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1-24 勘弁してください

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「ひぃぃ」と叫ぶ部長を涼介はムチでさらに叩く。

「勘弁してください」と部長が懇願する姿を見ると、崇はこのムチ本当に痛いんだなと思った。

「この証拠写真を妻に送るのか、それともこの女と別れるのかどちらを選択する?」

と涼介は問いかける。

「それを妻に送るのだけは勘弁してください」

「それではこの女と別れるのだな」と涼介がムチを構えて聞くと、部長はコクコクと頷いた。

由美子は落胆した表情を見せた。

「女よ、この男は妻と別れる気など無かったのが分かっただろう。この男をどうする?」

由美子は泣きながら答えた。
「ゆ、許せません。その写真をこの男の妻に送ってください」
怒りに震えている。

涼介は浮気の証拠写真を床の上に落として
「ここに置いておくから、手に入れた方が好きにすれば良い」
と言って崇と共に立ち去った。



二時間後、崇の姿をした誠也が別荘に現れた。
二階の寝室を開けた誠也は大袈裟に演技をした。
「部長、由美子さん!大丈夫ですか?一体こんな所で何をしているんですか?私は会社の別荘に不審者が出入りしていると通報を受けて急いできてみたんです」

そして、床の上の写真を拾い上げて、
「こ、この写真は!二人はもしかしてここで不倫をしていたんですか?」

誠也(崇課長姿)に浮気現場の写真を見られ、全裸でベッドの上でガムテープで縛られている二人には言い訳ができなかった。

「な、何をしている。早く助けろ!」

と部長が言うので誠也は部長の手首と足首のガムテープを引き剥がした。ベリベリという音とともに多数の毛が抜けた。

部長はすぐさま誠也から写真を奪い取った。


「警察に届けましょうか?」と誠也は携帯を出す。

「い、いや。届けなくてもいい」と部長が阻止する。

「だって、これって強盗にでも入られたんじゃないんですか?」誠也は涼介と崇の仕業だと分かっていて聞く。

「いや、そうじゃない。とにかく、この事は誰にも言うな」

この場に警察を呼ばれては困る部長は必死で誠也を止める。

部長は由美子のガムテープを解いた。

パチーンと大きな音がした後、二人は揉めている。由美子が怒って部長が必死でなだめている。

誠也はこれで仕事がしやすくなったとニヤついた。
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