白犬物語〜しくじりヒロインと愉快な仲間たち【ユイナーダ王国シリーズ外伝】

しくじりヒロイン 騎士団編

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神殿から追い出された私…サクラは今、タイガ様に紹介されたアラシ様の紹介で騎士団の詰所に来ています。


「…………借金が大金貨10枚って…たいへんだね君。(何をやったらこんなに借金が出来るんだよ？)で…何か特技は？」


今、私の面接をしているのはこの騎士団の人事担当者。
ここで雇ってもらわないとやばいので、聖魔法のヒールとキュアが使える事をアピールしてみたわ。


ヒールは実家でメイド代わりに、いろいろやらされていたから、細かい傷なんかを治すのに使っていてレベルも3あるのよ。
たぶんもうちょっとでレベル4までいくと思うの。


実は健気さアピールで神殿にいる時、ちょっとお手伝いしたから、実家に居る時より上がったのよね。
無料ただでやってたら、『仕事の邪魔をするな！』って巫女に怒られたわ。
皆んな喜んでたのに、何が邪魔だったのかしら？


キュアだって、食中毒の時に覚えたの。
食中毒の原因は休みの料理人の代わりに、私の作った料理だったけどね。


だいたい素人の私に、料理させるのが間違いよ！
因みにレベルは2だけど、使えないよりはマシだわ。


一応雇ってくれる事になったけど、残念なお知らせがあったの。
アラシ様って騎士団長の息子だって言うから、期待してたんだけど騎士団に対して何の権限も無かったのよね。


まだ学園入学前だし、騎士団にも入団していないから、伝を使っても仕事の紹介くらいしか出来ないんですって。


こんな事なら土下座してでも神殿に居た方が良かった……