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修学旅行
おみくじの結果は良くも悪くも信じ過ぎない方が良い
── 10月28日 9時30分 橘柊和 ──
修学旅行三日目の朝。
今日も今日とて、班行動で京都の街を回る一日だ。
昨日の夜に詩葉先輩から気になりすぎる電話が掛かってきたものの、やることは変わっていない。
修学旅行を楽しむ以前に、明日で私は護の元へと帰ることになる。
それまでに、謝るとか、仲直りするとか……それから、素直になって全てを告白するとか。
これから先の二人の事と、自分の感情や限界を踏まえて、身の振り方を決定しないといけない。
この修学旅行は私にとって、そんな大事なミッションを兼ねた一大イベントになっていた。
……ところで、この旅行を通して一つ気付いたことがある。
それは私は演じているだけだと思っていたけど、存外根元の部分から自分が真面目であったということだ。
いきなり何の話かと思うだろうが、今日の班行動について一つ、私には思いもつかないようなイレギュラーが起きたのだ。
なんと、班でホテルから出発した後、男子と女子で学校に報告した行先とは異なる目的地へ分裂して、別々に向かうと昨日の夜のうちに打ち明けられたのだ。
なんでも、男女で向かいたい行先が異なったので、無理にどちらかを優先せず、お互い行きたい目的地へ別々にいけばいいと、だいぶ前から班員の中で話がまとまっていたらしい……私以外の。
しかも、驚くことにそういった掟破りの班は全体的に見ても特に珍しいわけではなく、学校側もなんとなく気付いていながら見逃しているという、実質上の生徒と教師側どちらにも認知されている暗黙の了解らしかった。
まあ、詰まるところ今日は一日目と同じく、例の四人で京都を散策するということだ。
正直この四人なのと、まだまだ全然仲良くない班の男子を含めての八人だと、掛かる心労がかなり違ってくるのでありがたい。
昨日も件の噂のせいでかなり気疲れしたし。
そんなこんなで、ホテルを出発した私達はすぐに男子達と別れ、駅の方へ向かって歩いていた。
「さて、いざ三日目だよ~!」
「今日はどこ行くんだっけ?」
「縁結びで有名な神社」
「またですか⁉」
一昨日も行った覚えのある内容に驚いてしまう。
しかし、ノリノリの杏奈さんはまったく気にしていない様子だ。
「この歳の女子高生なら縁なんていくら結んでもいいくらいなの~!」
「いや、それは良くないでしょ。出会いならまだしも、複数人と縁結んじゃったらもう尻軽じゃない」
「細かいことはなんでもいいの! こういうのはロマンなんだから!」
「男子みたいなことを男子みたいな大雑把さで……」
女子にもロマンがあるのは分かるけど、確かに口調は男子そのものだ。
ロマンとは……何かこだわりでもあるのかもしれない。
「杏奈さんはそんなに恋人がほしいんですか?」
「ううん? ただ、恋愛とかって漫画やドラマをみて憧れるな~って」
「恋に恋するってやつ?」
「そうだよ~? だから、この中で本当に恋してるのは柊和ちゃんだけになるね~」
「か、からかわないでください……」
「あ、あと美咲もだ」
「そんなついでみたいに言うくらいなら最後まで触れないで欲しかったね⁉」
美咲の扱いが雑過ぎる……。
まぁ、確かに今の美咲は恋していると言っていいのかどうかは難しい所ではあるけれども。
「まあ~柊和ちゃんの応援も兼ねて縁結びの神社へ行こうって気持ちもありけり~?」
私が何とも言えないでいると、杏奈さんはあっさりと話を変えてこちらに向かって笑顔を浮かべた。
「前々から決まってた予定だから、完全に後付けだけどね」
「千歳、さっきから細かいよ~、美咲より彼氏できなさそう!」
「美咲よりは可能性あるに決まってるでしょ」
「どこで張り合ってんの!?」
「ふふっ……」
「柊和も何笑ってんの~?」
いい加減漫才でも見てるような気分になってきて、つい笑ってしまう。
この三人は見ているだけでも面白い。
そして、その輪に少しづつ自然に溶け込めるようになってきたことがまた嬉しい。
「まあまあ~! とりあえず神社だけじゃ満足しない人もいるから、他にも京都のスイーツとかお土産が買える名所も寄っていくよ~」
「甘いもの!」
「土産!」
「柊和は好物だから分かるけど、千歳ってそんなお土産好きだったの?」
清水寺以来やけにお土産に食いつく剣崎さんに美咲が軽く困惑していた。
「いざ、しゅっぱーつ!」
「出発はもうしてる」
「やっぱ細かいよ~……」
──…………。
件の縁結びの神社に到着。
今まで見てきた神社の中でも最大級に立派なお社に参拝しつつ、杏奈さんの先導についていく。
「ここは清水寺にあった地主神社と何が違うんですか?」
「ここは前みたいに縁結びの石とかがあるわけじゃないんだけどね? なんでも兎と一緒に願掛けできるんだって~」
「うさぎですか?」
神社と兎……?
干支かなにかだろうか……?
「因幡の白兎ってお話があるでしょ? あれがこの神社と深く関係してるらしいの」
「そうそう~! 願掛けのお人形があるんだよね~。写真で見た感じ超可愛いやつ!」
「因幡……」
「そういえば、柊和は因幡中だったっけ? なんだか特別なご利益でもありそうじゃない?」
美咲が私の考えていたことをそのまま口にする。
なるほど、確かにちょっとした縁のようなものは感じる。
「卒業した身ですけど……まぁ、期待するだけならタダですね」
「おお、柊和ちゃんも意外とわかってるね~」
「意外ですか? でも、私は大体こんな感じですよ」
「いいね? そっちの方が」
「そう言ってもらえるのは嬉しいですね」
少しだけ飾らない笑みを浮かべながら答えると、杏奈さんも気分のよさそうに笑っていた。
……さて、例に漏れずここでもおみくじだ。
縁結びの神社というだけあって、普通のおみくじ以外にも『恋みくじ』というおみくじを引けるそうで、今回はみんなそれを引く事に。
正直ここでどんな結果が出ても、大事な決断をするとき変に意識してしまいそうで怖い。
明日実際に大一番を控えてるからこそ、おみくじの結果に左右されるのは嫌だ。
しかし、それでも周りから応援の視線を開けながらだとどうにも断りづらく、結局流されるままに引いてしまう。
結果は……。
杏奈さん 大吉
剣崎さん 中吉
私 大吉
美咲 凶
「うわぁ……」
「あちゃ~……」
「ああっはっはっはっ! いやもう流石に笑うでしょこんなの!」
私と杏奈さんがもう顔に出して引いていると、反対に剣崎さんは我慢できないと言った様子で大笑いし始めた。
「人の不幸を笑うなぁ~っ!」
「でも……いやぁ~、美咲は流石だよねぇ? もうむしろ美咲が凶じゃないおみくじは信頼出来なくなりそうだもん~」
「私の凶にそんな信頼を置くなぁ!」
しかし、言いたいことは分かる。
恋みくじで美咲が連続で凶を引いた現象を前にして運命や神といった存在をどこか信じ始めている自分がいる。
「それに比べて、柊和ちゃんはまた大吉だねぇ」
「それは杏奈さんもですけど……」
「いやぁ、どうだろうね~? 私は好きな人とかいないし、望み薄かもね~」
「縁結びなら、そういう人にも効果は期待できそうですけどね?」
「まぁ、私のはラッキーくらいに思っておけばいいけど~、柊和ちゃんのおみくじ……」
そう言って私のおみくじをのぞき込んだ杏奈さんは、一つの文章に指を差す。
そこは恋愛の欄。
『──願えば叶う』
「今の柊和ちゃんには一番の結果だね~……!」
「…………っ」
くそぅ……おみくじのくせに……。
私の決断に大きく揺さぶりかけてきやがって~……。
普段はおみくじなんて判断材料には到底なりえないというのに。
それでも、信じたいと思ってしまう。
この想いを伝えたいと思ってしまう。
……それもこれも全部、おみくじで凶を連発した美咲のせいだぞ。
いつだって私の肩を押してきて……。
「うぉぉ~! 神様が私のこといじめてくるよぉ~!」
「お金さえ払えば引き直しできるって……美咲知ってた?」
「うわああ! 悪魔が囁いてくるぅ! 悪魔にも私のおみくじは負けたんか! 神様は普段の徳とか全然鑑みてないんかぁ!」
「いや、私普段はそれなりに真面目にやってるでしょ?」
遠目で馬鹿やってる美咲を恨めし気に見つめながら。
どこか感謝したくなる気持ちを、素直に認められない複雑な心持ちだった。
修学旅行三日目の朝。
今日も今日とて、班行動で京都の街を回る一日だ。
昨日の夜に詩葉先輩から気になりすぎる電話が掛かってきたものの、やることは変わっていない。
修学旅行を楽しむ以前に、明日で私は護の元へと帰ることになる。
それまでに、謝るとか、仲直りするとか……それから、素直になって全てを告白するとか。
これから先の二人の事と、自分の感情や限界を踏まえて、身の振り方を決定しないといけない。
この修学旅行は私にとって、そんな大事なミッションを兼ねた一大イベントになっていた。
……ところで、この旅行を通して一つ気付いたことがある。
それは私は演じているだけだと思っていたけど、存外根元の部分から自分が真面目であったということだ。
いきなり何の話かと思うだろうが、今日の班行動について一つ、私には思いもつかないようなイレギュラーが起きたのだ。
なんと、班でホテルから出発した後、男子と女子で学校に報告した行先とは異なる目的地へ分裂して、別々に向かうと昨日の夜のうちに打ち明けられたのだ。
なんでも、男女で向かいたい行先が異なったので、無理にどちらかを優先せず、お互い行きたい目的地へ別々にいけばいいと、だいぶ前から班員の中で話がまとまっていたらしい……私以外の。
しかも、驚くことにそういった掟破りの班は全体的に見ても特に珍しいわけではなく、学校側もなんとなく気付いていながら見逃しているという、実質上の生徒と教師側どちらにも認知されている暗黙の了解らしかった。
まあ、詰まるところ今日は一日目と同じく、例の四人で京都を散策するということだ。
正直この四人なのと、まだまだ全然仲良くない班の男子を含めての八人だと、掛かる心労がかなり違ってくるのでありがたい。
昨日も件の噂のせいでかなり気疲れしたし。
そんなこんなで、ホテルを出発した私達はすぐに男子達と別れ、駅の方へ向かって歩いていた。
「さて、いざ三日目だよ~!」
「今日はどこ行くんだっけ?」
「縁結びで有名な神社」
「またですか⁉」
一昨日も行った覚えのある内容に驚いてしまう。
しかし、ノリノリの杏奈さんはまったく気にしていない様子だ。
「この歳の女子高生なら縁なんていくら結んでもいいくらいなの~!」
「いや、それは良くないでしょ。出会いならまだしも、複数人と縁結んじゃったらもう尻軽じゃない」
「細かいことはなんでもいいの! こういうのはロマンなんだから!」
「男子みたいなことを男子みたいな大雑把さで……」
女子にもロマンがあるのは分かるけど、確かに口調は男子そのものだ。
ロマンとは……何かこだわりでもあるのかもしれない。
「杏奈さんはそんなに恋人がほしいんですか?」
「ううん? ただ、恋愛とかって漫画やドラマをみて憧れるな~って」
「恋に恋するってやつ?」
「そうだよ~? だから、この中で本当に恋してるのは柊和ちゃんだけになるね~」
「か、からかわないでください……」
「あ、あと美咲もだ」
「そんなついでみたいに言うくらいなら最後まで触れないで欲しかったね⁉」
美咲の扱いが雑過ぎる……。
まぁ、確かに今の美咲は恋していると言っていいのかどうかは難しい所ではあるけれども。
「まあ~柊和ちゃんの応援も兼ねて縁結びの神社へ行こうって気持ちもありけり~?」
私が何とも言えないでいると、杏奈さんはあっさりと話を変えてこちらに向かって笑顔を浮かべた。
「前々から決まってた予定だから、完全に後付けだけどね」
「千歳、さっきから細かいよ~、美咲より彼氏できなさそう!」
「美咲よりは可能性あるに決まってるでしょ」
「どこで張り合ってんの!?」
「ふふっ……」
「柊和も何笑ってんの~?」
いい加減漫才でも見てるような気分になってきて、つい笑ってしまう。
この三人は見ているだけでも面白い。
そして、その輪に少しづつ自然に溶け込めるようになってきたことがまた嬉しい。
「まあまあ~! とりあえず神社だけじゃ満足しない人もいるから、他にも京都のスイーツとかお土産が買える名所も寄っていくよ~」
「甘いもの!」
「土産!」
「柊和は好物だから分かるけど、千歳ってそんなお土産好きだったの?」
清水寺以来やけにお土産に食いつく剣崎さんに美咲が軽く困惑していた。
「いざ、しゅっぱーつ!」
「出発はもうしてる」
「やっぱ細かいよ~……」
──…………。
件の縁結びの神社に到着。
今まで見てきた神社の中でも最大級に立派なお社に参拝しつつ、杏奈さんの先導についていく。
「ここは清水寺にあった地主神社と何が違うんですか?」
「ここは前みたいに縁結びの石とかがあるわけじゃないんだけどね? なんでも兎と一緒に願掛けできるんだって~」
「うさぎですか?」
神社と兎……?
干支かなにかだろうか……?
「因幡の白兎ってお話があるでしょ? あれがこの神社と深く関係してるらしいの」
「そうそう~! 願掛けのお人形があるんだよね~。写真で見た感じ超可愛いやつ!」
「因幡……」
「そういえば、柊和は因幡中だったっけ? なんだか特別なご利益でもありそうじゃない?」
美咲が私の考えていたことをそのまま口にする。
なるほど、確かにちょっとした縁のようなものは感じる。
「卒業した身ですけど……まぁ、期待するだけならタダですね」
「おお、柊和ちゃんも意外とわかってるね~」
「意外ですか? でも、私は大体こんな感じですよ」
「いいね? そっちの方が」
「そう言ってもらえるのは嬉しいですね」
少しだけ飾らない笑みを浮かべながら答えると、杏奈さんも気分のよさそうに笑っていた。
……さて、例に漏れずここでもおみくじだ。
縁結びの神社というだけあって、普通のおみくじ以外にも『恋みくじ』というおみくじを引けるそうで、今回はみんなそれを引く事に。
正直ここでどんな結果が出ても、大事な決断をするとき変に意識してしまいそうで怖い。
明日実際に大一番を控えてるからこそ、おみくじの結果に左右されるのは嫌だ。
しかし、それでも周りから応援の視線を開けながらだとどうにも断りづらく、結局流されるままに引いてしまう。
結果は……。
杏奈さん 大吉
剣崎さん 中吉
私 大吉
美咲 凶
「うわぁ……」
「あちゃ~……」
「ああっはっはっはっ! いやもう流石に笑うでしょこんなの!」
私と杏奈さんがもう顔に出して引いていると、反対に剣崎さんは我慢できないと言った様子で大笑いし始めた。
「人の不幸を笑うなぁ~っ!」
「でも……いやぁ~、美咲は流石だよねぇ? もうむしろ美咲が凶じゃないおみくじは信頼出来なくなりそうだもん~」
「私の凶にそんな信頼を置くなぁ!」
しかし、言いたいことは分かる。
恋みくじで美咲が連続で凶を引いた現象を前にして運命や神といった存在をどこか信じ始めている自分がいる。
「それに比べて、柊和ちゃんはまた大吉だねぇ」
「それは杏奈さんもですけど……」
「いやぁ、どうだろうね~? 私は好きな人とかいないし、望み薄かもね~」
「縁結びなら、そういう人にも効果は期待できそうですけどね?」
「まぁ、私のはラッキーくらいに思っておけばいいけど~、柊和ちゃんのおみくじ……」
そう言って私のおみくじをのぞき込んだ杏奈さんは、一つの文章に指を差す。
そこは恋愛の欄。
『──願えば叶う』
「今の柊和ちゃんには一番の結果だね~……!」
「…………っ」
くそぅ……おみくじのくせに……。
私の決断に大きく揺さぶりかけてきやがって~……。
普段はおみくじなんて判断材料には到底なりえないというのに。
それでも、信じたいと思ってしまう。
この想いを伝えたいと思ってしまう。
……それもこれも全部、おみくじで凶を連発した美咲のせいだぞ。
いつだって私の肩を押してきて……。
「うぉぉ~! 神様が私のこといじめてくるよぉ~!」
「お金さえ払えば引き直しできるって……美咲知ってた?」
「うわああ! 悪魔が囁いてくるぅ! 悪魔にも私のおみくじは負けたんか! 神様は普段の徳とか全然鑑みてないんかぁ!」
「いや、私普段はそれなりに真面目にやってるでしょ?」
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