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ヒト族の街
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俺とトップはついにヒト族の住む街にやって来た。街は高い壁におおわれていて、入り口には門番が立っていた。
俺は街に入る前、トップにあるお願いをした。
「なぁ、トップ。これからヒト族の街に入るけど、トップがびっくりするようなものを目にするかもしれない。だけど、俺はトップの友達だからな?トップの事、大好きなんだからな?それだけは信じてほしい」
『?。何言ってんだ?エイジ。そんなの当たり前じゃないか。おいらとエイジは友達だぞ!』
「ああ。ありがとう」
俺が最初にトップと出会った時、トップは人間たちに捕らえられそうになっていた。人間たちにとってリュウ族を捕えるのは日常的な事なんだろう。
俺の予想が正しければ、トップはきっと傷つくだろう。
俺は街の門をくぐる前にトップを振り返った。トップは大きなトリケラトプスだ。街中ではトップが目立ってしまうのではないか。
俺が心配を口にすると、トップは笑って言った。
『おいらの大きさが気になるのか?なら小さくもなれるぞ?』
トップはそう言った後、みるみる縮んで小型犬ほどの大きさになった。
「わぁ!トップ可愛い!」
トップは赤ちゃんトリケラトプスの大きさになったのだ。俺は嬉しくてトップを抱き上げた。トップの身体はズシリと重かったが、抱っこできないほどじゃなかった。
俺はトップに頬ずりしながら門番の前にやって来た。
「おい、通告許可証を見せろ」
門番はすかさず俺とトップの通行をさまたげた。俺は笑顔で門番に言った。
「通行許可証は持っていません。ですが、」
俺はポケットに手を突っ込んで、あるものを取り出し、門番の手に乗せた。
門番は胡散臭そうに手の中を見て、驚きの表情を浮かべだ。俺が門番に渡したのは、ルビーやエメラルドなどの宝石だ。
俺は門番に止められる事を予想して、あらかじめトップに鉱物魔法で宝石を作ってもらっていたのだ。
門番はニヤニヤと笑顔になり、俺たちを街に入れてくれた。
俺がそそくさと街の中に入ろうとすると、先ほどの門番が呼び止めた。
「おい、君。リュウ族を連れて行く時は、所有者の証しとして、首輪をつけなければいけないぞ?」
「首輪なんてできません。トップは俺の友達なんです!」
門番に対して、俺はムキになって答えた。俺の腕の中で、トップがキョトンとした顔で見上げている。
門番の話しによると、街中ではリュウ族は皆首輪が必須なのだという。もし首輪をしていないリュウ族がいれば、街の治安を守る騎士団に連れて行かれてしまうらしい。
俺は仕方なくポケットから青い色のハンカチを出し、小さくなっているトップの首にまいた。青いハンカチは、スカーフのようで良く似合っていた。
『うふふ。エイジ、おいらカッコいい?』
「ああ、とってもカッコいいよ」
俺は喜んでいるトップをギュッと抱きしめた。まるでこれからトップにふりかかる事から守るように。
俺は街に入る前、トップにあるお願いをした。
「なぁ、トップ。これからヒト族の街に入るけど、トップがびっくりするようなものを目にするかもしれない。だけど、俺はトップの友達だからな?トップの事、大好きなんだからな?それだけは信じてほしい」
『?。何言ってんだ?エイジ。そんなの当たり前じゃないか。おいらとエイジは友達だぞ!』
「ああ。ありがとう」
俺が最初にトップと出会った時、トップは人間たちに捕らえられそうになっていた。人間たちにとってリュウ族を捕えるのは日常的な事なんだろう。
俺の予想が正しければ、トップはきっと傷つくだろう。
俺は街の門をくぐる前にトップを振り返った。トップは大きなトリケラトプスだ。街中ではトップが目立ってしまうのではないか。
俺が心配を口にすると、トップは笑って言った。
『おいらの大きさが気になるのか?なら小さくもなれるぞ?』
トップはそう言った後、みるみる縮んで小型犬ほどの大きさになった。
「わぁ!トップ可愛い!」
トップは赤ちゃんトリケラトプスの大きさになったのだ。俺は嬉しくてトップを抱き上げた。トップの身体はズシリと重かったが、抱っこできないほどじゃなかった。
俺はトップに頬ずりしながら門番の前にやって来た。
「おい、通告許可証を見せろ」
門番はすかさず俺とトップの通行をさまたげた。俺は笑顔で門番に言った。
「通行許可証は持っていません。ですが、」
俺はポケットに手を突っ込んで、あるものを取り出し、門番の手に乗せた。
門番は胡散臭そうに手の中を見て、驚きの表情を浮かべだ。俺が門番に渡したのは、ルビーやエメラルドなどの宝石だ。
俺は門番に止められる事を予想して、あらかじめトップに鉱物魔法で宝石を作ってもらっていたのだ。
門番はニヤニヤと笑顔になり、俺たちを街に入れてくれた。
俺がそそくさと街の中に入ろうとすると、先ほどの門番が呼び止めた。
「おい、君。リュウ族を連れて行く時は、所有者の証しとして、首輪をつけなければいけないぞ?」
「首輪なんてできません。トップは俺の友達なんです!」
門番に対して、俺はムキになって答えた。俺の腕の中で、トップがキョトンとした顔で見上げている。
門番の話しによると、街中ではリュウ族は皆首輪が必須なのだという。もし首輪をしていないリュウ族がいれば、街の治安を守る騎士団に連れて行かれてしまうらしい。
俺は仕方なくポケットから青い色のハンカチを出し、小さくなっているトップの首にまいた。青いハンカチは、スカーフのようで良く似合っていた。
『うふふ。エイジ、おいらカッコいい?』
「ああ、とってもカッコいいよ」
俺は喜んでいるトップをギュッと抱きしめた。まるでこれからトップにふりかかる事から守るように。
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