恐竜世界に転移した俺に懐いたちっちゃ可愛いドラゴンたちが最強だった

盛平

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ダイナソーバトル

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 俺はトップを抱っこしたまま街の真ん中にある広場のベンチに座った。

 トップに、リュウ族とヒト族の仲を取り持つと言ったはいいが、一体どうすればいいのだろうか。

 俺が途方にくれていると、チラシを持った男に声をかけられた。

「兄ちゃん、あんたもリュウ族のオーナーか?なら、これに参加するか?といってもそんなチビスケじゃあすぐに負けちまうだろうがな。観戦だけでも来いよ。銅貨五枚だぜ?」

 男は俺にチラシを渡すと、別の人々にチラシを渡しに行ってしまった。

 俺とトップがチラシをのぞき込む。ダイナソーバトルと書かれている。強いジュウキャクリュウと戦って勝ったら賞金が出るらしい。

『エイジ、エイジ。何て書いてあるんだ?』
「ああ。ジュウキャクリュウと戦って勝てばお金がもらえるんだ」
『おかねって何?』
「さっきトップと一緒に繁華街を歩いただろ?あの屋台に出てる品物を買えるんだ」
『ツブツブ食べれる?!おいら、ジュウキャクリュウと戦う!』

 トップは乗り気になってしまって手がつけられない。俺は仕方なくチラシに書いてある興行場所に向かった。

 そこは大きな闘技場だった。定期的に興行師が興行を開くようだ。剣士同士の戦いだったり、戦士と猛獣との戦い。

 どうやら一番人気なのがリュウ族の戦いのようだ。トップはやる気満々だが、俺は乗り気がしなかった。

 きっとこの闘技場の中では、殺伐とした戦いが行われているのだろう。まだ子供のトップにそんなものを見せたくなかった。

 俺とトップが闘技場の周りをウロウロしていると、出入り口の一つからリュウ族と人間が出てきた。

 イグアナドンだ。体長7メートルほどの大きさ。前脚の尖った長いおや指が特徴だ。

 イグアナドンの半身はひどい火傷をおっている。ヒト族の少年は泣きながらイグアナドンに声をかけている。

「ごめんよ、ごめんよ、イグ!僕が大会に出てなんて言うから、こんな大けがさせちゃって」
『大丈夫だよ、トト。こんなケガ、何度か治癒魔法すれば治るよ。ボクこそ負けちゃってごめんね?』

 泣きじゃくる少年に、イグアナドンは優しく声をかける。だが彼らは会話ができないのだ。

 俺はいらぬ世話だと思いながら、少年とイグアナドンに声をかけた。

「ひどい火傷だね?よかったら俺に治癒魔法させてくれないか?」
「えっ!お兄ちゃん治癒魔法が使えるの?!お兄ちゃん魔法使いなの?」

 俺の申し出に、少年は驚いた顔をした。この世界には人間の魔法使いもいるようだ。

「いや、まだ勉強中で治癒魔法しかできないんだ」
「お願い!イグを治して!」
『ボク自分でできるよ。ねぇ、トト』

 トトと呼ばれた少年は乗り気だが、イグアナドンはふてくされた顔だ。どうやらトトにいい所を見せたいらしい。俺はイグアナドンに声をかけた。

「君は治癒魔法が上手なんだね?でも火傷はバイ菌が入るとやっかいだからね」

 俺はトップを片手で抱いたまま、もう片方の手をイグアナドンの火傷にそえた。

 イグアナドンの広範囲の火傷が輝き出す。イグアナドンの火傷は見る間に治癒した。

「フウッ、」

 俺は安どのため息をついた。腕の中のトップが嬉しそうにすごいと言っている。

「お兄ちゃん!ありがとう!よかったね、イグ」
『・・・。ありがとう、ヒト族のお兄ちゃん。ボク本当はとっても痛かったの』

 素直に礼を言うイグアナドンがかわいくて、俺は微笑んだ。

「君たちはとっても仲良しなんだね?」
「そうだよ!僕とイグは親友なんだ!」
『うん!ボクもトトが大好き!』

 二人の嬉しそうな顔を見て、俺は胸があったかくなった。

 
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