【第4章】🦝ウチで雇ってるバイトがタヌキって言ったら、誰か信じる❓🦝

砂月ちゃん

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第2章 コンビニの訪問者

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その日の夜遅く、薫ちゃんから電話が来た。



〔もしもし理子ちゃん。ウチに【モンペ】キター!〕

理子
〔えっ?いきなり【モンペ】って何?ビックリするじゃないの!?〕


〔【モンスターペアレント】略して【モンペ】!
自分の子供が悪くても、学校や他人に対して、自己中心的かつ理不尽な要求をする過保護で迷惑な親の事よ!

うちの子に限って、そんな事をするはずが無い!』
とか言って、絶対に認めないの!

三波さんの親がそれだった……
気絶していた娘を保護してあげたのに、私が呼び出したとか言って、怒鳴り込んで来たのよ!あり得ないわ!!〕

理子
〔うわぁ~!最悪~!大丈夫だったの?〕


〔ウチのお爺ちゃんとお父さんが説得しようとしたけど、2時間くらいしても納得しなくてね。
結局、向こうが警察呼んじゃったのよ!
ほんと、あり得ないんですけど!!〕


えーー寛現寺の住職薫ちゃんのお爺ちゃん副住職お父さんの2人掛かりで説得出来ないって、どんだけよ!?


理子
〔それは酷い……
で、結局どうしたの?〕


〔更に警察が2時間説得して、なんとか『今日はもう遅いから、明日。』って事で帰ってもらったわ。〕

理子
〔ひぇ~!なんて親よ!?普通は娘を助けてもらったら、お礼言わない?〕


〔それが出来ないのが【モンペ】なのよ!おかげでさっき、ようやくご飯食べたとこなのよ!〕

理子
{えっ?もうすぐ11時だよ!?〕


〔明後日から【同人誌イベント※1】だって言うのに……
これじゃ行けそうにないわ。楽しみにしてたのに~!仕方ないから、一緒に行く予定だった友達に、全部頼むしかないわね。〕

理子
〔うわぁ…… 〕


そんな会話をしていて、ふと窓の方を見ると、物凄い形相の4匹の豆狸タヌキと4匹の稲荷狐キツネが張り付いていた……


「ひっ!!」


〔どうかしたの?理子ちゃん!?〕

理子
〔ちょっちょっと窓に大きな虫がくっついてて、ビックリしただけだから!〕


〔ならいいけど。じゃあ、もう遅いから切るね。おやすみなさい。〕

理子
〔うん、じゃあね。おやすみ…… 〕


プツン


電話を切った途端、鍵を掛けていたはずの窓をガラッと開けて、8匹ものあやかしが押し掛けて来た。


また増えてるんですけど!?


「「どういう事じゃ!?宴会は!?」」

「「「「稲荷寿司楽しみにしてたのに!!」」」」

「「アイツらの所為じゃ!【モンペ】とか言う新参者め!!」」


あぁっ!なんか誤解してるーー!!


「ワシらの実力を見せてやろうぞ!!」

「「「おーー!!」」」


豆狸タヌキが仲間を鼓舞した。2匹はもしかして、古狸かしら?
すると今度は稲荷狐キツネの方も、負けじと叫ぶ。


豆狸タヌキには負けられん!稲荷狐キツネの意地を見せてやろうぞ!」

「「「おーー!!」」」

「「どちらが負けを認めさせるか、競争じゃ!!」」


そう言って私の部屋でひとしきり騒ぐと、8匹のあやかし達は猛スピードで走り去って行った。
豆狸タヌキ稲荷狐キツネの競争の標的にされた三波さんは、たぶん大変な事になるだろう。


とりあえず開けっ放しの窓を閉め、寝る事にする。
おやすみなさーい。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※1

【コ◯ケ】は商標登録されていましたので、こちらに変更します。


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