恐竜世界に転移した俺に懐いたちっちゃ可愛いドラゴンたちが最強だった

ダイナソーバトル登録

　ケロンとジュエルの特訓を始めて一週間が経った。ケロンとジュエルはみちがえるほど魔法を使いこなせるようになっていた。

「ケロン、ジュエル、すごいぞ！二人とも、よくがんばったな！」
『うふふ。ボクも楽しかったの』
『アタシにかかれば当然よ！』

　俺はトップたちを見回して言った。

「なぁ、皆。そろそろダイナソーバトルに参加してもいい頃合いだと思うんだけど、どうかな？」
『おう！おいらダイナソーバトルで戦いたいぞ！』
『ふん、やっとかよ。待ちくたびれたぜ』
『ボクもたくさん特訓したの。がんばる！』
『アタシにかなうリュウ族なんていないわ！誰でもけちらせてやるんだから』

　トップもスカーも、ケロンもジュエルもやる気満々だ。

　俺は野宿の片付けをして、皆と王都まで歩いて行こうとした。そんな俺たちをジュエルが呼び止めた。

『なぁに、あなたたち。ちんたら歩いていくつもり？アタシがあなたたちを乗っけて飛んであげるわ！』

　ジュエルはそう言って、俺の肩から飛び降りると、ゾウほどの大きさに巨大化した。

「わぁ！すごいな、ジュエル」
『魔法の特訓をしたんだもの。こんなの楽勝よ』

　トップたちが小さくなる事ができるなら、逆に大きくなる事も可能だと思っていたが、実際に見るのでは大きな違いがあった。

　俺たちはおっかなびっくりジュエルの背中に乗った。

『しっかりつかまってるのよ？』

　ジュエルは俺たちの返事も聞かず大空に飛びたった。俺は空中に吹っ飛ばされそうになってしまい、慌ててジュエルの羽毛をひっつかんだ。

　ジュエルの飛ぶ速度がゆっくりになったので、恐る恐る下を見てみると森が小さく見えた。正面を見れば、雲一つない空が広がっている。

「わぁ、俺、空飛んでる」

　俺は顔に当たる強い風を感じながら、空を飛んでいた。


　長い時間をかけて歩いた道のりは、ジュエルのおかげであっという間に王都に到着してしまった。

　ダイナソーバトルの登録の前に、ジュエルの登録をしなければいけない。そしてジュエルにも首輪をつけなければいけない。

　トップとスカーとケロンは、俺が用意したハンカチやネクタイやリボンを結んでいる。ジュエルにもリボンを用意しようとしたのだが、ジュエルの飼い主であるアルテミシアが猛反対した。

　わたくしの美しいジュエルにリボンだなんて。美しいアルテミシアは恐ろしい形相になった。美人が怒ると怖い。

　アルテミシアは執事に宝石箱を持ってこさせた。この宝石箱の宝石は、すべてジュエルのために用意したものらしい。金持ちの考える事はよくわからない。

　アルテミシアは大粒のダイヤモンドがついた首飾りを出し、これをジュエルの首輪にするように言った。

　俺は反対した。こんな高価なものをつけていればジュエルがさらわれてしまうかもしらないと。

　アルテミシアはさらに恐ろしい顔になった。

「そなたはジュエルを守ると言ったではないか。その言葉、嘘偽りだったのか？」

　俺はうやうやしくダイヤモンドの首輪を受け取った。