34 / 113
ココ対椿姫
しおりを挟む
結に抱っこされたココは加奈子の暴言に腹が立ったようだ。
「ぼくはかわいい、てでぃべあだぞ!そのことばてっかいさせてやる!」
「ココは可愛いわよ?だから怒らないの」
怒って言い返すココを結はたしなめた。加奈子は椿姫に攻撃の指示をしたようだ。椿姫がものすごい速さで結たちに駆け寄って来る。ココは結の腕の中からピョンと飛び降りると、ムクムクと巨大化し、結を守るように立ちはだかった。
椿姫は走る事をやめ、右手に持った鉄扇を巨大なココに投げつけた。ココは大きな身体に似合わず素早い動きで鉄扇を掴んで言った。
「こんなひょろひょろのこうげきじゃあ、ぼくのふわふわのけなみのさきっちょだってきれないよ?ほら、きみのぶきをかえすよ?」
ココはコンクリートをも砕く剛腕で椿姫に鉄扇を投げ返そうとした。すかさず結が叫ぶ。
「待ってココ!扇を椿姫に投げないで!椿姫と話しがしたいの」
ココは結を振り返ってうなずくと、鉄扇を持ったまま結のとなりに立った。巨大化は解かない。もし何かあった時、結を守るためだろう。
結は立ち止まったまま動きを止めている椿姫に言った。
「椿姫、私は結。貴女と話しがしたいの」
椿姫はゆっくりと結に向かって歩き出した。それを見た加奈子は焦ったように叫んだ。
「椿姫!そっちに行かないで!戻ってらっしゃい!」
だが椿姫は加奈子の指示には従わず、結の側までやって来た。結はしゃがんで椿姫と視線を合わせた。
すると、ヒュッと冷たい風が結の心の中を通り抜けた。椿姫の悲しい気持ちだ。結は椿姫の美しい瞳をジッと見続けて言った。
「椿姫、それが貴女の望みなの?」
椿姫はコクリとうなずいた。結も深くうなずく。結はスクッと立ち上がり、加奈子を見すえて叫んだ。
「この勝負、私たちの勝ちです!」
「何ですって?!そのまぬけなクマは椿姫に傷一つつけていないじゃない!」
結の宣言に、加奈子はかなぎり声をあげた。結は加奈子をジッと見つめて答えた。
「言い方を変えましょうか?この試合じたいが無効だといっているのです。何故なら、加奈子ちゃんは人形使いではなく、念動力者だからです」
加奈子の表情がこわばった。兼光は信じられないとでもいうように加奈子を見た。幸士郎は下を向いている。
三者三様の反応を見れば結にもすぐに状況がわかった。兼光は加奈子が人形使いではない事を知らなかった。加奈子は人形使いではない事を必死で隠そうとしていた。幸士郎は加奈子が人形使いでない事を知りつつ黙っていた。
兼光は怒りの形相で叫んだ。
「加奈子!それは本当なのか?!よくも今まで我々を騙していたな!何て恥さらしな!」
加奈子は恨めしい目で叔父を見てから、無言で手を振った。すると椿姫がフワリと宙に浮き、加奈子の腕の中に収まった。ココの持っていた鉄扇も浮き上がり、加奈子の側に飛んで行った。加奈子はとても有能な念動力者なのだろう。
加奈子は無言で闘技場を後にした。
「ぼくはかわいい、てでぃべあだぞ!そのことばてっかいさせてやる!」
「ココは可愛いわよ?だから怒らないの」
怒って言い返すココを結はたしなめた。加奈子は椿姫に攻撃の指示をしたようだ。椿姫がものすごい速さで結たちに駆け寄って来る。ココは結の腕の中からピョンと飛び降りると、ムクムクと巨大化し、結を守るように立ちはだかった。
椿姫は走る事をやめ、右手に持った鉄扇を巨大なココに投げつけた。ココは大きな身体に似合わず素早い動きで鉄扇を掴んで言った。
「こんなひょろひょろのこうげきじゃあ、ぼくのふわふわのけなみのさきっちょだってきれないよ?ほら、きみのぶきをかえすよ?」
ココはコンクリートをも砕く剛腕で椿姫に鉄扇を投げ返そうとした。すかさず結が叫ぶ。
「待ってココ!扇を椿姫に投げないで!椿姫と話しがしたいの」
ココは結を振り返ってうなずくと、鉄扇を持ったまま結のとなりに立った。巨大化は解かない。もし何かあった時、結を守るためだろう。
結は立ち止まったまま動きを止めている椿姫に言った。
「椿姫、私は結。貴女と話しがしたいの」
椿姫はゆっくりと結に向かって歩き出した。それを見た加奈子は焦ったように叫んだ。
「椿姫!そっちに行かないで!戻ってらっしゃい!」
だが椿姫は加奈子の指示には従わず、結の側までやって来た。結はしゃがんで椿姫と視線を合わせた。
すると、ヒュッと冷たい風が結の心の中を通り抜けた。椿姫の悲しい気持ちだ。結は椿姫の美しい瞳をジッと見続けて言った。
「椿姫、それが貴女の望みなの?」
椿姫はコクリとうなずいた。結も深くうなずく。結はスクッと立ち上がり、加奈子を見すえて叫んだ。
「この勝負、私たちの勝ちです!」
「何ですって?!そのまぬけなクマは椿姫に傷一つつけていないじゃない!」
結の宣言に、加奈子はかなぎり声をあげた。結は加奈子をジッと見つめて答えた。
「言い方を変えましょうか?この試合じたいが無効だといっているのです。何故なら、加奈子ちゃんは人形使いではなく、念動力者だからです」
加奈子の表情がこわばった。兼光は信じられないとでもいうように加奈子を見た。幸士郎は下を向いている。
三者三様の反応を見れば結にもすぐに状況がわかった。兼光は加奈子が人形使いではない事を知らなかった。加奈子は人形使いではない事を必死で隠そうとしていた。幸士郎は加奈子が人形使いでない事を知りつつ黙っていた。
兼光は怒りの形相で叫んだ。
「加奈子!それは本当なのか?!よくも今まで我々を騙していたな!何て恥さらしな!」
加奈子は恨めしい目で叔父を見てから、無言で手を振った。すると椿姫がフワリと宙に浮き、加奈子の腕の中に収まった。ココの持っていた鉄扇も浮き上がり、加奈子の側に飛んで行った。加奈子はとても有能な念動力者なのだろう。
加奈子は無言で闘技場を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃
ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。
王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。
だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。
――それでも彼女は、声を荒らげない。
問いただすのはただ一つ。
「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」
制度、資格、責任。
恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。
やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。
衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。
そして彼の隣には、常に彼女が立つ。
派手な革命も、劇的な勝利もない。
あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。
遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、
声なき拍手を聞き取る。
これは――
嵐を起こさなかった王と、
その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
婚約破棄されたら、辺境伯とお試し結婚することになりました
ミズメ
恋愛
婚約者を妹に奪われ、悪女として断罪された公爵令嬢フィオレッタ・グラシェルは、王都を追われ、身分を隠して辺境の町で静かに暮らしていた。ある日、迷子の少女ティナと出会い、川辺で花を摘み笑い合うひとときを過ごす。そこに現れたのは、ティナを捜していた辺境の若き領主ヴェルフリート・エルグランドだった。
ティナに懐かれたフィオレッタは子育てのために契約結婚をすることに。ティナの子守りをしながら、辺境で自らの才覚を発揮していくフィオレッタに、ヴェルフリートや領地の人々も惹かれていく。
「俺は、君を幸せにしたい」
いずれ幸せになる、追放令嬢のお話。
・感想いただけると元気もりもりになります!!
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる