【第4章】🦝ウチで雇ってるバイトがタヌキって言ったら、誰か信じる❓🦝

砂月ちゃん

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第2章 コンビニの訪問者

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(三波家・父親視点)


昨日遅くまで、マサエを呼び出した寺の娘の親と話をしていたので、寝不足だ。


まったく…娘が娘なら、父親も父親だ!
あの男は昔から口が巧かった。
学校でもその口の巧さを生かして、児童会長や中学の生徒会長をしていた。


俺も選挙に出たが、一度も勝てなかった。
奴が寺を継ぐ為に、県外の高校に行った時は喜んだ。
高校こそ、俺が生徒会長になってやる!と思っていた。


ところがここで、思いもよらないライバルが現れた!元庄屋の分家の男が生意気にも生徒会長に立候補したのだ。



ウチの敷地内には土地神様の流れを組むやしろがある。親父が家を建てた時から社守※1をして来たんだ!お前達なんかより、ずっと身分が高いんだぞ!!


それをたかが、元庄屋の分家のくせに生意気な!普通なら、社守の家の俺に遠慮して、立候補しないのが礼儀だろ!結局、高校の生徒会長はソイツに取られた。


アレから20年余り、俺は今度こそあの男に勝ってやる!


俺は車に家族を乗せて、あの男の寺…寛現寺に向かっていた。ところがどういう訳か、車はまったく違うところを走り、車がたどり着いたのは、町を囲む山の麓にある古いお堂の前だった。


確か此処には【閻魔大王と天邪鬼】の像があったはずだ。


「あなた?どうしてこんな所に来たのよ?早くあの寺に行って、マサエを呼び出して脅した事を認めさせましょう!」

「パパ、此処どこ?」


嫌な予感がする。目的地とまったく違う場所に着くなんて、まるで最近のマサエと同じじゃないか!?


俺の予感は当たった。突然、車のエンジンが止まり窓を閉めているのに生臭い風が吹き、辺りは濃い霧に包まれた!


「な…なんだこの風と霧は?」

「何?この臭い!?ガソリン?」

「パパ、ママ早く逃げようよ!」


ところが、いくらやってもドアが開かない。


「故障か?この前点検に出したばかりなのに、ディーラーに電話して文句言わないと!」

「あなた!早く誰かに電話して、此処から出してもらいましょう!」

「いや…それがさっきから掛けてるんだが、電話もメールも繋がらないんだ!」


俺がそう言うと、女房の方も自分の携帯で助けを呼ぼうとしたが、やはり繋がらないらしく、焦っている。


「なんで繋がらないのよ!?」


マサエの方は、携帯すら出さない。


暫くすると、霧の中から誰かの気配がした。そう言えば、お堂の近くに運輸会社があった、もしかしたらそこの連中かもしれん。


「おーい!助けてくれ!!車のドアが開かないんだ!!」


ところがその声に気づいて、俺達の所に来たのは人間じゃなかった!


「「「オ…オバケ!?」」」


ろくろ首や一つ目小僧が車を囲んでいる。


『おー!居た居た!こんな所に居たぞ!』

「「ひっ!!な…何なの!?」」

女房とマサエは怯えた声を出す。
だが俺は平気そうな顔をして、ヤツらに凄んだ!


「お前達、俺が社守の家のもんだと知って来たのか!?酷い目にあいたくなかったら、さっさと帰れ!!」


そう言って脅したのに、化け物共はまったく動じず、寧ろバカにした態度をとった。


『社守?それがどうした!?お前には、何の力も無いというのに!』

『お前が社守の仕事をしているところなど、見た事ないぞ!』


な…何故それを!?


『反省しないと此処から出してやらんぞ!嘘つき娘!!』

『社守の家のもんが、神の住まいを荒らして、ただで済むと思うなよ!』

『娘の嘘を真に受けて、他人を攻撃してばかりいる愚か者共め!』


そう言ってヤツらは、何度も車を叩き揺さぶって脅す。

先に根を上げたのは、マサエだった。


「ごめんなさい!ごめんなさい!勝屋さんに呼び出されたなんて、嘘です!!【スクモ塚】を荒らして神様怒らせたのも、私と夕子なの!謝ります!謝りますから、た…助けてください!!」


「どういう事なの?ウチのマサエちゃんが、そんな事をする訳がないでしょ!!マサエちゃんは学校でも人気者で!」

「嘘なの!学校に友達なんか居ないわ!!中学の時、友達だった夕子だって最近、着信拒否されてるし……
全部、パパとママの所為よ!友達とちょっと何かあったら、直ぐに怒鳴り込んで行って、その所為で皆んなにハブられてるのよ!!」

「そんな…嘘でしょマサエちゃん!?」


俺と女房はマサエの告白に、ショックを受けた。まさかそんな事になっていたなんて!


「パパもママも嫌い!大嫌いよ!!」


そう言ってマサエは、
今なら出れる!そう思ってドアを開けようとしたが、また開かなくなった。


『さて?お前らは、どうする?』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※1

【社守】(やしろもり)

正式な役職名では、ありません。
寺に対する寺男と同じ様な役割で、この作品では、社の掃除をしたりする人の事を言います。









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