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二章
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「これからこのクラスの仲間になる。神谷 佑斗くんだ。」
担任の安西先生は、クラスに入るなり、そう言った。
安西先生について入ってきた、神谷はこちらの方をチラリとも見ることなく、安西先生の隣に立ち、ずっと下を向いている。身長は175cmある安西先生と変わらないぐらいで、155cmの鈴鹿より遥かに高い。ハネたとこらが一切ない黒い髪は目を完全に隠しており、後ろの方は肩にギリギリつかないぐらいだ。
神谷の自己紹介《終始ずっと下を向いて「よろしくお願いします。」とボソッと一言》が終わり、
「神谷くんは1番後ろの鈴鹿の隣に座ってください。鈴鹿、色々神谷くんに教えてやってくれ。」
神谷は、隣のいなかった俺の隣の席に座ることになった。
こっちに向かって歩いてくる神谷を横目に、隣の机の中に入れていた数枚プリントを取り出していると、
「早く退いて。」
頭上から低い声が聞こえる。
このクラスはまだ声変わりが始まってる人がいなかったので、鈴鹿はその声が若干聞き慣れなかった。
「ごめん、。」
鈴鹿は素早くプリントをかき集め、自分の机の中に突っ込んだ。
「鈴鹿、ちゃんとプリントは持って帰るように。」
安西先生に注意された鈴鹿は、
「分かりました。」
と一言返し、さっき机に突っ込んだプリントを机の横にかけていた手提げ袋に無造作に、入れた。
「俺は別のクラスで授業だから、もう行くわ。あと、神谷くんの教科書がまだ用意できないから、鈴鹿の教科書を見せてやってくれ、頼むな。日直。号令。」
安西先生は号令が終わるなり、クラスを出て行った。
(いつもは別のクラスで授業があっても、軽くクラスで談笑した後に向かうのに、今日はおかしいな、、転校生の紹介も少し落ち着きがなかったような感じもするし、、、)
鈴鹿は少し考えた後、次の授業に使う教科書とノートを机の中から出して、自分の目の前に置いた。そして机の中に持ってきた参考書や数冊のノートを机の中に入れている神谷をチラッと見て、
(教科書がまだないんだったな、2人で見ないといけないけど、、苗字で呼ぶほうがいいのか、?クラスの他の子はみんな下の名前で呼んでるし、下の名前の方がいいよな!)
意を決した鈴鹿は神谷の方に体を向けて、
「俺は鈴鹿 颯。佑斗、これからよろしくな。仲良くしようぜ。」
と話しかけた。それに対して、
「仲良くする気はない。話しかけるな。」
と鈴鹿の方を見ることなく、先程よりも一段と低い声で冷たく返し、持ってきた鞄から、使い込んでそうな問題集とノートを一冊取り出し、それを解き始めた。
すると、
「なにそれ、ひどくない?せっかく颯くんが話しかけたのに、、」
「その態度はないだろ!俺らもあいつに話しかけないようにしようぜ!!」
クラスがザワザワし始め、「そうだ!」「そうよ!」の声が飛び交った。神谷はその声を全く聞こえてないかのように、問題集の答えをノートに書いていく。問題を解スピードはクラスメイトの声が大きくなるに連れ、ドンドン速くなっていた。
鈴鹿は、体を正面に戻して、皆んなの顔を見ると冷ややかな視線を神谷に送るのを見て、神谷が心配になった。
(このままだと、神谷がクラスで馴染めそうにないな。)
1時間目のチャイムが鳴り響いた。神谷に冷たい言葉を浴びせたり、白眼視していた人たちは焦って自分の席についた。1時間目の数学の立花先生はチャイムより少し遅れて、入ってきた。「遅れてすまない。日直。号令。」と遅れたことに対しての謝罪はあったが、それ以外は特にいつも通りのやり取りだったので、クラスメイトたちの声は聞こえていなかったようだ。
(授業が始まってしまった、立花先生は黒板をあんまり使わないんだよな、教科書を見ながら言葉で説明するのが好きだから、問題も教科書から出すから、、、どうやって机をくっつけようか、さっき話しかけるなって言われちゃったし、もう無言でくっけようか、、いい策も浮かばないし、そうしよう。)
鈴鹿は自分の机を神谷の机に寄せた。その瞬間、
ガンッ
軽く寄せるつもりだったのに、思い切り神谷の机にぶつかってしまった。
教科書に視線を落としていた立花先生が驚いた顔でこっちを向き、
「どうした!」
と聞いた。鈴鹿は
「安西先生から神谷が教科書がまだないので、見せるように頼まれました。教科書が小さいので、2人で見るには机を近づけないと見れないので、神谷くんの方に机を寄せました。」
と落ち着いた様子で言った。立花先生は溜息をつきながら、
「そうか、分かった。」
と言い、また教科書に視線を戻した。
神谷は鈴鹿の方をジロッと見て、「ここに置いて。」
と机の間を差しながらボソっと言った。
鈴鹿は机の間に教科書を置いて、まだ開けてなかったノートを開いた。神谷も参考書用のノートではない、別のノートを机の中から出して、机の上に置いた。
1時間目の授業が終わり、鈴鹿は机の間に置いていた教科書と、ノートを机の中にしまった。すると、神谷が「なんで何も言わずにしまうんだよ。俺はまだ書ききれてないことがあったのに。」
と鈴鹿に向かって言った。鈴鹿の席と列を挟んだ隣の席の高崎が神谷に対して
「さっきお前が話しかけるなって言ってたんだろ!颯はだから何も言わずに片したんだよ!」
と強い口調で言った。クラスからさっきのような声が飛び交う。神谷は少しイラついたのか、またボソッと「自分で何も言わずに、クラスのやつを味方にするとか、、」
と呟いた。
(え、何言ってんだ、コイツ。高崎が言ったようにお前がさっき話すなって言ったから。何も言わずに、気を遣ってんのに、それを、「自分で何も言わずに、クラスのやつを味方にする」?意味がわからねぇ、俺何にも高崎や他のやつに言ってねぇし、、、本当に意味がわからん)
鈴鹿は神谷が本当に何を考えてるのか分からなかった。(ある程度、人の事は理解ができてると思っていた。先生とかやクラスメイトのこともある程度は分析できてるはずだし、だから、学校生活もある程度上手くいってると思ってる。こんなにも理解できないのは、義父以外で初めてだ。)
鈴鹿がまた教科書を出しながら、
「佑斗が話しかけんなって言ったから、俺は何も言わずに机をくっつけようとしたし、教科書を仕舞おうとした。なのに、その台詞はないだろ。」
と神谷に向かって言った。
神谷は、
「話しかけんなって言っても、最低限は話すだろ、常識ないのかよ。」
溜め息をつきながら、鈴鹿に教科書を借りながら言った。鈴鹿はそれに対して、
「は?お前が最初に一言目で話しかけんなって言ったんだろ!あと、常識ないって言ったけど、先生に言われたからこっちも教科書貸してるけど、それについて感謝がない方が、常識ないだろ!あと、ボソボソムカつくんだよ!」
と、言った。そして、思い切り机を叩いた。
クラス中にバンと大きな音が響いた。
鈴鹿の心の波は起きないと思っていたが、神谷が鈴鹿の心に風が吹き荒らした。
担任の安西先生は、クラスに入るなり、そう言った。
安西先生について入ってきた、神谷はこちらの方をチラリとも見ることなく、安西先生の隣に立ち、ずっと下を向いている。身長は175cmある安西先生と変わらないぐらいで、155cmの鈴鹿より遥かに高い。ハネたとこらが一切ない黒い髪は目を完全に隠しており、後ろの方は肩にギリギリつかないぐらいだ。
神谷の自己紹介《終始ずっと下を向いて「よろしくお願いします。」とボソッと一言》が終わり、
「神谷くんは1番後ろの鈴鹿の隣に座ってください。鈴鹿、色々神谷くんに教えてやってくれ。」
神谷は、隣のいなかった俺の隣の席に座ることになった。
こっちに向かって歩いてくる神谷を横目に、隣の机の中に入れていた数枚プリントを取り出していると、
「早く退いて。」
頭上から低い声が聞こえる。
このクラスはまだ声変わりが始まってる人がいなかったので、鈴鹿はその声が若干聞き慣れなかった。
「ごめん、。」
鈴鹿は素早くプリントをかき集め、自分の机の中に突っ込んだ。
「鈴鹿、ちゃんとプリントは持って帰るように。」
安西先生に注意された鈴鹿は、
「分かりました。」
と一言返し、さっき机に突っ込んだプリントを机の横にかけていた手提げ袋に無造作に、入れた。
「俺は別のクラスで授業だから、もう行くわ。あと、神谷くんの教科書がまだ用意できないから、鈴鹿の教科書を見せてやってくれ、頼むな。日直。号令。」
安西先生は号令が終わるなり、クラスを出て行った。
(いつもは別のクラスで授業があっても、軽くクラスで談笑した後に向かうのに、今日はおかしいな、、転校生の紹介も少し落ち着きがなかったような感じもするし、、、)
鈴鹿は少し考えた後、次の授業に使う教科書とノートを机の中から出して、自分の目の前に置いた。そして机の中に持ってきた参考書や数冊のノートを机の中に入れている神谷をチラッと見て、
(教科書がまだないんだったな、2人で見ないといけないけど、、苗字で呼ぶほうがいいのか、?クラスの他の子はみんな下の名前で呼んでるし、下の名前の方がいいよな!)
意を決した鈴鹿は神谷の方に体を向けて、
「俺は鈴鹿 颯。佑斗、これからよろしくな。仲良くしようぜ。」
と話しかけた。それに対して、
「仲良くする気はない。話しかけるな。」
と鈴鹿の方を見ることなく、先程よりも一段と低い声で冷たく返し、持ってきた鞄から、使い込んでそうな問題集とノートを一冊取り出し、それを解き始めた。
すると、
「なにそれ、ひどくない?せっかく颯くんが話しかけたのに、、」
「その態度はないだろ!俺らもあいつに話しかけないようにしようぜ!!」
クラスがザワザワし始め、「そうだ!」「そうよ!」の声が飛び交った。神谷はその声を全く聞こえてないかのように、問題集の答えをノートに書いていく。問題を解スピードはクラスメイトの声が大きくなるに連れ、ドンドン速くなっていた。
鈴鹿は、体を正面に戻して、皆んなの顔を見ると冷ややかな視線を神谷に送るのを見て、神谷が心配になった。
(このままだと、神谷がクラスで馴染めそうにないな。)
1時間目のチャイムが鳴り響いた。神谷に冷たい言葉を浴びせたり、白眼視していた人たちは焦って自分の席についた。1時間目の数学の立花先生はチャイムより少し遅れて、入ってきた。「遅れてすまない。日直。号令。」と遅れたことに対しての謝罪はあったが、それ以外は特にいつも通りのやり取りだったので、クラスメイトたちの声は聞こえていなかったようだ。
(授業が始まってしまった、立花先生は黒板をあんまり使わないんだよな、教科書を見ながら言葉で説明するのが好きだから、問題も教科書から出すから、、、どうやって机をくっつけようか、さっき話しかけるなって言われちゃったし、もう無言でくっけようか、、いい策も浮かばないし、そうしよう。)
鈴鹿は自分の机を神谷の机に寄せた。その瞬間、
ガンッ
軽く寄せるつもりだったのに、思い切り神谷の机にぶつかってしまった。
教科書に視線を落としていた立花先生が驚いた顔でこっちを向き、
「どうした!」
と聞いた。鈴鹿は
「安西先生から神谷が教科書がまだないので、見せるように頼まれました。教科書が小さいので、2人で見るには机を近づけないと見れないので、神谷くんの方に机を寄せました。」
と落ち着いた様子で言った。立花先生は溜息をつきながら、
「そうか、分かった。」
と言い、また教科書に視線を戻した。
神谷は鈴鹿の方をジロッと見て、「ここに置いて。」
と机の間を差しながらボソっと言った。
鈴鹿は机の間に教科書を置いて、まだ開けてなかったノートを開いた。神谷も参考書用のノートではない、別のノートを机の中から出して、机の上に置いた。
1時間目の授業が終わり、鈴鹿は机の間に置いていた教科書と、ノートを机の中にしまった。すると、神谷が「なんで何も言わずにしまうんだよ。俺はまだ書ききれてないことがあったのに。」
と鈴鹿に向かって言った。鈴鹿の席と列を挟んだ隣の席の高崎が神谷に対して
「さっきお前が話しかけるなって言ってたんだろ!颯はだから何も言わずに片したんだよ!」
と強い口調で言った。クラスからさっきのような声が飛び交う。神谷は少しイラついたのか、またボソッと「自分で何も言わずに、クラスのやつを味方にするとか、、」
と呟いた。
(え、何言ってんだ、コイツ。高崎が言ったようにお前がさっき話すなって言ったから。何も言わずに、気を遣ってんのに、それを、「自分で何も言わずに、クラスのやつを味方にする」?意味がわからねぇ、俺何にも高崎や他のやつに言ってねぇし、、、本当に意味がわからん)
鈴鹿は神谷が本当に何を考えてるのか分からなかった。(ある程度、人の事は理解ができてると思っていた。先生とかやクラスメイトのこともある程度は分析できてるはずだし、だから、学校生活もある程度上手くいってると思ってる。こんなにも理解できないのは、義父以外で初めてだ。)
鈴鹿がまた教科書を出しながら、
「佑斗が話しかけんなって言ったから、俺は何も言わずに机をくっつけようとしたし、教科書を仕舞おうとした。なのに、その台詞はないだろ。」
と神谷に向かって言った。
神谷は、
「話しかけんなって言っても、最低限は話すだろ、常識ないのかよ。」
溜め息をつきながら、鈴鹿に教科書を借りながら言った。鈴鹿はそれに対して、
「は?お前が最初に一言目で話しかけんなって言ったんだろ!あと、常識ないって言ったけど、先生に言われたからこっちも教科書貸してるけど、それについて感謝がない方が、常識ないだろ!あと、ボソボソムカつくんだよ!」
と、言った。そして、思い切り机を叩いた。
クラス中にバンと大きな音が響いた。
鈴鹿の心の波は起きないと思っていたが、神谷が鈴鹿の心に風が吹き荒らした。
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