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神石
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久々に何もしないでいい週末が出来た。
激しい雨が降って夕方の少年サッカーの練習も無くなったし、夜からのシニアサッカーの練習も無くなった。日曜日もなんの予定もない。こんな事は数年ぶりだろう。久々に何もせずにだらだらと過ごして心の中のモヤモヤしたものや疲れた体を癒そうと思った。しかし、長くは続かなかった。土曜日の午後になると、早くも何もしないで家でゴロゴロしているのは気が狂いそうになってきた。体は硬くなって血の流れが悪くなり落ち着かない。気分も滅入ってきて落ち着かない。外に出てなにか体を動かさなければ体中に毒素が溜まって死にそうである。そう言えば、この間散髪した時にビデオ屋の無料レンタル券をもらっていて、その期限が迫っていたなあと思い出した。無料チケットを散らかったタンスの上から探し出すと早速車を運転してビデオ屋に向かった。サンダルに短パンTシャツ姿が少しカッコ悪い気もしたが、激しい雨の梅雨入り前のこの季節にはこの位の格好で出かけるのが一番いい。借りるビデオのあてもなくレンタルコーナーをぶらぶらする。ぶらぶら歩き回るのが目的なのだからできるだけ広い範囲を色々歩き回ろうと思っていたが、無料で借りられるのは旧作のみで意外と選べる範囲が少ない。Amazonプライムでは絶対出ていないような作品で面白そうなものが無いか物色する。そうすると意外と早く気になる作品が見つかった。無料だから失敗しても痛くも痒くもない。なのでお金を払うなら絶対見ないような作品を選んだ。恋愛経験の少ない少女がふとしたきっかけでお金持ちに恋をしてしまうが、その人にはとてつもない性癖があり、付き合うには絶対服従の契約書に同意しなければならない。その契約書にサインするということはとても危険な扉を開くことになる。ちょっとエロいR15指定の作品だ。これならAmazonプライムにもまず出てないだろう。女性が好む少女漫画のような展開で普段の自分ならまず選ばないような作品である。その作品を持ってカウンターに行くと小慣れていないアルバイトの男性が対応してくれた。何を言っているかよく聞き取れない。こんな事なら隣の可愛い女の子の方に行けばよかったと後悔するが週末ぶらぶらしている身分で偉そうな事は言えない。慣れない職場であたふたと頑張っているオタク風の男性に若干の寛容さを示しながら無料でレンタルをするとぶらぶら感に物足りなさを感じて隣の百円ショップをブラブラとする。そこでは膝の柔軟体操に使うテニスボールと手軽な筋トレ用品、足裏マッサージグッズ、庭の花壇の手入れに使うもの等が無いかと探してみる。テニスボールは本物のとは違っていて材質が気に食わなかったので野球の硬式ボールのようなサインボールを選んだ。その他のものを適当に物色しているとおばさんの店員が「なにか探してますか」といきなり声をかけてきた。私は若干戸惑ってしまった。万引きでもするんじゃないかとずっと見られていたような気がしたからだ。適当に探していたので目が泳いでしまった。店員から怪しいと思われたかもしれないと思うとますます動揺してしまい「大丈夫です」という息子のよく使う口癖を使って返答した。息子の気持ちが少しわかったような気がした。
庭の手入れをする用品を買っていると庭に何かを植えたくなってきた。もちろん食べられるものである。大根の種でも植えて、大根の芽でも食べようかと思って種を売ってそうなスーパーによってみた。以前畑に植えた大根の芽を植えて間引いたものを炒めて食べてみたら思ってた以上に美味しかった記憶があったからである。ところが大根の種は思ってた以上に高く、大根を育てる気もないのにその芽を食べるなんて勿体ないような気がしてきた。結局レタスの5種類ミックスとえんどう豆を買った。それから隣のリサイクルショップによって足裏マッサージ用品を物色したが良いものはなかった。その代わり大きな枝きり鋏の良さそうなものがあった。値札が付いていなかったのでレジに持って行って聞いてみると千円もした。リサイクルショップで千円はなかなかだなと思ったが庭に生えている邪魔な木の枝を剪定するには欠かせないと思って買うことにした。
だらだらと過ごそうと決めていた週末は気がつくと雨の中、庭の手入れをしてレタスとえんどう豆の種を植えていた。庭にはよく分からない木の枝が勢いよく生え茂っていた。先程買ってきたばかりの枝切り鋏を使うと面白いように切れた。以前ノコギリで切り落としていた時にはこうは上手くいかなかった。今日買った中でいちばん高価なものがとても役に立って満足した。そして、土の上に生えている三葉のクローバーをガリガリと刈り取って手入れをした。その後泥だらけになった手を洗った。雨が降っているので水をまく必要は無いが、Tシャツと短パンは濡れてしまった。二、三日後に芽が出てくるかと思うと楽しみが1つ増えた。
何もする事がないと言っても明るいうちから酒を飲むのははばかられたので携帯ゲームと筋トレや膝の柔軟体操をしながら夜になるのを待った。夜が来て酒を飲み始めると間もなく寝てしまった。
なんだかんだ言って何かをしていないと落ち着かない性分なんだなと思った。日曜日ははなからどこかに出かけようと思った。以前知人から貰った神石高原町の風呂屋の無料チケットが大量にあったので家族を誘ってみたが誰も行かないという。こ場所からは車で片道1時間半ほどかかる距離である。ちょっと面倒だなと思い、いつも行くのを躊躇っていた場所であるが今回はちょうどいい機会である。一人ででも出かけようと出発した。
神石2へ続く
激しい雨が降って夕方の少年サッカーの練習も無くなったし、夜からのシニアサッカーの練習も無くなった。日曜日もなんの予定もない。こんな事は数年ぶりだろう。久々に何もせずにだらだらと過ごして心の中のモヤモヤしたものや疲れた体を癒そうと思った。しかし、長くは続かなかった。土曜日の午後になると、早くも何もしないで家でゴロゴロしているのは気が狂いそうになってきた。体は硬くなって血の流れが悪くなり落ち着かない。気分も滅入ってきて落ち着かない。外に出てなにか体を動かさなければ体中に毒素が溜まって死にそうである。そう言えば、この間散髪した時にビデオ屋の無料レンタル券をもらっていて、その期限が迫っていたなあと思い出した。無料チケットを散らかったタンスの上から探し出すと早速車を運転してビデオ屋に向かった。サンダルに短パンTシャツ姿が少しカッコ悪い気もしたが、激しい雨の梅雨入り前のこの季節にはこの位の格好で出かけるのが一番いい。借りるビデオのあてもなくレンタルコーナーをぶらぶらする。ぶらぶら歩き回るのが目的なのだからできるだけ広い範囲を色々歩き回ろうと思っていたが、無料で借りられるのは旧作のみで意外と選べる範囲が少ない。Amazonプライムでは絶対出ていないような作品で面白そうなものが無いか物色する。そうすると意外と早く気になる作品が見つかった。無料だから失敗しても痛くも痒くもない。なのでお金を払うなら絶対見ないような作品を選んだ。恋愛経験の少ない少女がふとしたきっかけでお金持ちに恋をしてしまうが、その人にはとてつもない性癖があり、付き合うには絶対服従の契約書に同意しなければならない。その契約書にサインするということはとても危険な扉を開くことになる。ちょっとエロいR15指定の作品だ。これならAmazonプライムにもまず出てないだろう。女性が好む少女漫画のような展開で普段の自分ならまず選ばないような作品である。その作品を持ってカウンターに行くと小慣れていないアルバイトの男性が対応してくれた。何を言っているかよく聞き取れない。こんな事なら隣の可愛い女の子の方に行けばよかったと後悔するが週末ぶらぶらしている身分で偉そうな事は言えない。慣れない職場であたふたと頑張っているオタク風の男性に若干の寛容さを示しながら無料でレンタルをするとぶらぶら感に物足りなさを感じて隣の百円ショップをブラブラとする。そこでは膝の柔軟体操に使うテニスボールと手軽な筋トレ用品、足裏マッサージグッズ、庭の花壇の手入れに使うもの等が無いかと探してみる。テニスボールは本物のとは違っていて材質が気に食わなかったので野球の硬式ボールのようなサインボールを選んだ。その他のものを適当に物色しているとおばさんの店員が「なにか探してますか」といきなり声をかけてきた。私は若干戸惑ってしまった。万引きでもするんじゃないかとずっと見られていたような気がしたからだ。適当に探していたので目が泳いでしまった。店員から怪しいと思われたかもしれないと思うとますます動揺してしまい「大丈夫です」という息子のよく使う口癖を使って返答した。息子の気持ちが少しわかったような気がした。
庭の手入れをする用品を買っていると庭に何かを植えたくなってきた。もちろん食べられるものである。大根の種でも植えて、大根の芽でも食べようかと思って種を売ってそうなスーパーによってみた。以前畑に植えた大根の芽を植えて間引いたものを炒めて食べてみたら思ってた以上に美味しかった記憶があったからである。ところが大根の種は思ってた以上に高く、大根を育てる気もないのにその芽を食べるなんて勿体ないような気がしてきた。結局レタスの5種類ミックスとえんどう豆を買った。それから隣のリサイクルショップによって足裏マッサージ用品を物色したが良いものはなかった。その代わり大きな枝きり鋏の良さそうなものがあった。値札が付いていなかったのでレジに持って行って聞いてみると千円もした。リサイクルショップで千円はなかなかだなと思ったが庭に生えている邪魔な木の枝を剪定するには欠かせないと思って買うことにした。
だらだらと過ごそうと決めていた週末は気がつくと雨の中、庭の手入れをしてレタスとえんどう豆の種を植えていた。庭にはよく分からない木の枝が勢いよく生え茂っていた。先程買ってきたばかりの枝切り鋏を使うと面白いように切れた。以前ノコギリで切り落としていた時にはこうは上手くいかなかった。今日買った中でいちばん高価なものがとても役に立って満足した。そして、土の上に生えている三葉のクローバーをガリガリと刈り取って手入れをした。その後泥だらけになった手を洗った。雨が降っているので水をまく必要は無いが、Tシャツと短パンは濡れてしまった。二、三日後に芽が出てくるかと思うと楽しみが1つ増えた。
何もする事がないと言っても明るいうちから酒を飲むのははばかられたので携帯ゲームと筋トレや膝の柔軟体操をしながら夜になるのを待った。夜が来て酒を飲み始めると間もなく寝てしまった。
なんだかんだ言って何かをしていないと落ち着かない性分なんだなと思った。日曜日ははなからどこかに出かけようと思った。以前知人から貰った神石高原町の風呂屋の無料チケットが大量にあったので家族を誘ってみたが誰も行かないという。こ場所からは車で片道1時間半ほどかかる距離である。ちょっと面倒だなと思い、いつも行くのを躊躇っていた場所であるが今回はちょうどいい機会である。一人ででも出かけようと出発した。
神石2へ続く
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