究極妹属性のぼっち少女が神さまから授かった胸キュンアニマルズが最強だった

盛平

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パティの武器3

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「俺はパティの約束打ち込みを見て思ったんだ。最初は運動神経が悪いから、剣をけさがけにふりおろせないのかと思っていた。だが違った。剣が下手ならばそれだけ努力すればいいだけだ。パティは無意識に人を傷つける事をさけているんだ」

 エラルドの言葉に、パティはギクリと身体が震えた。エラルドの言う通りだったからだ。

 パティはエラルドに剣を習いたい、強くなりたいと言ったくせに、本当は剣などちっとも扱えるようになりたくはないのだ。

 だが大切なマックスたちに危機が及んだ時、何もできないのはもっと嫌だ。パティはジレンマの中、まとまらない気持ちで剣の練習をしていた。

 これでは真剣にパティを鍛えようとしてくれているエラルドとロレーナに失礼だと思いながら。

 パティが黙ってしまうと、エラルドはしばらく休けいと言い、パティをその場に座らせ、自身もとなりに座った。
 
 パティはエラルドに自分の本心を話さなければと思った。パティの気持ちが定まらなければ、いくら剣や杖を学んでも実戦では役に立たないだろう。

「エラルド、私ね。マックスたちを守りたいって気持ちは本当。だけどね、暴力を振るいたくない気持ちも本当なの。私ね、小さい頃からドミノ村の人たちからたくさんの暴力を受けていたの。ひどい言葉、何もしてないのに叩かれたり足をひっかけられたり、子供たちは私に石を投げたわ。背中は五点、腹は三点、頭は十点って、私に暴力を振るう事がゲームになっていたの。私ね、村の人たちから受ける暴力も怖かったけど、それよりも怖かったのはね、村の人たちの顔に浮かんだいびつな笑顔だったの、」

 話しているうちに、パティの背中がゾクリと冷たくなった。ドミノ村の人たちの顔を思い出してしまったからだ。

 パティはドミノ村を出て、冒険者になり、たくさんの人たちと出会った。パティを優しく受け入れてくれる人たちもいた。

 パティはそこで気づいてしまったのだ。ドミノ村の人たちの悪意に。ドミノ村の人たちはパティを悪と決めつけ暴力を振るい喜びを得ていたのだ。

 パティはドミノ村の人たちがおぞましいと感じた。

 パティの身体がブルブルと震え出した。小さい頃の恐ろしい記憶がよまがえって、怖くて怖くて仕方なくなってしまったのだ。

 早く震えを止めなければ、エラルドに何か言わなければ。パティが急に震えて黙ったらエラルドは変に思うだろう。

 パティが焦れば焦るほど状況は悪化していった。震えはさらにひどくなり、呼吸が荒くなり、息を吸ったり吐いたりする事が難しくなってしまった。

 パティはヒュッヒュッと短い呼吸を繰り返した。息がうまく吸えない。焦れば焦るほど、それはひどくなった。

 ふと膝に温かみを感じた。パティが視線を向けると、マックスが前脚をかけていた。

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