1 / 40
シナリオと現実 編
プロローグ
しおりを挟む
ここは北の果てアヌイー族が治める『北海国』。
この国は真っ白なイヌミミと巻尾を持つ者が最も尊いとされ、中でも王家や王家に近い血筋の多いアヌイー種の高位貴族は皆、その真っ白な毛並みを自慢していた。
平民は茶系や黒系の毛並みの者が殆どであった。
稀に白系の者もいるが、そういう者は先祖に高位貴族がいるか、貴族の庶子であると言われている。
ところがそのアヌイー種は今、存続の危機にあった。
長年、同じ犬種同士で結婚を繰り返した影響で血が濃くなり過ぎて出生率が下がり、後継者が少ない高位貴族家が増え始めたのだ。
王家でさえ後継者の王子はリク殿下1人しかおらず、このままではまずいと危機感を覚えた国王はある決断をした。
北海国の神である、ブリーダー様にこの事態を脱却するべく、お伺いをたてたのだ。
するとブリーダー様からのお告げは
《他犬種との交配》。
この世界では別の犬種の者同士が結婚し子供が産まれても雑種になる事は無く、兄弟姉妹でも違う犬種で産まれてくる。
王家には《かつて異世界から舞い降りたという聖女の家系である、アキタ侯爵家の令嬢を王子の婚約者とし、王家を存続させよ。》というお告げが降りた。
王家を存続させるには、もうそれしか方法がなかったのだ!
平民と同じ薄茶色の毛並みを持つアキタ家の一人娘ツバキは、聡明な貴族令嬢であった。
リク殿下の側近の高位貴族の令息達にも、それぞれ他犬種の令嬢が充てがわれる事になった。
もちろん彼女達も皆、聡明で各家の役割に合った令嬢達であった。
しかし、婚約者のリク殿下を始め側近の令息達はツバキ達を認めず、蔑ろにしていたのである。
その原因は王妃やその実家、神殿を司るノサフ家が代表を勤める『血統第一主義派』による陰謀の所為であった。
この国は真っ白なイヌミミと巻尾を持つ者が最も尊いとされ、中でも王家や王家に近い血筋の多いアヌイー種の高位貴族は皆、その真っ白な毛並みを自慢していた。
平民は茶系や黒系の毛並みの者が殆どであった。
稀に白系の者もいるが、そういう者は先祖に高位貴族がいるか、貴族の庶子であると言われている。
ところがそのアヌイー種は今、存続の危機にあった。
長年、同じ犬種同士で結婚を繰り返した影響で血が濃くなり過ぎて出生率が下がり、後継者が少ない高位貴族家が増え始めたのだ。
王家でさえ後継者の王子はリク殿下1人しかおらず、このままではまずいと危機感を覚えた国王はある決断をした。
北海国の神である、ブリーダー様にこの事態を脱却するべく、お伺いをたてたのだ。
するとブリーダー様からのお告げは
《他犬種との交配》。
この世界では別の犬種の者同士が結婚し子供が産まれても雑種になる事は無く、兄弟姉妹でも違う犬種で産まれてくる。
王家には《かつて異世界から舞い降りたという聖女の家系である、アキタ侯爵家の令嬢を王子の婚約者とし、王家を存続させよ。》というお告げが降りた。
王家を存続させるには、もうそれしか方法がなかったのだ!
平民と同じ薄茶色の毛並みを持つアキタ家の一人娘ツバキは、聡明な貴族令嬢であった。
リク殿下の側近の高位貴族の令息達にも、それぞれ他犬種の令嬢が充てがわれる事になった。
もちろん彼女達も皆、聡明で各家の役割に合った令嬢達であった。
しかし、婚約者のリク殿下を始め側近の令息達はツバキ達を認めず、蔑ろにしていたのである。
その原因は王妃やその実家、神殿を司るノサフ家が代表を勤める『血統第一主義派』による陰謀の所為であった。
1
あなたにおすすめの小説
これは一周目です。二周目はありません。
基本二度寝
恋愛
壇上から王太子と側近子息達、伯爵令嬢がこちらを見下した。
もう必要ないのにイベントは達成したいようだった。
そこまでストーリーに沿わなくてももう結果は出ているのに。
婚約破棄の、その後は
冬野月子
恋愛
ここが前世で遊んだ乙女ゲームの世界だと思い出したのは、婚約破棄された時だった。
身体も心も傷ついたルーチェは国を出て行くが…
全九話。
「小説家になろう」にも掲載しています。
その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?
荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。
突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。
「あと、三ヶ月だったのに…」
*「小説家になろう」にも掲載しています。
魅了アイテムを使ったヒロインの末路
クラッベ
恋愛
乙女ゲームの世界に主人公として転生したのはいいものの、何故か問題を起こさない悪役令嬢にヤキモキする日々を送っているヒロイン。
何をやっても振り向いてくれない攻略対象達に、ついにヒロインは課金アイテムである「魅惑のコロン」に手を出して…
あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
愚か者の話をしよう
鈴宮(すずみや)
恋愛
シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。
そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。
けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?
所(世界)変われば品(常識)変わる
章槻雅希
恋愛
前世の記憶を持って転生したのは乙女ゲームの悪役令嬢。王太子の婚約者であり、ヒロインが彼のルートでハッピーエンドを迎えれば身の破滅が待っている。修道院送りという名の道中での襲撃暗殺END。
それを避けるために周囲の環境を整え家族と婚約者とその家族という理解者も得ていよいよゲームスタート。
予想通り、ヒロインも転生者だった。しかもお花畑乙女ゲーム脳。でも地頭は悪くなさそう?
ならば、ヒロインに現実を突きつけましょう。思い込みを矯正すれば多分有能な女官になれそうですし。
完結まで予約投稿済み。
全21話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる