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第2章 コンビニの訪問者
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その日の夜、私はとりあえずネットでこの辺りで、また祠が壊されたりしていないか調べてみたけど、手掛かりは無し……
豆狸達の方も、今回は知らないそう。
ただ気になる事があるので、調べてみると言っていた。
こういうのの情報はやっぱり、薫ちゃんの方が早いかもしれない。
今日はもう遅いし、明日相談してみよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日教室で昨日、倉本先輩達に聞いた話を薫ちゃんに相談してみた。
すると薫ちゃんはさっそく、スマホで祠や塚が壊された事件がないか調べてくれた。
どうやらそういうの専門のサイトがあるらしい。
「幽霊なら対処出来るけど、もし神様とかだったら寛現寺じゃあちょっと難しいかもね……
で最近っていつ頃の事?」
「たぶん3月の上旬かな?」
「3月で上がってるのは、【車輪塚】って言うのがあるだけよ。いつの間にか直してあったみたいだけど…… 」
【車輪塚】っていうのは、【輪入道】と【片輪車】を封印している場所の事だから違う。
というか、アレ【祠】じゃなくて【塚】だったんだね。
「それじゃないと思う。」
「う~ん。じゃあ、壊されたのはその頃で見つかったのは最近とか?壊されたのに、まだ気付かれてない可能性はない?」
「それはあり得るかも。」
けっこう忘れられてる祠や塚も多いっていうし……
「坂野君は、何か知らないかな?」
「坂野君なら職員室よ。何か呼び出しされてたわ。」
「呼び出し?最近はずっと大人しくしてるのに…… 」
「松中の時は、悪で有名だったからじゃない?と、帰って来たわよ。」
入り口を見ると、坂野君はかなり不機嫌そうな表情で私達の方に来た……
「どうしたのよ?呼び出しって何だった訳?」
「それがよ~。何か直ぐ近くで【スクモ塚】って昔の斎場の跡が荒らされたんだと!それが俺の所為じゃないかって疑われてさ!ひでぇだろ?」
ん?【スクモ塚】???
「「それよ(だわ)!」」
「へ?」
キーンコーン カーンコーン
坂野君に詳しい話を聞こうとしたら、予鈴が鳴ってしまい、仕方なく話は次の休憩時間に持ち越しになってしまった。
「この近くで【スクモ塚】という昔の斎場跡が荒らされ、中にあった銅鏡等が壊されるという事がありました。心当たりのある者は名乗り出るように。」
そういいながら、担任の佐藤先生が坂野君の方をチラチラ見ている。
アレって絶対、坂野君を疑ってるよね?
元不良だったからって酷くない?
Sホームルームの後、坂野君からその【スクモ塚】の件について、いろいろ教えてもらった。
「【スクモ塚】っていうのは、学校の敷地の端にある大昔の神様を祀っていたって云われてる遺跡だそうだ。そんな所にそんなもんがあるのも知らないのに、なんで俺が疑わられなきゃいけないんだよ!?」
「そうよね~。酷いわよ。」
「中学の時、荒れてたから仕方ないけど、決めつける事ないじゃないか!」
「大人ってそういうとこあるから…… 」
そんな事を話してる間にまた休憩時間が終わってしまい、話し合いはまた次の休憩時間に持ち越されてしまった。
そして、次の休憩時間……
私達は肝心な事を知らない事に気づいた。
「ところで【スクモ塚】の《スクモ》って何?」
「なんだろ?」
「私も知らないわよ?」
《スクモ》ってなんか変わった名前よね?
私達がそんな話をしていたら、隣りの席に居た西森さんがあっさり答えを教えてくれた。
「【スクモ塚】のスクモって糘の事じゃない?」
「「「だからその《スクモ》って何なの(なんだ)?」」」
私達の勢いにちょっと引き気味になりながら、西森さんが《スクモ》について説明してくれた。
「《スクモ》って言うのはこういう字を書くのよ。」
西森さんがスマホで見せてくれた漢字は、《米》に《家》と書いて《糘》。
「コレで《糘》って読むのよ。わかりやすく言うと《籾殻》の事。皆んな農家の人じゃないから知らなかったみたいね。」
西森さんのおかげで、謎が一つ解けたわ!
「なるほど、そういう意味だったんだ。」
「知らなかったな…… 」
「勉強になるわぁ。西森さんありがとう!霊現象で困った事があったら、寛現寺に来てね!マケとくから!」
「え、遠慮しときま~す…… 」
西森さんは薫ちゃんの勢いに再びドン引きして、自分の席に戻って行った。
その後、直ぐに予鈴が鳴ったので、話合いはまた中断する事になった。
豆狸達の方も、今回は知らないそう。
ただ気になる事があるので、調べてみると言っていた。
こういうのの情報はやっぱり、薫ちゃんの方が早いかもしれない。
今日はもう遅いし、明日相談してみよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日教室で昨日、倉本先輩達に聞いた話を薫ちゃんに相談してみた。
すると薫ちゃんはさっそく、スマホで祠や塚が壊された事件がないか調べてくれた。
どうやらそういうの専門のサイトがあるらしい。
「幽霊なら対処出来るけど、もし神様とかだったら寛現寺じゃあちょっと難しいかもね……
で最近っていつ頃の事?」
「たぶん3月の上旬かな?」
「3月で上がってるのは、【車輪塚】って言うのがあるだけよ。いつの間にか直してあったみたいだけど…… 」
【車輪塚】っていうのは、【輪入道】と【片輪車】を封印している場所の事だから違う。
というか、アレ【祠】じゃなくて【塚】だったんだね。
「それじゃないと思う。」
「う~ん。じゃあ、壊されたのはその頃で見つかったのは最近とか?壊されたのに、まだ気付かれてない可能性はない?」
「それはあり得るかも。」
けっこう忘れられてる祠や塚も多いっていうし……
「坂野君は、何か知らないかな?」
「坂野君なら職員室よ。何か呼び出しされてたわ。」
「呼び出し?最近はずっと大人しくしてるのに…… 」
「松中の時は、悪で有名だったからじゃない?と、帰って来たわよ。」
入り口を見ると、坂野君はかなり不機嫌そうな表情で私達の方に来た……
「どうしたのよ?呼び出しって何だった訳?」
「それがよ~。何か直ぐ近くで【スクモ塚】って昔の斎場の跡が荒らされたんだと!それが俺の所為じゃないかって疑われてさ!ひでぇだろ?」
ん?【スクモ塚】???
「「それよ(だわ)!」」
「へ?」
キーンコーン カーンコーン
坂野君に詳しい話を聞こうとしたら、予鈴が鳴ってしまい、仕方なく話は次の休憩時間に持ち越しになってしまった。
「この近くで【スクモ塚】という昔の斎場跡が荒らされ、中にあった銅鏡等が壊されるという事がありました。心当たりのある者は名乗り出るように。」
そういいながら、担任の佐藤先生が坂野君の方をチラチラ見ている。
アレって絶対、坂野君を疑ってるよね?
元不良だったからって酷くない?
Sホームルームの後、坂野君からその【スクモ塚】の件について、いろいろ教えてもらった。
「【スクモ塚】っていうのは、学校の敷地の端にある大昔の神様を祀っていたって云われてる遺跡だそうだ。そんな所にそんなもんがあるのも知らないのに、なんで俺が疑わられなきゃいけないんだよ!?」
「そうよね~。酷いわよ。」
「中学の時、荒れてたから仕方ないけど、決めつける事ないじゃないか!」
「大人ってそういうとこあるから…… 」
そんな事を話してる間にまた休憩時間が終わってしまい、話し合いはまた次の休憩時間に持ち越されてしまった。
そして、次の休憩時間……
私達は肝心な事を知らない事に気づいた。
「ところで【スクモ塚】の《スクモ》って何?」
「なんだろ?」
「私も知らないわよ?」
《スクモ》ってなんか変わった名前よね?
私達がそんな話をしていたら、隣りの席に居た西森さんがあっさり答えを教えてくれた。
「【スクモ塚】のスクモって糘の事じゃない?」
「「「だからその《スクモ》って何なの(なんだ)?」」」
私達の勢いにちょっと引き気味になりながら、西森さんが《スクモ》について説明してくれた。
「《スクモ》って言うのはこういう字を書くのよ。」
西森さんがスマホで見せてくれた漢字は、《米》に《家》と書いて《糘》。
「コレで《糘》って読むのよ。わかりやすく言うと《籾殻》の事。皆んな農家の人じゃないから知らなかったみたいね。」
西森さんのおかげで、謎が一つ解けたわ!
「なるほど、そういう意味だったんだ。」
「知らなかったな…… 」
「勉強になるわぁ。西森さんありがとう!霊現象で困った事があったら、寛現寺に来てね!マケとくから!」
「え、遠慮しときま~す…… 」
西森さんは薫ちゃんの勢いに再びドン引きして、自分の席に戻って行った。
その後、直ぐに予鈴が鳴ったので、話合いはまた中断する事になった。
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