【第4章】🦝ウチで雇ってるバイトがタヌキって言ったら、誰か信じる❓🦝

砂月ちゃん

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第2章 コンビニの訪問者

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こんにちは…高校生になった山根理子です。
入学式から1ヶ月あまり経ち、今日は同好会活動の日。
すなわち【オカルト研究同好会】の日……


行きたく無いけど、代表の薫ちゃんが張り切っているので無理。
顧問は寛現寺の檀家で、薫ちゃんの親戚でもある国語科の中井文香先生が引き受けてくれた。
資料整理の手伝いをする条件で……


部室は国語科資料室の空きスペース…というか、資料整理をしないと開かないスペースね。


先日やっと片付いて、今日から本格的に同好会活動が始まる。
と言ってもメンバーは私と薫ちゃんと坂野君だけ。
今のところ増える気配は無い。


「では、これから【オカルト研究同好会】としての活動を始めます。
じゃあ、最近この町で起こっているオカルト現象の報告からね。」


オカルト現象の報告?
【輪入道】と【片輪車】の事は封印されたから、他の事よね?


「最初は『交差点に立つ女の幽霊』の話からね。ちょうど坂野君のお兄さんが、例の【謎の暴走族】に襲われた頃に、事故現場の交差点で目撃情報があるの!」


へぇ~『交差点に立つ女の幽霊』ね~。
て…アレ?
それってもしかして?私の事じゃないの!


「へぇ…そうなんだ~。」

「それと同じ時間帯に『電話線の切れた公衆電話から消防署に救急要請があった』そうよ。」

「ああ、そりゃ兄貴のだな。誰が電話してくれたんだか知らねえけど。おかげで助かったぜ。」


それはウチでバイトしてるタヌキです。


「で、最新情報が『コンビニ店メープルに出る睨む幽霊』よ。」

「《メープル》って確か、松中の元生徒会長の倉本先輩の家だよね?」


倉本先輩は優しくて、その大柄でふくよかな体型は安心感がある。と松中では大人気だった。


「そう…そのコンビニに幽霊が出るんだって。しかもある決まった人がバイトでいる時だけなのよ。」

「薫ちゃん、よくそんなに詳しく知ってるわね?」

「家のお寺に依頼があったのよ。」


それって…情報漏洩って言わない?
私達に話して大丈夫なのかしら?


「へぇ~いつ頃からそんな事が起こってるんだ?」

「確か3月の上旬頃からだって話よ。」


そうすると【謎の暴走族事件】の時には、もうその幽霊がコンビニに出てたという事ね。


「その所為でお店の売り上げが落ちるわ、バイトが辞めるわで困ってて家にお祓いの依頼が来たの。」

「それってつまり、そのバイトが原因なんだろ?そいつを辞めさせれば、いいだけの話じゃないのか?」

「それがね~、なんか昔恩がある人の娘さんで、難しいらしいのよね。」


薫ちゃん…だからそれ、情報漏洩だってば!


「薫ちゃん…あのさ…そういうの私達に話して大丈夫なの?家で怒られない?」


すると薫ちゃんはキリリとした顔で、こう言って退けた!


「【オカルト研究同好会】の華々しいデビューの為には、これくらいインパクトのある事件を解決しなきゃ!そうすればメンバーも増えて、部活として認められるわ!!」


えっ?それ無理じゃないたぶん……
例え解決出来たとしても、実績証明の仕様が無いと思うけど…… 


「あ!そう言えば、他の同好会に入ってる子に聞いたけど、同好会ってこの学校だと『3人じゃ認められない。』そうなんだってね。後2人のメンバーはどうしたの?」

「……… 。」

「……… 。」


ちょっと!薫ちゃんだけじゃなくて、なんで坂野君まで黙って目を逸らすのよ!?


「あんた達まさか…… 。」

「やぁね~、松中の時のお友達に坂野君が!」

「ひでぇ!俺だけの所為にするのかよ!?」

「大丈夫よ、理子ちゃん!この学校、部活の掛け持ちOKだから!」


そういう問題じゃないと思う。
何処にしろ、この件はウチに帰ったら豆狸まめだ達に要相談ね!
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