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第2章 コンビニの訪問者
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「ただいま~。」
「あ、姉ちゃんおかえり。姉ちゃんにお客さんだよ。今、お店で待ってもらってる。」
ウチに帰ると瑞稀がお客さんが来ているのを教えてくれた。
「誰?知ってる人?」
「僕の友達とそのお兄さん。学校の帰りに寄ってくれたんだ。」
瑞稀の友達とそのお兄さんが、私に何の用だろう?
「わかったわ。ありがとう。」
学校帰りなら相手も制服よね?着替えなくていいか、待たせるのも悪いし……
そう思って、勝手口に荷物を置いて制服のままお店に行くと、そこに居たのは瑞稀の友達の倉本君と私と同じ高校の制服を着た、スラっと背の高い男子生徒だった。
「あら?久しぶり倉本君。とそのお兄さん?ってもしかして倉本先輩!?」
「お久しぶりです。瑞稀のお姉さん…… 兄さん痩せたから、ビックリしたでしょ?」
痩せたっていうより、窶れてるよ!!
なにがあったら、2ヵ月ちょっとでこんなになるのよ!?
「最近、倉本君家のコンビニに幽霊らしいのが出て困ってるんだって。」
憔悴している倉本兄弟の代わりに、瑞稀が説明してくれた。
「昨日ちょっと視に行ったけど、新しく雇ったバイトのお姉さんに、何か取り憑いてるんだよね。
ちょっと霊感が有れば、居るのがわかるくらい強力なのが…… 」
あ、それって薫ちゃんが言ってた話だ。
そう言えば瑞稀は、そういうの視えるんだったね。
「へぇ~視に行ったんだ。」
「僕が視えるのは、友達の間じゃ有名だからね。でも視えるだけで何か出来る訳じゃないから。」
「それでなんで私なの?」
「だって姉ちゃん【オカルト研究同好会】に入ったんだろ?そういうの専門じゃないか…… 」
「た…確かにそうだけど、私達がやってるのは、現象を調べていろいろ話したりするだけであって、お祓いする訳じゃ無いのよ?しかもこの前、作ったばっかりだし!そういうのは寛現寺の仕事でしょ?現に薫ちゃんがお寺で引き受けたって言ってたし…… 」
「姉ちゃん、それ情報漏洩って言うんだよ。」
「私じゃなくて、薫ちゃんが言ってたのよ!それに関係者しかいないんだからいいじゃない!」
「でも、徳さんと満月もいるよ?」
「アレはいいのよ!」
どうせ首を突っ込む事になるんだから!
さっきから聞き耳立ててるし……
「「あの…僕達の所為ですみません。やっぱりご迷惑ですよね?」」
クッ!捨てられた猫みたいな目で見ないで!!
「だ…大丈夫です!ウチにも専門家がいるんで!」
「ああ…徳行寺の桧山六先輩の事ですね。」
「そうなんですよ。だから大丈夫です。」
「すまない。家は寛現寺の檀家なのに…… 」
「それこそ大丈夫です。会長は寛現寺の薫ちゃんですし、本人もやる気ですから。」
私達が話をしているところに、さっそくタヌキ達が首を突っ込んで来た。
「君達、なんか興味深い話しをしてるねぇ~。因みに幽霊って、どんなのが視えたのかな?」
と言う徳さんの質問に、倉本先輩はこう答えた。
「それが…なんかただの幽霊じゃない気がしてきて……
昔の女性の祭祀服…そうだねぇ…ほら、卑弥呼様みたいな格好って言った方がわかりやすいかな?」
それを聞いた徳さんと満月は、凄くビックリした様で……
「いや…それ幽霊じゃなくて、神様の可能性は?人間の幽霊の寿命って四百年ぐらいって聞いた事があるんだけど…… 」
と徳さんが言うと、すかさず満月が捕捉説明をしてくれる。
「『最近、関ケ原の落武者の霊の目撃例が減っている。』というのをネットで見た。」
えっ?そうなの?じゃあ益々可能性が……
「と…とりあえず、確認してから…ね……
決めつけは、良くないわ…… 」
「そうだよ…確認大事。違ったら違ったでマズいし……
とりあえず、明日のバイトの時に確認を…… 」
と真っ青になりながら、倉本先輩も言ってる。
「と…とりあえず今日は解散って事で、良いですか?」
「そうだね。今日は解散で…… 」
こうして私達は【コンビニ幽霊事件】に関わる事になった。
「あ、姉ちゃんおかえり。姉ちゃんにお客さんだよ。今、お店で待ってもらってる。」
ウチに帰ると瑞稀がお客さんが来ているのを教えてくれた。
「誰?知ってる人?」
「僕の友達とそのお兄さん。学校の帰りに寄ってくれたんだ。」
瑞稀の友達とそのお兄さんが、私に何の用だろう?
「わかったわ。ありがとう。」
学校帰りなら相手も制服よね?着替えなくていいか、待たせるのも悪いし……
そう思って、勝手口に荷物を置いて制服のままお店に行くと、そこに居たのは瑞稀の友達の倉本君と私と同じ高校の制服を着た、スラっと背の高い男子生徒だった。
「あら?久しぶり倉本君。とそのお兄さん?ってもしかして倉本先輩!?」
「お久しぶりです。瑞稀のお姉さん…… 兄さん痩せたから、ビックリしたでしょ?」
痩せたっていうより、窶れてるよ!!
なにがあったら、2ヵ月ちょっとでこんなになるのよ!?
「最近、倉本君家のコンビニに幽霊らしいのが出て困ってるんだって。」
憔悴している倉本兄弟の代わりに、瑞稀が説明してくれた。
「昨日ちょっと視に行ったけど、新しく雇ったバイトのお姉さんに、何か取り憑いてるんだよね。
ちょっと霊感が有れば、居るのがわかるくらい強力なのが…… 」
あ、それって薫ちゃんが言ってた話だ。
そう言えば瑞稀は、そういうの視えるんだったね。
「へぇ~視に行ったんだ。」
「僕が視えるのは、友達の間じゃ有名だからね。でも視えるだけで何か出来る訳じゃないから。」
「それでなんで私なの?」
「だって姉ちゃん【オカルト研究同好会】に入ったんだろ?そういうの専門じゃないか…… 」
「た…確かにそうだけど、私達がやってるのは、現象を調べていろいろ話したりするだけであって、お祓いする訳じゃ無いのよ?しかもこの前、作ったばっかりだし!そういうのは寛現寺の仕事でしょ?現に薫ちゃんがお寺で引き受けたって言ってたし…… 」
「姉ちゃん、それ情報漏洩って言うんだよ。」
「私じゃなくて、薫ちゃんが言ってたのよ!それに関係者しかいないんだからいいじゃない!」
「でも、徳さんと満月もいるよ?」
「アレはいいのよ!」
どうせ首を突っ込む事になるんだから!
さっきから聞き耳立ててるし……
「「あの…僕達の所為ですみません。やっぱりご迷惑ですよね?」」
クッ!捨てられた猫みたいな目で見ないで!!
「だ…大丈夫です!ウチにも専門家がいるんで!」
「ああ…徳行寺の桧山六先輩の事ですね。」
「そうなんですよ。だから大丈夫です。」
「すまない。家は寛現寺の檀家なのに…… 」
「それこそ大丈夫です。会長は寛現寺の薫ちゃんですし、本人もやる気ですから。」
私達が話をしているところに、さっそくタヌキ達が首を突っ込んで来た。
「君達、なんか興味深い話しをしてるねぇ~。因みに幽霊って、どんなのが視えたのかな?」
と言う徳さんの質問に、倉本先輩はこう答えた。
「それが…なんかただの幽霊じゃない気がしてきて……
昔の女性の祭祀服…そうだねぇ…ほら、卑弥呼様みたいな格好って言った方がわかりやすいかな?」
それを聞いた徳さんと満月は、凄くビックリした様で……
「いや…それ幽霊じゃなくて、神様の可能性は?人間の幽霊の寿命って四百年ぐらいって聞いた事があるんだけど…… 」
と徳さんが言うと、すかさず満月が捕捉説明をしてくれる。
「『最近、関ケ原の落武者の霊の目撃例が減っている。』というのをネットで見た。」
えっ?そうなの?じゃあ益々可能性が……
「と…とりあえず、確認してから…ね……
決めつけは、良くないわ…… 」
「そうだよ…確認大事。違ったら違ったでマズいし……
とりあえず、明日のバイトの時に確認を…… 」
と真っ青になりながら、倉本先輩も言ってる。
「と…とりあえず今日は解散って事で、良いですか?」
「そうだね。今日は解散で…… 」
こうして私達は【コンビニ幽霊事件】に関わる事になった。
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