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第2章 コンビニの訪問者
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☆火祭りについての捕捉説明文を加筆しました。
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昼休憩時間、3人でお昼を食べながら今後の行動についてと、まだ坂野君に説明してなかった【コンビニの幽霊】について話していた。すると西森さんが、慌てて私達の方にやって来た。
「勝屋さん達、凄い情報よ!【スクモ塚】の事、さっきウチのお爺ちゃんに電話して聞いたの。あそこに祀られてるのこの辺りの地域で信仰されてる豊穣の女神様なんだって!!」
「ええっ!?それマジかよ?」
「マジよ!ほら!1月に田んぼで竹を組んで燃やす火祭りあるでしょ!?アレってこの辺りだと五穀豊穣を願って《スクモ様》を祀るお祭りなんだって!」
「凄いわ西森さん!お爺さんにも宜しく言っといてね。」
「ありがとう西森さん!」
「サンキュー西森!」
「どういたしまして。役に立って良かったわ。」
そう言って西森さんは私達の方から離れ、他の友達の方へ行った。
この辺りはまだまだ農家も多く、私達みたいに家が農家じゃなくても、四季おりおりのお祭りに、参加する人は多い。
因みにウチは、お母さんが地元出身でお父さんは他県の出身。
ペンションがやりたくて、態々都会から越して来た。
坂野君は地元出身だけど、家は農家じゃない。
薫ちゃん家はもちろんお寺。
「西森の話マジかよ?ヤバくね?」
「かなりヤバいかも?もし、本当にコンビニに現れてるのがその《スクモ様》でこれ以上怒らせたりしたら、この辺り一帯壊滅じゃないの!」
「と…とにかく、今日は私と理子ちゃんで様子見に行くわ。坂野君は真っ直ぐに家に帰る事!私達や元松中の皆んなは信じてるけど、他の人達の目があるから。」
「すまねーな。俺も家で何か調べてみるわ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
という訳で、あっという間に放課後です。
薫ちゃんは、学校帰りにそのままウチに寄る事になりました。
というのも現場のコンビニ《メープル》が薫ちゃん家の近くなので、私か着替えて一緒に行った方が都合が良かったから。
「で…どうして満月が一緒な訳?」
何故か満月が着いて来た。
今日はお父さんが厨房に居るから暇なのと、薫ちゃんを送って行くという名目で……
因みに徳さんはまだ仕事中。
「もう夕方だから。マスターが家まで送ってくれって。」
「憧れの満月さんと一緒に歩けるなんて、嬉しいわ♪」
薫ちゃんは徳さんと満月のファンだから喜んでるけど、正体は化けダヌキの豆狸。
しかも中身じじぃだからね。
「いい?今日はあくまでも、様子見よ。何か視えたとしても、極力リアクションはしない事。大概の霊なんかもそうなんだけど、こっちが視えると解ったら、直ぐ頼って来るものなのよ。」
「「なるほど!」」
「買い物しながら、さりげなく近づいて確認したら、直ぐ退散!いいわね!!」
「「了解!」」
コンビニに着いた私達は、薫ちゃんの言う通りに店内に入った。
「「いらっしゃいませ。」」
コンビニの中は空調が効いてるはずなのに、何故かひんやりしていてお客さんも私達しかいない……
先輩にはさっき連絡して、私達が来たらさりげなく問題のバイトちゃんから離れる様に言ってある。
思った通り、バイトちゃん【三波マサエ】には、確かに霊らしきモノが憑いていた。
普段はそこに、『何か居る!』ぐらいの気配を感じる程度の霊感しか無い私にもハッキリと視える。
祭祀服は乱れ、恐ろしい顔で彼女を睨みつけている。
アレは幽霊とかじゃない。もっと強力な恐ろしいモノ……
先輩の言っていた通り、《古代の祭祀服を着た、卑弥呼様の様なお方》が三波さんに取り憑いてずっと話しかけている。
『妾の鏡を返せ!何処にやったのじゃ!?』
何度も同じ事を三波さんに訴えているけど、彼女はまったく気が付かない様子。
鈍感にも程があるでしょ!
というか、鏡を持ち去ったってどういう事?先生は『破損した』って言ってた。
凄く気になるけど、今は聞かなかった事にする。
私と薫ちゃんが適当にお菓子や飲み物をカゴに入れて、レジ前に行ってよく見ると《スクモ様》らしき人?は目の下にクマをつくってかなりボロボロになっていた。
コレ、あかんやつや!!
いったい何をしたら、あんなにボロボロになるまで怒らせられるのよ?
「あの話は、ここを出てからにしよう。」
満月に即されて会計を済ませ、この話は一旦、薫ちゃん家に行ってからする事になった。
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※1
小正月(1月15日)前後に行われる火祭り。【とんど祭り】【どんどん焼き】等地域によって呼び方は違うが、五穀豊穣・家内安全・無病息災等を願い、正月飾りや書初めを燃やす。(地域によって多少の違いが有ります。)
理子達の地域では、【とんど祭り】と呼ばれ竹と檜で櫓を高く組んで、大きな飾りを作ります。
その火で餅を焼いて食べると無病息災に過ごせると伝えられています。
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昼休憩時間、3人でお昼を食べながら今後の行動についてと、まだ坂野君に説明してなかった【コンビニの幽霊】について話していた。すると西森さんが、慌てて私達の方にやって来た。
「勝屋さん達、凄い情報よ!【スクモ塚】の事、さっきウチのお爺ちゃんに電話して聞いたの。あそこに祀られてるのこの辺りの地域で信仰されてる豊穣の女神様なんだって!!」
「ええっ!?それマジかよ?」
「マジよ!ほら!1月に田んぼで竹を組んで燃やす火祭りあるでしょ!?アレってこの辺りだと五穀豊穣を願って《スクモ様》を祀るお祭りなんだって!」
「凄いわ西森さん!お爺さんにも宜しく言っといてね。」
「ありがとう西森さん!」
「サンキュー西森!」
「どういたしまして。役に立って良かったわ。」
そう言って西森さんは私達の方から離れ、他の友達の方へ行った。
この辺りはまだまだ農家も多く、私達みたいに家が農家じゃなくても、四季おりおりのお祭りに、参加する人は多い。
因みにウチは、お母さんが地元出身でお父さんは他県の出身。
ペンションがやりたくて、態々都会から越して来た。
坂野君は地元出身だけど、家は農家じゃない。
薫ちゃん家はもちろんお寺。
「西森の話マジかよ?ヤバくね?」
「かなりヤバいかも?もし、本当にコンビニに現れてるのがその《スクモ様》でこれ以上怒らせたりしたら、この辺り一帯壊滅じゃないの!」
「と…とにかく、今日は私と理子ちゃんで様子見に行くわ。坂野君は真っ直ぐに家に帰る事!私達や元松中の皆んなは信じてるけど、他の人達の目があるから。」
「すまねーな。俺も家で何か調べてみるわ。」
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という訳で、あっという間に放課後です。
薫ちゃんは、学校帰りにそのままウチに寄る事になりました。
というのも現場のコンビニ《メープル》が薫ちゃん家の近くなので、私か着替えて一緒に行った方が都合が良かったから。
「で…どうして満月が一緒な訳?」
何故か満月が着いて来た。
今日はお父さんが厨房に居るから暇なのと、薫ちゃんを送って行くという名目で……
因みに徳さんはまだ仕事中。
「もう夕方だから。マスターが家まで送ってくれって。」
「憧れの満月さんと一緒に歩けるなんて、嬉しいわ♪」
薫ちゃんは徳さんと満月のファンだから喜んでるけど、正体は化けダヌキの豆狸。
しかも中身じじぃだからね。
「いい?今日はあくまでも、様子見よ。何か視えたとしても、極力リアクションはしない事。大概の霊なんかもそうなんだけど、こっちが視えると解ったら、直ぐ頼って来るものなのよ。」
「「なるほど!」」
「買い物しながら、さりげなく近づいて確認したら、直ぐ退散!いいわね!!」
「「了解!」」
コンビニに着いた私達は、薫ちゃんの言う通りに店内に入った。
「「いらっしゃいませ。」」
コンビニの中は空調が効いてるはずなのに、何故かひんやりしていてお客さんも私達しかいない……
先輩にはさっき連絡して、私達が来たらさりげなく問題のバイトちゃんから離れる様に言ってある。
思った通り、バイトちゃん【三波マサエ】には、確かに霊らしきモノが憑いていた。
普段はそこに、『何か居る!』ぐらいの気配を感じる程度の霊感しか無い私にもハッキリと視える。
祭祀服は乱れ、恐ろしい顔で彼女を睨みつけている。
アレは幽霊とかじゃない。もっと強力な恐ろしいモノ……
先輩の言っていた通り、《古代の祭祀服を着た、卑弥呼様の様なお方》が三波さんに取り憑いてずっと話しかけている。
『妾の鏡を返せ!何処にやったのじゃ!?』
何度も同じ事を三波さんに訴えているけど、彼女はまったく気が付かない様子。
鈍感にも程があるでしょ!
というか、鏡を持ち去ったってどういう事?先生は『破損した』って言ってた。
凄く気になるけど、今は聞かなかった事にする。
私と薫ちゃんが適当にお菓子や飲み物をカゴに入れて、レジ前に行ってよく見ると《スクモ様》らしき人?は目の下にクマをつくってかなりボロボロになっていた。
コレ、あかんやつや!!
いったい何をしたら、あんなにボロボロになるまで怒らせられるのよ?
「あの話は、ここを出てからにしよう。」
満月に即されて会計を済ませ、この話は一旦、薫ちゃん家に行ってからする事になった。
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小正月(1月15日)前後に行われる火祭り。【とんど祭り】【どんどん焼き】等地域によって呼び方は違うが、五穀豊穣・家内安全・無病息災等を願い、正月飾りや書初めを燃やす。(地域によって多少の違いが有ります。)
理子達の地域では、【とんど祭り】と呼ばれ竹と檜で櫓を高く組んで、大きな飾りを作ります。
その火で餅を焼いて食べると無病息災に過ごせると伝えられています。
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