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女医
女医-名刺
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世間が正月気分で浮かれている頃、僕の気分は沈んでいた。
直腸に問題はないとは言われたが、血便を出したお腹の中は心配で、あれからも何度か便に血がついていた。
僕は正月気分に浮かれたテレビ番組を横目に検査の日を待ちわびた。
1月4日に指示された通り、朝食を食べず病院に行った。
僕よりも早く検査を受けに来ているおじさんが3人ほどいた。僕は、そのおじさん達の後に並んで検査を受けた。
おじさん達はバリウム検査の経験者らしく、慣れた感じで検査を受けていた。
僕は初めての経験なので何をするのか不安で、おじさん達の嫌がっている声が聞こえる度に不安になった。
「空気が入れないようにバリウムを飲んでください」と看護婦さんに言われ、重たい牛乳のような液体を飲んだ。空腹のお腹の中が嫌な感じがする。
その後、公園の遊具のような鉄の機械の中に押し込められ、グルグルと回された。僕は理学療法士の指示に従いながら、お腹を何度も撮影された。
その後なに渡された下剤を飲んで便所に駆け込んだ。白い液体がピーピーと出てきた。これをちゃんと出し切らないとお腹の中で固まるらしい。
僕は空腹のお腹をもてあそばれて、ほとほと疲れ果てた。
とにかく、検査は終わり、あとは検査結果を待つだけだ。
入院したらこんな事が死ぬまで続くかもしれないと思うと憂鬱だった。
午後の診察まで、近くのショッピングモールをうろつき、喫茶店で本を読んで過ごした。
ショップには高額な赤い福袋が並んでいたが、処刑宣告の時を待つ僕には何が入っていようが関係なかったので興味もわかない。その派手派手しさや賑やかさが癪に触った。
今の僕にとっては検査の結果が「異常なし」というのが一番の当たり袋だ。
だけれども、そんなことはまずないだろう。何故か僕はガンになっている確信的な予感がしていたので、早く悪い場所が見つかって、治療をしなければならないと考えていた。
そして、診察の時間が来た。
診察室には日高女医が机に向かって座っていた。僕のお腹のレントゲン写真を何枚も並べて熱心に見ていた。
やはり悪いところがあったのか。
僕は、緊張して椅子に座った。
「異常はなさそうね」
「ほんとですか?」僕は信じられず疑いの言葉を発した。
「ただ、もう一度確認するからベッドに横になってください」
「はい」
僕は年末と同じように硬いベッドの上に横になり、お尻をさらけ出した。
日高女医は僕の穴に指を突っ込みかき回した。
「うへ、はひ」
僕はくすぐったいような、快楽のようななんとも言えない感触を得た。
前回よりもゆびは深く根元まで挿入されていた。
きっと奥の方まで触診する必要があったのだろう。
僕は刺激に耐えながら前回と同様勃起させてしまっていた。
そして、最後には玉袋の下の方を親指で刺激され、僕は思わず「あっ」と声を上げてしまった。
日高女医はそれを楽しそうに半笑いで眺めながら、指を抜いた。
僕は物足りなさを感じつつ、またもや放心状態で動くことが出来ないでいた。今回は日高女医が自ら肛門のワセリンを拭き取り、耳元に顔を近づけて囁いた。薄い上唇が少しめくれて紅く染まっていた。
「大丈夫よ。異常なし。健康そのものだわ。ただ、ここでは言いにくい事があるから、後で連絡ちょうだい」
そう言って、僕の手の中に隠すように名刺を渡してきた。
僕はその名刺をすぐにポケットにしまい込んだ。
後で確かめてみると、その名刺の裏には日高女医の個人的な携帯番号が書かれていた。
僕はもしかして余命を宣告されるのかもしれないと不安になった。しかし、確かに、「異常なし」、「健康そのもの」とも言っていた。薬も出てないし、入院の話も出ていない。一体、何の話があるのだろう。
夜になると早速、恐る恐る携帯番号に電話した。
直腸に問題はないとは言われたが、血便を出したお腹の中は心配で、あれからも何度か便に血がついていた。
僕は正月気分に浮かれたテレビ番組を横目に検査の日を待ちわびた。
1月4日に指示された通り、朝食を食べず病院に行った。
僕よりも早く検査を受けに来ているおじさんが3人ほどいた。僕は、そのおじさん達の後に並んで検査を受けた。
おじさん達はバリウム検査の経験者らしく、慣れた感じで検査を受けていた。
僕は初めての経験なので何をするのか不安で、おじさん達の嫌がっている声が聞こえる度に不安になった。
「空気が入れないようにバリウムを飲んでください」と看護婦さんに言われ、重たい牛乳のような液体を飲んだ。空腹のお腹の中が嫌な感じがする。
その後、公園の遊具のような鉄の機械の中に押し込められ、グルグルと回された。僕は理学療法士の指示に従いながら、お腹を何度も撮影された。
その後なに渡された下剤を飲んで便所に駆け込んだ。白い液体がピーピーと出てきた。これをちゃんと出し切らないとお腹の中で固まるらしい。
僕は空腹のお腹をもてあそばれて、ほとほと疲れ果てた。
とにかく、検査は終わり、あとは検査結果を待つだけだ。
入院したらこんな事が死ぬまで続くかもしれないと思うと憂鬱だった。
午後の診察まで、近くのショッピングモールをうろつき、喫茶店で本を読んで過ごした。
ショップには高額な赤い福袋が並んでいたが、処刑宣告の時を待つ僕には何が入っていようが関係なかったので興味もわかない。その派手派手しさや賑やかさが癪に触った。
今の僕にとっては検査の結果が「異常なし」というのが一番の当たり袋だ。
だけれども、そんなことはまずないだろう。何故か僕はガンになっている確信的な予感がしていたので、早く悪い場所が見つかって、治療をしなければならないと考えていた。
そして、診察の時間が来た。
診察室には日高女医が机に向かって座っていた。僕のお腹のレントゲン写真を何枚も並べて熱心に見ていた。
やはり悪いところがあったのか。
僕は、緊張して椅子に座った。
「異常はなさそうね」
「ほんとですか?」僕は信じられず疑いの言葉を発した。
「ただ、もう一度確認するからベッドに横になってください」
「はい」
僕は年末と同じように硬いベッドの上に横になり、お尻をさらけ出した。
日高女医は僕の穴に指を突っ込みかき回した。
「うへ、はひ」
僕はくすぐったいような、快楽のようななんとも言えない感触を得た。
前回よりもゆびは深く根元まで挿入されていた。
きっと奥の方まで触診する必要があったのだろう。
僕は刺激に耐えながら前回と同様勃起させてしまっていた。
そして、最後には玉袋の下の方を親指で刺激され、僕は思わず「あっ」と声を上げてしまった。
日高女医はそれを楽しそうに半笑いで眺めながら、指を抜いた。
僕は物足りなさを感じつつ、またもや放心状態で動くことが出来ないでいた。今回は日高女医が自ら肛門のワセリンを拭き取り、耳元に顔を近づけて囁いた。薄い上唇が少しめくれて紅く染まっていた。
「大丈夫よ。異常なし。健康そのものだわ。ただ、ここでは言いにくい事があるから、後で連絡ちょうだい」
そう言って、僕の手の中に隠すように名刺を渡してきた。
僕はその名刺をすぐにポケットにしまい込んだ。
後で確かめてみると、その名刺の裏には日高女医の個人的な携帯番号が書かれていた。
僕はもしかして余命を宣告されるのかもしれないと不安になった。しかし、確かに、「異常なし」、「健康そのもの」とも言っていた。薬も出てないし、入院の話も出ていない。一体、何の話があるのだろう。
夜になると早速、恐る恐る携帯番号に電話した。
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