神石

MJ

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神石5

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しばらく眺めているとカエルは苦しそうに口から泡を吐いた。

プクプクと泡は水面に浮上した。

白いカエルはプルプルと体を震わせて苦しそうにした。

もう持たないだろうと思っていると案の定カエルは水面に浮き上がって苦しそうに呼吸した。

俺はその姿が可愛くて笑ってしまった。
水の中にいれば隠れているつもりなんだろうか。

俺は田んぼに沿ってあぜ道を歩いた。大きな道路に面した田んぼは水が深くてオタマジャクシが沢山泳いでいた。

こいつらはこれだけ透明な水の中を泳いでいて天敵に食われることは無いのだろうかと不思議に思った。例えばサギやらザリガニやら。

そういえばザリガニは一匹もみない。
昔はこういう田んぼがあれば必ずザリガニがいたものだ。生態系が変わって来ているのだろうか。

そんなことを思いながら歩いていると、小さな店があった。その店には植物やちょっとした食べ物が置いてあった。
中に入ってみると誰もいなかった。唐辛子の苗があり、買ってみたいなとおもったが誰もいないなら買えない。

ほんとに居ないのかなと奥の方を覗き込むと老婆が椅子に座って寝ていた。
俺は老婆を起こさないようにそっと店を出てさっき来た道を引き返した。

さっきより早く歩くとそれに驚いたオタマジャクシが一斉に逃げ始めた。その姿は沢山のイルカが海の表面を泳ぐように勢いよく水面を波立たせた。

そんなに慌てて動いたら天敵に見つからないか?

柔らかい生命の塊が懸命に泳ぐ姿に生々しさと危うさを感じた。
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