【ユイナーダ王国勇者伝説】天然ボケ猫勇者王子セイマは修行中〜勇者パーティーは回復役は聖人より聖女の方が良い!と言ってますが真の勇者は私です!

砂月ちゃん

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サイド領にて ①

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「で…どうして私のベットにセイマ様が転がっているんですか?
隣りにお部屋をご用意したはずですが?」


急遽行われたささやかな歓迎パーティー終了後…私は自分に用意された部屋ではなく、ハーシーのベットでゴロゴロしていた。


「え~だって~隣りの部屋じゃハーシーの匂いがしないんだよ。」


ベットの上でハーシーの枕を抱きしめながら可愛いく答えてみた。


「『え~だって~』じゃありません!
大の男がそんな事しても、まったく可愛いくありませんから!!」


この前、姉上に貸してもらった本に書いてあったのを、参考にしてみたのだけどダメらしい。


「チッ!」

「舌打ち!?セイマ様、ご身分と年齢をお考えください!」


ハーシーに怒られてしまった。
まぁ確かに、自分より10センチもデカい男に言われても可愛いくないよね。


「はぁ~、仕方ありません。大人しく部屋に戻りますよ。
じゃあ明日からの護衛、お願いしますね♪」


そう言って私はハーシーの部屋から出て行きました。
ハーシーの匂いのする枕を持って。


数分後……


「アアッ!私の枕がない!?アイツまた持って行ったな!」


セイマに枕を持って行かれて荒れるハーシー。

一方その頃、セイマの方は……


「あゝ♪ハーシーの匂いがする♡
癒される~♪♪」


ゴロゴロ♪スリスリ♡

《*注:コレは決してBLではなく、猫が気に入った物を収集しているのと同じ行動です。》


(翌日)


「オハヨウゴザイマス。セイマ様。」


ハーシーが不機嫌……
若干、目の下に隈があるから、昨日は良く眠れなかったみたいだ。


あっ!そういえば、ハーシーって枕が変わると寝れないのでしたね。


「あの…ハーシーごめんね。枕は返すから。機嫌を治してくれる?」


私は仕方なく、昨日の獲物の枕をハーシーに返した。
枕だけ…枕カバーは返さないからね。


「今度新しい枕カバーを進呈するから、許してニャン♪」


そう言いながら、可愛いく猫の手ポーズを決めてみる。


「…………………… 。」


アレ?違った???


「何処でそんな事覚えて来るんですか!?
まさか、他所でやってませんよね!?」

「や…やってないよ。」
(姉上の前で練習させられたけど。)


ちょっとだけ目を逸らせて答えると、ハーシーは顔を真っ赤にして、私にお説教をし始めました。


お説教を受ける時にするポーズ。
正座をする事、1時間……


そろそろこのポーズキツイんですけど~。


更に30分後……
やっと許してもらったけど…足が痺れて動けないです。


回復魔法で治そうとしたら、それだと罰にならないからダメだと言われました。


ハーシー酷いです。


10 分ほどして痺れも取れてきたので、サイド家の馬車で、最初の目的地に向かいました。


「まず、最初の村はリバーサイド村と言って、馬車で3時間の川沿いにある村です。
村の神殿で近隣の村人も集まっていますので、くれぐれも真面目に宜しくお願いしますよ。」

「はぁ~い。」


領都を抜けて暫くすると、景色は長閑な畑の風景が続く。
向かい側に座るハーシーは昨日の夜眠れなかったので、舟を漕いでいる。


2人きりなら、このまま抱きしめたいけど、サイド家で付けてくれたメイドと護衛騎士もいるから、無理ですよね。


仕方ありません…私も暫く瞑想をして神気を高めておきましょう。


3時間後……


「セイマ様、ハーシー様、もうすぐリバーサイド村に着きますのでご準備をお願いします。」








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