恐竜世界に転移した俺に懐いたちっちゃ可愛いドラゴンたちが最強だった

ダイナソーバトル登録2

 ジュエルの登録が終わると、俺はショルダーバッグからダイヤモンドの首輪を出しジュエルにつけてやった。

『やっぱりアタシにはダイヤモンドが似合っているわ！』
「そうだね、よく似合ってる。アルテミシアさんは、ジュエルの事をとても大切にしているんだね？」

　俺の言葉に、ジュエルの顔が暗くなった。俺は肩に乗っているジュエルの背中を優しく撫でた。

「ジュエル。アルテミシアさんに会いたくなっちゃった？」
『ううん。アタシ、たくさん色々な事体験してからアルテミシアに会いに行くわ！そして、たくさん歌を作ってアルテミシアに聞かせてあげるの』
「素敵だね。アルテミシアさん、きっと喜ぶよ」

　ジュエルは嬉しそうに笑った。

　ちなみにジュエルの首輪は、魔法がかけてあるので、ジュエルが大きくなったり、元に戻ったりしても、ジュエルと一緒にサイズが変わるようになっている。


　俺たちはダイナソーバトルに参加するため登録手続きをおこなった。

　俺は必要書類にトップたちの種族と名前を書き入れていく。書類の欄に、チーム名の記入があった。

「皆、チーム名を決めるんだけど、どんなのがいいか？」

　俺は足元できゃいきゃいうるさくしてるトップたちに聞いた。ジュエルがすかさず俺の肩にとまって言った。

『美しきジュエルとその他っていうのはどうかしら？』
『ボクねぇ、ボクねぇ、イカ！』
『えっとぉ、おいらは、リンゴとバナナ！』

　俺の質問に、ジュエルが胸を張って答える。ケロンとトップにいたっては好物の名前だ。スカーがため息をつきながら言った。

『エイジ、お前が決めろ。こいつらに任せたらいい笑い者だ』
「じゃあさ、ファミリアってどうかな？」
『あら、綺麗な響きじゃない？気に入ったわ！』

　俺の提案に、ジュエルは賛成してくれる。トップとケロンとスカーも異論はないと言ってくれた。

　ファミリア。家族。トップたちにとって、俺はただのヒト族でしかない。だけど、俺にはトップたちが唯一の存在だ。俺にとってのこの世界で一番大切な家族は、彼らなのだ。

　書類を提出し受理され、俺たちファミリアはダイナソーバトル参加資格を得た。

　次に俺たちのチームとバトルしてくれるチームを探す。受付の男性に話しをする。

「すみません、俺たち今日登録したチームなんですが、俺たちと戦ってくれるチームはありますかね？」

　俺の問いに、受付の男性がしぶい顔をして答えた。

「ああ、すぐに見つかると思うよ。だけど、チームボルケーノとの対戦だけはやめておいた方がいい」

　ボルケーノというのはどういったチームなのだろうか。俺は受付の男性に理由をたずねた。

「チーム登録をしたからわかるだろう。ダイナソーバトルはリュウ族同士でバトルして観客を楽しませる。戦ったチームの報酬は九対一。つまりほとんどが勝利したチームの物になるんだ。だからボルケーノは、チーム発足したての経験不足のチームとばかり対戦して、悪どいやり方で勝っているんだ」

　どうやらチームボルケーノは評判が悪いらしい。俺はこのチームとの対戦をやめようとした。だけどトップたちが黙っていなかった。

『エイジ！おいらそいつらと戦いたい！』
『そんなふざけた奴らけちらせてやるぜ！』

　トップとスカーは頭に血がのぼっているようだ。俺は肩に乗っているジュエルとトップの背中に乗っているケロンに聞いた。ボルケーノの戦うかどうか。

『そんなチンケな奴らアタシの敵じゃないわ！』
『ボクもヤな奴らやっつける！』

　どうやら気持ちは皆同じらしい。俺は受付の男性にボルケーノとの対戦を申し込んだ。