35 / 113
結の怒り
しおりを挟む
兼光は姪に騙されていた怒りがおさまらないようで、息子の幸士郎に怒鳴った。
「幸士郎!貴様、加奈子が人形使いではない事を知っていたのか?!」
「・・・。はい、知っていました」
「何だと?!何故私に言わなかったのだ。加奈子が人形使いでなないとわかった時点で、婚約は解消していたのに?!」
兼光のあまりの発言に結はだんだん腹が立ってきた。結はツカツカと兼光の前に近寄ると、兼光の目をにらんで言った。
「幸士郎くんが加奈子ちゃんの事を言わなかったのは、貴方たち大人の責任ではありませんか?」
「な、何だと?」
「兼光さんは桐生家の当主であるなら、加奈子ちゃんが人形使いでない事に気づくべきだったんじゃないですか?」
兼光は結の言葉に言い返せないのか、ううむと唸った。結は言葉を続けた。
「全部椿姫から聞きました。加奈子ちゃんは最初自分は人形使いなのだと信じて疑わなかったそうです。ご両親が人形を動かしてくれと言うから、素直に動かしただけ。ご両親がたいそう喜ぶから、加奈子ちゃんもご両親の期待に答えようと必死に人形を動かし続けた。だけど椿姫との契約の時、おかしいと気づいたんです。自分は人形の気持ちがわからないって」
結はそこで言葉を切って幸士郎を見た。幸士郎は不安そうに結を見ている。結は小さくうなずいてから話しを続けた。
「加奈子ちゃんは一人でESP検査を受けました。その結果、加奈子ちゃんは人形使いではなく念動力者だという事がわかりました。加奈子ちゃんは兼光さんたちを騙そうだなんで思ってなんかいなかった。それから加奈子ちゃんはとても苦しみました。一番の友達の椿姫に恨み言を言った事だってあります。加奈子ちゃんは、いつか人形使いになれるかもしれないと、ひたすら訓練を続けていたんです」
兼光は納得が行かなそうに口を挟んだ。
「加奈子が念動力者だとして、幸士郎と桜姫との公開演武ではしっかりと椿姫を操っていたはずた」
結は再び幸士郎を見た。幸士郎はうなずいて見せた。結もうなずいて口を開いた。
「桜姫と椿姫の公開演武で、二人を操っていたのは幸士郎くんです」
「何!幸士郎が二体の戦人形を操っていたというのか?!幸士郎!貴様神聖な演武でペテンを働いたのか?!」
兼光の言葉に幸士郎はギクリと身体を震わせる。結は兼光をにらんで言った。
「幸士郎くんは知っていたんです。人形使いの家で、人形使いの能力の無い人間が、どれほど肩身の狭い思いをするか。幸士郎くんはずっと加奈子ちゃんの事を守っていたんですよ!もし兼光さんたちが、人形使いの能力の無い子供だったとしても、慈しんで育ててくれるのなら、幸士郎くんも加奈子ちゃんも素直に真実を話したでしょう。だけど大人たちがそれを許さなかった。兼光さん、貴方たちの責任です!」
兼光は結をにらむと黙って闘技場を出て行ってしまった。結は緊張の糸が切れてしまい、倒れそうになった。ココが優しく結の身体を支えてくれた。
「幸士郎!貴様、加奈子が人形使いではない事を知っていたのか?!」
「・・・。はい、知っていました」
「何だと?!何故私に言わなかったのだ。加奈子が人形使いでなないとわかった時点で、婚約は解消していたのに?!」
兼光のあまりの発言に結はだんだん腹が立ってきた。結はツカツカと兼光の前に近寄ると、兼光の目をにらんで言った。
「幸士郎くんが加奈子ちゃんの事を言わなかったのは、貴方たち大人の責任ではありませんか?」
「な、何だと?」
「兼光さんは桐生家の当主であるなら、加奈子ちゃんが人形使いでない事に気づくべきだったんじゃないですか?」
兼光は結の言葉に言い返せないのか、ううむと唸った。結は言葉を続けた。
「全部椿姫から聞きました。加奈子ちゃんは最初自分は人形使いなのだと信じて疑わなかったそうです。ご両親が人形を動かしてくれと言うから、素直に動かしただけ。ご両親がたいそう喜ぶから、加奈子ちゃんもご両親の期待に答えようと必死に人形を動かし続けた。だけど椿姫との契約の時、おかしいと気づいたんです。自分は人形の気持ちがわからないって」
結はそこで言葉を切って幸士郎を見た。幸士郎は不安そうに結を見ている。結は小さくうなずいてから話しを続けた。
「加奈子ちゃんは一人でESP検査を受けました。その結果、加奈子ちゃんは人形使いではなく念動力者だという事がわかりました。加奈子ちゃんは兼光さんたちを騙そうだなんで思ってなんかいなかった。それから加奈子ちゃんはとても苦しみました。一番の友達の椿姫に恨み言を言った事だってあります。加奈子ちゃんは、いつか人形使いになれるかもしれないと、ひたすら訓練を続けていたんです」
兼光は納得が行かなそうに口を挟んだ。
「加奈子が念動力者だとして、幸士郎と桜姫との公開演武ではしっかりと椿姫を操っていたはずた」
結は再び幸士郎を見た。幸士郎はうなずいて見せた。結もうなずいて口を開いた。
「桜姫と椿姫の公開演武で、二人を操っていたのは幸士郎くんです」
「何!幸士郎が二体の戦人形を操っていたというのか?!幸士郎!貴様神聖な演武でペテンを働いたのか?!」
兼光の言葉に幸士郎はギクリと身体を震わせる。結は兼光をにらんで言った。
「幸士郎くんは知っていたんです。人形使いの家で、人形使いの能力の無い人間が、どれほど肩身の狭い思いをするか。幸士郎くんはずっと加奈子ちゃんの事を守っていたんですよ!もし兼光さんたちが、人形使いの能力の無い子供だったとしても、慈しんで育ててくれるのなら、幸士郎くんも加奈子ちゃんも素直に真実を話したでしょう。だけど大人たちがそれを許さなかった。兼光さん、貴方たちの責任です!」
兼光は結をにらむと黙って闘技場を出て行ってしまった。結は緊張の糸が切れてしまい、倒れそうになった。ココが優しく結の身体を支えてくれた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
揺れぬ王と、その隣で均衡を保つ妃
ふわふわ
恋愛
婚約破棄の断罪の場で、すべては始まった。
王太子は感情に流され、公爵令嬢との婚約を解消する。
だが、その決断は王家と貴族社会の均衡を揺るがし、国そのものを危うくする一手だった。
――それでも彼女は、声を荒らげない。
問いただすのはただ一つ。
「そのご婚約は、国家にとって正当なものですか?」
制度、資格、責任。
恋ではなく“国家の構造”を示した瞬間、王太子は初めて己の立場を知る。
やがて選ばれるのは、感情ではなく均衡。
衝動の王子は、嵐を起こさぬ王へと変わっていく。
そして彼の隣には、常に彼女が立つ。
派手な革命も、劇的な勝利もない。
あるのは、小さな揺れを整え続ける日々。
遠雷を読み、火種を消し、疑念に居場所を与え、
声なき拍手を聞き取る。
これは――
嵐を起こさなかった王と、
その隣で国家の均衡を保ち続けた妃の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる