36 / 51
第3章 噂の真相
1
しおりを挟む
事の起こりは、高校生になって初の中間試験が始まる1週間前……
部屋で勉強をしていたら、瑞稀から相談を持ち掛けられた。
「姉ちゃん…ちょっと相談に乗ってくれる?」
「試験勉強中だから忙しいんだけど、何? 」
「最近学校で噂になってるんだけど、【人柱のお花さんの幽霊】が水源地に出るって。」
「は?人柱?」
「うん、300年前にあの水源地を作る時に、人柱を建てたんでしょ?その時人柱になったお花さんの幽霊が出るんだって!」
はい?何言ってるか全然わからないんですけど……
そもそもあの水源地が出来てから、確かまだ100年経ってないし。
国の《登録有形文化財》で《近代水道百選》に選ばれてる重力式コンクリートダム湖に人柱ってありえないからね!
何故私が、これ程水源地に詳しいかというと、家から近いというのもあるけど、小学校の時の担任がコアな歴史マニアで、地元の歴史を調べるのが趣味だったからなのよ。
ただ残念ながら、先生は私達の卒業を待たずに退職された。先生は退職されるまでに、【スクモ塚】の事を語る事が無かったから知らなかったんだよね。
まったく…【オカルト研究同好会】に入ってるからって、そう言う相談持って来られても困るんだけどなぁ……
「あのね、瑞稀……
あの水源地、出来てから100年も経ってないのよ。
流石にその時代に人柱なんて建てないから…… 」
「えっ!そうなの!?」
私の説明を聞いた瑞稀はびっくり。
「だいたい、どこでそんな話し仕入てくるのよ?」
「田口さん。この辺の歴史に詳しいって言ってたから。」
あの稲荷狐適当な事を!次来た時、ぜったいシメてやる!!
「他にも中君が夕方、犬の散歩してたら、この辺じゃ見かけないサングラスにマスクした髪の長い女の人とすれ違ったんだってさ。
暫くしたら『ギニャー!!』って変な声が聞こえて、女の人が消えてて、怖くなって慌てて犬の散歩やめて帰ったんだって!
それから佐竹さんが、池から這い上がる女の幽霊見たって言ってたよ!
加納君の妹は、『雨も降って無いのにずぶ濡れの女の人に声を掛けられた!』って泣きながら帰って来たんだってさ!」
…… 。
…… 。
「それ、東京から泊まりに来てるウチのお客さんだよ。3日前に溜池に落ちてびしょ濡れで帰って来たから……
ちょうど瑞稀は塾に行ってたから、見て無かったけど。」
彼女は1週間前から泊まってる東京から来たお客さんで、お母さんの学生時代のお友達なんだって。
人前に出る時は必ずサングラスかけてるし、食事中以外はマスクしてるから怪しく見えない事もない。
彼女が常にサングラスをかけている理由は、単に目の下のクマを隠す為。マスクは化粧するのが面倒だから……
理由はけっこう単純。
瑞稀が彼女の存在を、ちゃんと認識していなかった理由は生活サイクルが違うし、まだ小学生の瑞稀とは接点がないから……
彼女は完全に夜型人間で、夕方前に起き出して水源地まで散歩。
その間に泊まってる部屋の掃除を、お母さんが済ませる。という事を繰り返している。
「なぁんだ。幽霊じゃなかったのかぁ~。」
「じゃあもうこの話しは終わりね。私は試験勉強で忙しいから。」
「わかった♪ありがとう姉ちゃん!クラスの奴にも教えてやろうっと!」
瑞稀はそう礼を言って、部屋から出て行った。
さてと、試験勉強の続きしなきゃね!
しかし、まさかコレがあの事件の前触れだったとは、この時の私は思いもよらなかった……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※1
【人柱】とは、人身御供の一種。
大規模建造物が災害や敵襲によって破壊されないことを神に祈願する目的で、建造物やその近傍にこれと定めた人間を生かしたままで土中に埋めたり水中に沈めたりする風習を言い、狭義では古来日本で行われてきたものを指すが、広義では日本古来のそれと類似点の多い世界各地の風習をも同様にいう。
【白羽の矢が立つ】という言葉がありますが、元々はこの【人柱】や神様への【生贄】を決める為にやっていた事です。
【人柱】や【生贄】にされるのは、その地に住む者だけではなく、偶々通りがかった旅人や攫った人を無理矢理、という事もしばしばあった様です。
(昔話【キジも鳴かずば】はこの人柱を題材にしたお話です。)
※2
【水源地】
理子達の住む町にある【重力式コンクリートダム湖】昭和18年完成。
たくさんの桜やツツジと《西日本一》と言われる藤棚があり3月~5月の間だけ一般開放されています。
近隣の人達だけでなく、多くの観光客も訪れる観光スポット。
(参考文献 ウィキペディア)
部屋で勉強をしていたら、瑞稀から相談を持ち掛けられた。
「姉ちゃん…ちょっと相談に乗ってくれる?」
「試験勉強中だから忙しいんだけど、何? 」
「最近学校で噂になってるんだけど、【人柱のお花さんの幽霊】が水源地に出るって。」
「は?人柱?」
「うん、300年前にあの水源地を作る時に、人柱を建てたんでしょ?その時人柱になったお花さんの幽霊が出るんだって!」
はい?何言ってるか全然わからないんですけど……
そもそもあの水源地が出来てから、確かまだ100年経ってないし。
国の《登録有形文化財》で《近代水道百選》に選ばれてる重力式コンクリートダム湖に人柱ってありえないからね!
何故私が、これ程水源地に詳しいかというと、家から近いというのもあるけど、小学校の時の担任がコアな歴史マニアで、地元の歴史を調べるのが趣味だったからなのよ。
ただ残念ながら、先生は私達の卒業を待たずに退職された。先生は退職されるまでに、【スクモ塚】の事を語る事が無かったから知らなかったんだよね。
まったく…【オカルト研究同好会】に入ってるからって、そう言う相談持って来られても困るんだけどなぁ……
「あのね、瑞稀……
あの水源地、出来てから100年も経ってないのよ。
流石にその時代に人柱なんて建てないから…… 」
「えっ!そうなの!?」
私の説明を聞いた瑞稀はびっくり。
「だいたい、どこでそんな話し仕入てくるのよ?」
「田口さん。この辺の歴史に詳しいって言ってたから。」
あの稲荷狐適当な事を!次来た時、ぜったいシメてやる!!
「他にも中君が夕方、犬の散歩してたら、この辺じゃ見かけないサングラスにマスクした髪の長い女の人とすれ違ったんだってさ。
暫くしたら『ギニャー!!』って変な声が聞こえて、女の人が消えてて、怖くなって慌てて犬の散歩やめて帰ったんだって!
それから佐竹さんが、池から這い上がる女の幽霊見たって言ってたよ!
加納君の妹は、『雨も降って無いのにずぶ濡れの女の人に声を掛けられた!』って泣きながら帰って来たんだってさ!」
…… 。
…… 。
「それ、東京から泊まりに来てるウチのお客さんだよ。3日前に溜池に落ちてびしょ濡れで帰って来たから……
ちょうど瑞稀は塾に行ってたから、見て無かったけど。」
彼女は1週間前から泊まってる東京から来たお客さんで、お母さんの学生時代のお友達なんだって。
人前に出る時は必ずサングラスかけてるし、食事中以外はマスクしてるから怪しく見えない事もない。
彼女が常にサングラスをかけている理由は、単に目の下のクマを隠す為。マスクは化粧するのが面倒だから……
理由はけっこう単純。
瑞稀が彼女の存在を、ちゃんと認識していなかった理由は生活サイクルが違うし、まだ小学生の瑞稀とは接点がないから……
彼女は完全に夜型人間で、夕方前に起き出して水源地まで散歩。
その間に泊まってる部屋の掃除を、お母さんが済ませる。という事を繰り返している。
「なぁんだ。幽霊じゃなかったのかぁ~。」
「じゃあもうこの話しは終わりね。私は試験勉強で忙しいから。」
「わかった♪ありがとう姉ちゃん!クラスの奴にも教えてやろうっと!」
瑞稀はそう礼を言って、部屋から出て行った。
さてと、試験勉強の続きしなきゃね!
しかし、まさかコレがあの事件の前触れだったとは、この時の私は思いもよらなかった……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※1
【人柱】とは、人身御供の一種。
大規模建造物が災害や敵襲によって破壊されないことを神に祈願する目的で、建造物やその近傍にこれと定めた人間を生かしたままで土中に埋めたり水中に沈めたりする風習を言い、狭義では古来日本で行われてきたものを指すが、広義では日本古来のそれと類似点の多い世界各地の風習をも同様にいう。
【白羽の矢が立つ】という言葉がありますが、元々はこの【人柱】や神様への【生贄】を決める為にやっていた事です。
【人柱】や【生贄】にされるのは、その地に住む者だけではなく、偶々通りがかった旅人や攫った人を無理矢理、という事もしばしばあった様です。
(昔話【キジも鳴かずば】はこの人柱を題材にしたお話です。)
※2
【水源地】
理子達の住む町にある【重力式コンクリートダム湖】昭和18年完成。
たくさんの桜やツツジと《西日本一》と言われる藤棚があり3月~5月の間だけ一般開放されています。
近隣の人達だけでなく、多くの観光客も訪れる観光スポット。
(参考文献 ウィキペディア)
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる