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勇者タツヒコの冒険 ❺ ハケンの品性
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(リリーside)
私はリリエール・バキシヌ。
通称リリー。
ハーフエルフで片親が稀人、その影響で髪色は珍しい黒。
だから故郷の村では浮いていたわ。
だって亡くなった片親以外、皆んな黄緑がかった金髪なのよ!
両親が亡くなった後、故郷には居づらくなって、都会に出て来たの。
幸い親譲りの回復魔法と風魔法が使えたから、とりあえず当時稀人や転生者の受け入れ先だった神殿を頼ったわ。
だって今までずっと森暮らしだったから、お金なんか持ってなかったのよ~。
親の残した【ラノベ設定ノート】や何冊かの【教科書】(国数理社歴美)、親に教えてもらった音楽が初めて役にたった。
エルフ文化と違うから、故郷では役に立たなかったけど、まさか転生者かどうかの検査に役だつなんてね♪
こうして私は見事【転生者認定】を受けて、神殿に入り込む事が出来たの。
それから十数年後、時代は変わり稀人の担当が神殿から冒険者ギルドに移り、当時の神官長の推薦でハーフエルフで転生者の私が稀人達に、この世界の事を教える教師として派遣される事に……
アレから更に100年余り…インチキ授業で、これまで何とか誤魔化して来たのに、とんでもない事件が起こった。
今までの教え子の中でも、最悪の問題児パーティー…タツヒコ・マサユキ・ヨウジの三人がやらかしたのよ!
よりによって、あの聖人で勇者でこのユイナーダ王国の第三王子とトラブルを起こして、国と神殿両方から睨まれて、国外追放に!
なのにアイツら私を頼って、ちょうど神殿に居た私に『一緒に旅をしてくれる【聖女】を紹介して欲しい!』って言って押しかけて来たのよ!
マズい…マズいわ!
確かに【聖女】の知り合いはたくさんいるけど、国外追放が決まってるこの馬鹿共に紹介出来る様な【聖女】なんている訳ないでしょ!!
しかも最近ずっと誰かに見張られてる様な気がするし……
私はハーフエルフで長く生きてるから、気配察知とかそれなりに出来る。
とにかくコイツらと一緒にいるところを、見られるのはマズいのよ!!
それに数日前、稀人が現れたらしい。
暫く休暇でも取って、アイツらを国外に連れ出そうと思ってたのに、なんて最悪なタイミングで現れたのかしら!?
この100年間はずっと私が担当だから、講義をしない訳にはいかないのよ。
------------------
ラッキーな事に今回の稀人の中に、アイツらと同じ大柄な稀人の治癒師の適正を持った子がいた。
あの子を上手く騙して、アイツらとパーティーを組ませて国外に追い出せば、私の身は安全だわ!
とにかく早いうちに追い出さないと、いつまでも私の家で匿っていられない。
一人暮らしだった私の家にデカい男(といってもこの世界の平均身長より少し低い)
が三人もいるのよ!
しかも内緒で匿っているから、雇ってた家政婦も、暫くお休みさせなきゃいけなくなった。
その所為で掃除・洗濯・料理全部私がする事に……
私を含めて四人分…出費が馬鹿にならないの!
何で私がこんな事をしないといけないのよ!?
あれ?そう言えば私、何でアイツらを匿う事にしちゃったのかしら??
そもそも匿う義理なんて無いのに!
あの時直ぐに、第二騎士団か聖騎士団に突き出しておけば、何の問題もなかったのよ。
それなのにどうして~私のバカバカ!!
【稀人研修】が終わる2か月後までなんて、とても待てないわ!
そうだ!座学の後の実地訓練を詰め込みで、早々に終わらせて、ギルド外の実地訓練をアイツらに押し付けちゃえば良いのよ!
そうすれば最短3週間で追い出せる。
やっぱり私って頭良いわ♪
そうと決まればあの子の研修日程を、決め直さないといけないわね!
------------------
1週間後……
凄いわ!このサイミョウジって子。
やっぱり私の教え方が良いのか、この世界の事を直ぐに覚えて、予定より早くアイツらに押し付けられそうだわ♪
(正しい情報を既に予習済みです。)
この【稀人研修】で一番時間を割いているのが、実地訓練なのよね。
それぞれの職業適正に合わせて、実習場所を決めるの。
今回はアイツらと一緒に国外に修行に出してしまえば、もう私が関わる必要が無くなるわ!
実習期間が過ぎた後、一旦その実習場所から冒険者ギルドに戻り、担当者に実習先での様子を書いた書類を提出しなければならない。
もちろん実習先の相手も一緒にね。
けど国外追放になったアイツらと一緒じゃもうこの国には入れないから、二度と私と会う事は無い……
完璧だわ♪
私はリリエール・バキシヌ。
通称リリー。
ハーフエルフで片親が稀人、その影響で髪色は珍しい黒。
だから故郷の村では浮いていたわ。
だって亡くなった片親以外、皆んな黄緑がかった金髪なのよ!
両親が亡くなった後、故郷には居づらくなって、都会に出て来たの。
幸い親譲りの回復魔法と風魔法が使えたから、とりあえず当時稀人や転生者の受け入れ先だった神殿を頼ったわ。
だって今までずっと森暮らしだったから、お金なんか持ってなかったのよ~。
親の残した【ラノベ設定ノート】や何冊かの【教科書】(国数理社歴美)、親に教えてもらった音楽が初めて役にたった。
エルフ文化と違うから、故郷では役に立たなかったけど、まさか転生者かどうかの検査に役だつなんてね♪
こうして私は見事【転生者認定】を受けて、神殿に入り込む事が出来たの。
それから十数年後、時代は変わり稀人の担当が神殿から冒険者ギルドに移り、当時の神官長の推薦でハーフエルフで転生者の私が稀人達に、この世界の事を教える教師として派遣される事に……
アレから更に100年余り…インチキ授業で、これまで何とか誤魔化して来たのに、とんでもない事件が起こった。
今までの教え子の中でも、最悪の問題児パーティー…タツヒコ・マサユキ・ヨウジの三人がやらかしたのよ!
よりによって、あの聖人で勇者でこのユイナーダ王国の第三王子とトラブルを起こして、国と神殿両方から睨まれて、国外追放に!
なのにアイツら私を頼って、ちょうど神殿に居た私に『一緒に旅をしてくれる【聖女】を紹介して欲しい!』って言って押しかけて来たのよ!
マズい…マズいわ!
確かに【聖女】の知り合いはたくさんいるけど、国外追放が決まってるこの馬鹿共に紹介出来る様な【聖女】なんている訳ないでしょ!!
しかも最近ずっと誰かに見張られてる様な気がするし……
私はハーフエルフで長く生きてるから、気配察知とかそれなりに出来る。
とにかくコイツらと一緒にいるところを、見られるのはマズいのよ!!
それに数日前、稀人が現れたらしい。
暫く休暇でも取って、アイツらを国外に連れ出そうと思ってたのに、なんて最悪なタイミングで現れたのかしら!?
この100年間はずっと私が担当だから、講義をしない訳にはいかないのよ。
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ラッキーな事に今回の稀人の中に、アイツらと同じ大柄な稀人の治癒師の適正を持った子がいた。
あの子を上手く騙して、アイツらとパーティーを組ませて国外に追い出せば、私の身は安全だわ!
とにかく早いうちに追い出さないと、いつまでも私の家で匿っていられない。
一人暮らしだった私の家にデカい男(といってもこの世界の平均身長より少し低い)
が三人もいるのよ!
しかも内緒で匿っているから、雇ってた家政婦も、暫くお休みさせなきゃいけなくなった。
その所為で掃除・洗濯・料理全部私がする事に……
私を含めて四人分…出費が馬鹿にならないの!
何で私がこんな事をしないといけないのよ!?
あれ?そう言えば私、何でアイツらを匿う事にしちゃったのかしら??
そもそも匿う義理なんて無いのに!
あの時直ぐに、第二騎士団か聖騎士団に突き出しておけば、何の問題もなかったのよ。
それなのにどうして~私のバカバカ!!
【稀人研修】が終わる2か月後までなんて、とても待てないわ!
そうだ!座学の後の実地訓練を詰め込みで、早々に終わらせて、ギルド外の実地訓練をアイツらに押し付けちゃえば良いのよ!
そうすれば最短3週間で追い出せる。
やっぱり私って頭良いわ♪
そうと決まればあの子の研修日程を、決め直さないといけないわね!
------------------
1週間後……
凄いわ!このサイミョウジって子。
やっぱり私の教え方が良いのか、この世界の事を直ぐに覚えて、予定より早くアイツらに押し付けられそうだわ♪
(正しい情報を既に予習済みです。)
この【稀人研修】で一番時間を割いているのが、実地訓練なのよね。
それぞれの職業適正に合わせて、実習場所を決めるの。
今回はアイツらと一緒に国外に修行に出してしまえば、もう私が関わる必要が無くなるわ!
実習期間が過ぎた後、一旦その実習場所から冒険者ギルドに戻り、担当者に実習先での様子を書いた書類を提出しなければならない。
もちろん実習先の相手も一緒にね。
けど国外追放になったアイツらと一緒じゃもうこの国には入れないから、二度と私と会う事は無い……
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