【第4章】🦝ウチで雇ってるバイトがタヌキって言ったら、誰か信じる❓🦝

砂月ちゃん

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第4章 狐畏憚

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とまぁ、タヌキの話は置いといての話よね。


2時ちょっと前に来た彼らは、チェックインを後まわしにして遅い昼食を食べる事になった。


理由はまぁ、ランチタイム終了間際だったからなんだけど。


料理が出来るまでの時間、一応二人の事情を聞いてみた。
するとやっぱり坂野君が江波えばのホテルで会った駆け落ちカップルで間違いなかった。


自称【三嶋ヒロシ】さんは(26歳)の。見た目はキツネ目の好青年。
彼女の名前は、【東かなえ】さん(23歳)家事手伝いで清楚系な人。


そんな二人の出会いは、流行りのVRMMOゲーム内でPKにあっていたかなえさんが助け様としたのがきっかけだそうです。


ヒロシさんだけで構成されている戦闘系ギルド【九尾会※1】に所属していて、わざと初心者装備で数人が囮に成り、近づいて来たPKを逆にPK狩りをしていたそうなの。


そこへかなえさんが乱入して来たものだから大混戦!
ランクが低かったかなえさんが、人質に取られたりとたいへんだったそうです。


なんとかPK狩りは成功したけど、損害が出てしまいパーティーリーダーのヒロシさんとかなえさんの仲は険悪。


共通の知り合いのギルドマスターの仲介で、かなえさんが損害賠償をする事でなんとか和解、それが3年前。


そして何がどうなったのか、実は近くに住んでいた事がわかって付き合い出したんだとか……


「今回の駆け落ちも、ギルドの皆んなの協力でここまで来れたんです。」


と、かなえさんは嬉しそうに言っているけど、妖狐あんた達もしかして彼女に自分達の正体の事言ってないんじゃないでしょうね?


そう思って妖狐キツネの方を見るといっせいに目を逸らした。
えっ?ほんとに?


ここまでしといて、正体の事話てないとかどうするのよ!?
だいたいウチにだって、何日も泊まれないよ!
今日はたまたま空いてたけど、明日以降は暫く予約でいっぱいなんだから!


「あの…どうかしたんですか?」

「な…なんでもないです。それよりここまで来るのたいへんだったんじゃないですか?」


という私の質問にかなえさんが教えてくれた、逃避行ルートがコレ!


『バレないうちにヒロシさんのお店のオーナーさんが借りてくれたクルーザーで宇品うじなに移動。
宇品(広島港)から高速船で呉港へ、呉港まで阿賀あがに住んでいるギルド【稲荷会※2】のメンバーさんにお迎え頼んで置いたので忠海ただのうみ港まで車で送ってもらい、忠海から船で大久野島に渡って一泊。
大久野島では野生化した兎と戯れたりして、モフモフを満喫。
翌日、竹原までバスに乗って移動。
昔ドラマで有名になった酒造会社を見学したりして町の観光を楽しみ、昼前にバスでストロベリームーンのある町へ。
近くのバス停で下車して、そこから徒歩で来た。』


ちょっとそれって、おもいっきり瀬戸内海クルーズと竹原観光じゃないの!
駆け落ちで逃亡してる自覚ないでしょ!


よく見つからずにウチまでたどり着いたわねー。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

※1

戦闘系ギルド【九尾会】

某VRMMOゲーム内で妖狐達が結成しているギルド。
メンバーは妖狐とその身内。
ゲリラ戦が得意。


※2

戦闘系ギルド【稲荷会】

某VRMMOゲーム内で神孤達が結成しているギルド。
もちろん全員、フォックステール族。
メンバーは神孤とその関係者。
参加メンバーも多く、全国に支部がある。


☆ 【PK】

PKとはプレイヤーキルの略。
ようは《追い剥ぎ》《盗賊》の類いですね。
運営にバレると、最悪アカウント停止されるらしいですよ。

☆ 【PK狩り】

PK狩りとは、PKしてる人達を逆に狩る事。


すみません、VRMMOゲームやった事無いので、他の方の小説を参考に浅い知識で書いてます。


☆2次創作に引っ掛かる可能性があるので、VRMMO内の妖狐・神孤の種族名をフォックステール族に変更。
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