!
典型的なダメ男製造マシーンなの!
アタシ!

でもこのときはは吹っ切れてた!
仕事もしない、遊びもしない彼。だけど浮気もしない金も要求してこない、ただただアタシの側にいる。それだけで良かった。この頃アタシは自分のキャラも変えた。
静かで一所懸命、暗いわけじゃないけど彼の求めることを何でもする。

占いを勉強して分かった。要は自分を変えなきゃ運命なんて変わらない。
占いなんて自分を変えるきっかけ。

アタシは底抜けに明るく変えた。
周りが引くくらい。
でも、周りの目なんて気にしない!って思いたかったけど仕事を辞めた…。

俗に言う高校デビュー的な。
職場も新たに気持ちも新たに!

実は占い師もしんどかった…
いろんな方面から未来を予測するんだけど、結果がわかるわけではない。
アタシの一言で人の運命が良くも悪くも変わってしまう。
なんか責任重大なようで…

それはともかく、新しい仕事はマッサージ、癒しの仕事。
仕事場では仲間といるときはゲラゲラ笑っていた。よく喋った。
周りからは変わった人ってな感じで見られたけどどうでもよかった。

アタシが変わったらタカシ(3番目の彼)が逃げて行った。
なんか優しくて静かで愚痴を聞いてくれてるアタシが良かったみたい。

なんか疲れた…

アタシこれであってるよね…?

明るく頑張ってるんだけど…
いつも笑って爽快なんだけど…
これって本当の自分なのかな…?

なんか急に脱力感が襲ってきた…

彼と別れて4年…
今でも明るく笑って過ごしてる!
職場じゃムードメーカー!ってみんなの笑い者なだけのような気もする!
けど気にしない! 

気にすると不安が襲ってくるから!

これがアタシ!



とある花屋さんに足を止めた。
花でも部屋に飾って気持ちにゆとりを求めて。

「いらっしゃいませ~!」
「いらっしゃいませー!」

年配のおばさんとお兄さんの声が店に響いた。

2人ともアタシのほうを見てニッコリ笑顔で迎えてくれた。

なんか人の笑顔を久しぶりに見た気がした。

「あ!お兄さんアタシの中学の同級生のイシヅ君にそっくり!
って言ってもお兄さんわからないよね~!」
って言ってアタシはゲラゲラ笑った。
お兄さんは顔がハテナな感じで苦笑い。
おばさんも苦笑い。
でも、なんか良かった。
うーん?口では言い合せられないけどフィーリング的な?

何気ない一瞬がアタシには心地良かった。

言ってる意味、絶対分からないよね!

それでいい!アタシだけでいい!


それから毎週その花屋さんに通うようになった。
「お兄さん!一番長持ちする花ってどれ?アタシわからないから選んで!」

お兄さんはまた苦笑いをしながら選んでくれる。全く嘘がつけなさそうな顔で。
この人面倒くさ的な顔で笑顔。

おばさんは親しみやすい笑顔で
「いらっしゃい!お兄さんがいい花選んでくれるよ。」
ってお兄さんをチラッと見て笑った。



アタシは変わり者に見えるかもしれない。
でもそれでいい!
なんか明るく笑ってると今となっては良かったんだと思う!
アタシの人生だもん!




しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...