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新たな依頼
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買い物を終えたあかりたちは、冒険者協会に向かった。新しい依頼を探すためだ。協会に行くと、受付の女性がアスランに声をかけた。
「アスラン!貴方に直接の依頼が来ているわよ」
アスランは身に覚えがないのかキョトンとしている。冒険者協会に来る依頼は、腕のいい冒険者のうわさがあると、その冒険者に直接依頼をする場合があるのだ。アスランはちまちました依頼しかこなしていないので、そんな直接依頼をする相手が思い浮かばなかったのだろう。受付の女性は意味ありげにニヤニヤして、アスランにもったいつけて言った。
「聞いて驚きなさい!何とお城からの依頼よ!」
「ええっ!!」
アスランはすっとんきょうな声をあげた。寝耳に水だったのだろう。アスランがいぶかしげに受付の女性に詳細をたずねる。
「お城の依頼はある方の推薦なのよ。その方はね、なんと伝説の勇者パーティの一人、ゼノ・トゥルーマンさまよ!」
「ゼノ、ゼノ・トゥルーマン?まさか、ゼノ殿は伝説の召喚士、ゼノ・トゥルーマンさまだったのか?!」
アスランが慌てて叫び出した。あかりは驚いて聞いた。
「何を驚いているの?アスラン。ゼノおじいちゃんがどうしたの?」
「メリッサ!ゼノ殿は、このトランド国を支配しようとした魔王を倒した勇者パーティの一人だったんだよ!」
「えっ、小さい頃お母さんが話してくれた勇者さまたちのお話の?」
あかりは胸がドキドキするのがわかった。あかりが小さい時、弟のトランと一緒に、母から寝物語に聞いた勇者さまのお話。弟のトランはこのお話が大好きで、いつも母にねだっていた。物語の中だけの話だと思っていた。あかりは出会っていたのだ。物語の主人公の一人に。
「そうだよ!僕たちは伝説の人に会ったんだ!」
「キャアッ!すごい事ねアスラン」
あかりとアスランは大喜びする。受付の女性は騒いでいる二人を大声で注意した。
あかりたちはトランド城へとおもむいた。あかりはずっと小さな村で暮らしていたので、高くそびえ立つトランド城を、口をあんぐり開けて見上げていた。アスランは、おのぼりなあかりをうながして城門の前に立った。門番には話が通っているようですんなり中に入れた。あかりたちは兵士に案内され、城内に入った。白馬のアポロンは馬舎であずかると言われたのでここでお別れだ。
城の一室に通され、ここで待つように言われる。その部屋はあかりが今まで見たこともないような綺麗な部屋だった。イスに座っているようにと言われたが、あかりもアスランも、自身の旅装束で綺麗なイスに座るのはためらわれ、ぼう然と立ち尽くしていた。ティグリスとグラキエースは翼をパタパタさせ、興味津々に室内を飛び回っていた。
しばらく待っていると、いげんのある男性が入って来た。
「待たせたな冒険者諸君。私は宰相のガロアだ」
アスランは恐縮な顔であいさつをする。あかりもそれに習う。宰相のガロアはおうようにうなずき、話し出す。
「諸君らを呼んだのは他でもない。我がトランド国でよくない事が起ころうとしている。その調査に行ってもらうのが王の依頼内容だ。実はもう依頼を受ける冒険者は決まっていたのだ。数多くいる冒険者の中から選んだ選りすぐりの冒険者パーティだ。だが、そこにゼノさまからの推薦状が舞い込んで、諸君らを待った次第だ。ついては最初に決まっている冒険者パーティと腕試しをしてもらいたい。どちらの冒険者パーティが王の依頼を遂行するに相応しいか見きわめなければいけないのだ」
あかりとアスランは不安げに顔を見合わせた。ガロアは、そんな二人にとんちゃくせず、城内に設けられた闘技場まで案内した。ガロアの説明によると、この闘技場は、武勇を好むトランド国王が剣士たちの闘いを見物するために作ったものだそうだ。トランド国内の剣士だけではなく、外国の武人を招いての演武交流会を持つ事もあるそうだ。
闘技場に行くと、先に三人の人物が待っていた。当初、王の任務に当たるはずだった冒険者パーティなのだろう。一人は中肉中背の男性で、どうやらこのパーティのリーダーのようだ。もう一人は大男の戦士、最後は美しい女性だった。女性の衣装からして、どうやらこの女性は
魔法使いのようだ。リーダーの男性は、アスランとあかりを一べつすると、フンッと鼻でせせら笑った。そしてアスランに対しておうへいな口調で言った。
「ゼノさまの紹介の冒険者だというので、どんな猛者が来るのかと思ったら子供じゃないか。おい、お前冒険者レベルはいくつだ」
アスランは素直に32と答えた。リーダーは大笑いした。一緒に大男と女魔法使いも大笑いした。リーダーは目に涙を浮かべながら言った。
「お話にならないレベルだな。俺は冒険者レベル183だ。これからお前たちを倒して王の依頼を正式に受け、俺たちは勇者の称号を手に入れる。ケガをしないよう気をつけろよ」
アスランは、それはどうもと、リーダーの男のいやみに真面目に答える。アスランとリーダーに渡されたのは真剣ではなく模擬刀だった。リーダーの男とアスランは、闘技場の真ん中で模擬刀を構える。宰相のガロアの開始の合図を皮切りに、リーダーの男は模擬刀を構えた姿勢を崩した。右手に風の刃を発生させ、アスランに投げつけた。強力な風魔法だ。あかりはキャッと悲鳴をあげた。風魔法で、アスランが無残に切り刻まれると思ったからだ。だがアスランは冷静に風防御魔法で、風の壁を作る。風攻撃魔法はアスランの防御魔法に弾かれた。リーダーの男はハッとして風魔法の壁を凝視する。だがそこにアスランはいなかった。
アスランはものすごい跳躍力で空中に飛び、一回転すると、リーダーの男の真後ろに着地した。リーダーの男が、アスランの気配に気づき、ふり向こうとした瞬間、アスランが模擬刀を振り下ろした。リーダーの男はうつ伏せに倒れると動かなくなった。どうやらアスランに模擬刀で叩かれたショックで気絶したようだ。ガロアが鋭い声で、勝負ありと言った。
倒されたリーダーを見た大男の戦士は、次は自分だとアスランに目配せした。アスランはうなずいて模擬刀を構える。戦士はものすごい速さでアスランに斬り込んで行った。アスランは涼しい顔で、その全てを模擬刀でそらす。怒った戦士は、顔を真っ赤にして最大の力で模擬刀をアスランに打ち込もうとして、大きく振りかぶった。大男の脇が空いた瞬間、アスランは大男の胴に素早い一撃を加えた。大男は、模擬刀を振りかぶったまま、仰向けに倒れ動かなくなった。宰相のガロアは大声で勝負あり、と宣言した。それを見ていた女魔法使いは異議をとなえた。
「お待ちください宰相さま!この男は何やらペテンを働いております!公平な戦いではありません。どうか私と、あの娘の対戦をお許しください」
そう言って、女魔法使いはあかりをにらんだ。宰相もあかりを見る。あかりは仕方なくうなずいた。女魔法使いはすかさずニヤリと笑う。女魔法使いとあかりは闘技場の真ん中に立った。ティグリスとグラキエースはあかりのとなりでパタパタ飛んでいる。女魔法使いがあざけるようにあかりに言った。
「お嬢ちゃん、一応聞いておくけど冒険者レベルはいくつなの?」
「はい、3です」
あかりの答えに女魔法使いの美しい顔はみるみるゆがみ、醜い笑い顔になって言った。
「きゃはははっ、お話にならないわね!所でお嬢ちゃんの職業は何なの?」
「テイマーの見習いです」
「へぇ、それでそこにいる子虎ちゃんとトカゲちゃんとで戦うんだ。殺しちゃったらごめんねぇ」
女魔法使いはニヤニヤいやらしい笑顔を浮かべながら言った。これを聞いていたティグリスとグラキエースが怒る。
『メリッサ!俺あいつ嫌い!ギッタギッタにしていい?』
『言うにことかいて、わしをトカゲ呼ばわりだと?!メリッサ、あやつを氷づけにしてよいか?』
あかりはため息をついてからティグリスとグラキエースの頭を優しく撫でた。
「だめよ二人とも、あの女の人をケガさせないで倒して?お願い」
あかりが子虎の霊獣とドラゴンにお願いしている間に、女魔法使いの攻撃は開始された。
「虎とトカゲの丸焼きになりな!」
女魔法使いの手から強力な炎が出現して、あかりたちに襲いかかった。ティグリスがあかりの前に出て言う。
『あんなちっちゃな炎でこの俺を倒そうなんてちゃんちゃらおかしいぜ!本物の炎魔法を見せてやるよ!』
ティグリスは、女魔法使いよりもはるかに巨大な炎魔法を出現させ、女魔法使いに当てた。女魔法使いの放った炎魔法は、ティグリスの巨大な炎魔法に飲み込まれ、真っすぐ女魔法使いに向かって来た。女魔法使いはたまらず氷防御魔法で氷の壁を作った。強力な炎魔法を受け止めた氷の壁はギシギシして、今にもヒビ割れてしまいそうだ。女魔法使いは冷や汗をかきながら耐えた。何とか強大な炎魔法を耐え抜いたと思った瞬間、女魔法使いの作った氷の壁は、沢山の氷の刃に突き刺され、壊れてしまった。グラキエースの氷魔法だ。グラキエースは声高らかに宣言する。
『わしの氷の刃を、うす氷のような壁で防ごうなどと笑止千万!本当の氷魔法を見せてやろう』
グラキエースは沢山の氷の刃を発生させ、女魔法使いに放った。女魔法使いはなすすべもなく、雨のように打ちつける氷の刃を浴びた。あかりはキャッと言って目をつぶった。女魔法使いが傷つくかと思ったからだ。きつく目をつむっているあかりの肩をグラキエースがちょんちょんとつつく。あかりがおそるおそる目を開けると、女魔法使いが倒れていた。
あかりは慌てて彼女に近寄る。女魔法使いは恐怖のあまり気絶をしてしまったようだが、所々服が破けている程度で、目に見えるケガは見当たらなかった。あかりはパタパタと側に飛んできたティグリスとグラキエースを抱きしめて、ありがとうと言った。宰相のガロアが大声で言った。
「勝負あり!」
あかりとアスランは冒険者パーティに勝利したのだ。
「アスラン!貴方に直接の依頼が来ているわよ」
アスランは身に覚えがないのかキョトンとしている。冒険者協会に来る依頼は、腕のいい冒険者のうわさがあると、その冒険者に直接依頼をする場合があるのだ。アスランはちまちました依頼しかこなしていないので、そんな直接依頼をする相手が思い浮かばなかったのだろう。受付の女性は意味ありげにニヤニヤして、アスランにもったいつけて言った。
「聞いて驚きなさい!何とお城からの依頼よ!」
「ええっ!!」
アスランはすっとんきょうな声をあげた。寝耳に水だったのだろう。アスランがいぶかしげに受付の女性に詳細をたずねる。
「お城の依頼はある方の推薦なのよ。その方はね、なんと伝説の勇者パーティの一人、ゼノ・トゥルーマンさまよ!」
「ゼノ、ゼノ・トゥルーマン?まさか、ゼノ殿は伝説の召喚士、ゼノ・トゥルーマンさまだったのか?!」
アスランが慌てて叫び出した。あかりは驚いて聞いた。
「何を驚いているの?アスラン。ゼノおじいちゃんがどうしたの?」
「メリッサ!ゼノ殿は、このトランド国を支配しようとした魔王を倒した勇者パーティの一人だったんだよ!」
「えっ、小さい頃お母さんが話してくれた勇者さまたちのお話の?」
あかりは胸がドキドキするのがわかった。あかりが小さい時、弟のトランと一緒に、母から寝物語に聞いた勇者さまのお話。弟のトランはこのお話が大好きで、いつも母にねだっていた。物語の中だけの話だと思っていた。あかりは出会っていたのだ。物語の主人公の一人に。
「そうだよ!僕たちは伝説の人に会ったんだ!」
「キャアッ!すごい事ねアスラン」
あかりとアスランは大喜びする。受付の女性は騒いでいる二人を大声で注意した。
あかりたちはトランド城へとおもむいた。あかりはずっと小さな村で暮らしていたので、高くそびえ立つトランド城を、口をあんぐり開けて見上げていた。アスランは、おのぼりなあかりをうながして城門の前に立った。門番には話が通っているようですんなり中に入れた。あかりたちは兵士に案内され、城内に入った。白馬のアポロンは馬舎であずかると言われたのでここでお別れだ。
城の一室に通され、ここで待つように言われる。その部屋はあかりが今まで見たこともないような綺麗な部屋だった。イスに座っているようにと言われたが、あかりもアスランも、自身の旅装束で綺麗なイスに座るのはためらわれ、ぼう然と立ち尽くしていた。ティグリスとグラキエースは翼をパタパタさせ、興味津々に室内を飛び回っていた。
しばらく待っていると、いげんのある男性が入って来た。
「待たせたな冒険者諸君。私は宰相のガロアだ」
アスランは恐縮な顔であいさつをする。あかりもそれに習う。宰相のガロアはおうようにうなずき、話し出す。
「諸君らを呼んだのは他でもない。我がトランド国でよくない事が起ころうとしている。その調査に行ってもらうのが王の依頼内容だ。実はもう依頼を受ける冒険者は決まっていたのだ。数多くいる冒険者の中から選んだ選りすぐりの冒険者パーティだ。だが、そこにゼノさまからの推薦状が舞い込んで、諸君らを待った次第だ。ついては最初に決まっている冒険者パーティと腕試しをしてもらいたい。どちらの冒険者パーティが王の依頼を遂行するに相応しいか見きわめなければいけないのだ」
あかりとアスランは不安げに顔を見合わせた。ガロアは、そんな二人にとんちゃくせず、城内に設けられた闘技場まで案内した。ガロアの説明によると、この闘技場は、武勇を好むトランド国王が剣士たちの闘いを見物するために作ったものだそうだ。トランド国内の剣士だけではなく、外国の武人を招いての演武交流会を持つ事もあるそうだ。
闘技場に行くと、先に三人の人物が待っていた。当初、王の任務に当たるはずだった冒険者パーティなのだろう。一人は中肉中背の男性で、どうやらこのパーティのリーダーのようだ。もう一人は大男の戦士、最後は美しい女性だった。女性の衣装からして、どうやらこの女性は
魔法使いのようだ。リーダーの男性は、アスランとあかりを一べつすると、フンッと鼻でせせら笑った。そしてアスランに対しておうへいな口調で言った。
「ゼノさまの紹介の冒険者だというので、どんな猛者が来るのかと思ったら子供じゃないか。おい、お前冒険者レベルはいくつだ」
アスランは素直に32と答えた。リーダーは大笑いした。一緒に大男と女魔法使いも大笑いした。リーダーは目に涙を浮かべながら言った。
「お話にならないレベルだな。俺は冒険者レベル183だ。これからお前たちを倒して王の依頼を正式に受け、俺たちは勇者の称号を手に入れる。ケガをしないよう気をつけろよ」
アスランは、それはどうもと、リーダーの男のいやみに真面目に答える。アスランとリーダーに渡されたのは真剣ではなく模擬刀だった。リーダーの男とアスランは、闘技場の真ん中で模擬刀を構える。宰相のガロアの開始の合図を皮切りに、リーダーの男は模擬刀を構えた姿勢を崩した。右手に風の刃を発生させ、アスランに投げつけた。強力な風魔法だ。あかりはキャッと悲鳴をあげた。風魔法で、アスランが無残に切り刻まれると思ったからだ。だがアスランは冷静に風防御魔法で、風の壁を作る。風攻撃魔法はアスランの防御魔法に弾かれた。リーダーの男はハッとして風魔法の壁を凝視する。だがそこにアスランはいなかった。
アスランはものすごい跳躍力で空中に飛び、一回転すると、リーダーの男の真後ろに着地した。リーダーの男が、アスランの気配に気づき、ふり向こうとした瞬間、アスランが模擬刀を振り下ろした。リーダーの男はうつ伏せに倒れると動かなくなった。どうやらアスランに模擬刀で叩かれたショックで気絶したようだ。ガロアが鋭い声で、勝負ありと言った。
倒されたリーダーを見た大男の戦士は、次は自分だとアスランに目配せした。アスランはうなずいて模擬刀を構える。戦士はものすごい速さでアスランに斬り込んで行った。アスランは涼しい顔で、その全てを模擬刀でそらす。怒った戦士は、顔を真っ赤にして最大の力で模擬刀をアスランに打ち込もうとして、大きく振りかぶった。大男の脇が空いた瞬間、アスランは大男の胴に素早い一撃を加えた。大男は、模擬刀を振りかぶったまま、仰向けに倒れ動かなくなった。宰相のガロアは大声で勝負あり、と宣言した。それを見ていた女魔法使いは異議をとなえた。
「お待ちください宰相さま!この男は何やらペテンを働いております!公平な戦いではありません。どうか私と、あの娘の対戦をお許しください」
そう言って、女魔法使いはあかりをにらんだ。宰相もあかりを見る。あかりは仕方なくうなずいた。女魔法使いはすかさずニヤリと笑う。女魔法使いとあかりは闘技場の真ん中に立った。ティグリスとグラキエースはあかりのとなりでパタパタ飛んでいる。女魔法使いがあざけるようにあかりに言った。
「お嬢ちゃん、一応聞いておくけど冒険者レベルはいくつなの?」
「はい、3です」
あかりの答えに女魔法使いの美しい顔はみるみるゆがみ、醜い笑い顔になって言った。
「きゃはははっ、お話にならないわね!所でお嬢ちゃんの職業は何なの?」
「テイマーの見習いです」
「へぇ、それでそこにいる子虎ちゃんとトカゲちゃんとで戦うんだ。殺しちゃったらごめんねぇ」
女魔法使いはニヤニヤいやらしい笑顔を浮かべながら言った。これを聞いていたティグリスとグラキエースが怒る。
『メリッサ!俺あいつ嫌い!ギッタギッタにしていい?』
『言うにことかいて、わしをトカゲ呼ばわりだと?!メリッサ、あやつを氷づけにしてよいか?』
あかりはため息をついてからティグリスとグラキエースの頭を優しく撫でた。
「だめよ二人とも、あの女の人をケガさせないで倒して?お願い」
あかりが子虎の霊獣とドラゴンにお願いしている間に、女魔法使いの攻撃は開始された。
「虎とトカゲの丸焼きになりな!」
女魔法使いの手から強力な炎が出現して、あかりたちに襲いかかった。ティグリスがあかりの前に出て言う。
『あんなちっちゃな炎でこの俺を倒そうなんてちゃんちゃらおかしいぜ!本物の炎魔法を見せてやるよ!』
ティグリスは、女魔法使いよりもはるかに巨大な炎魔法を出現させ、女魔法使いに当てた。女魔法使いの放った炎魔法は、ティグリスの巨大な炎魔法に飲み込まれ、真っすぐ女魔法使いに向かって来た。女魔法使いはたまらず氷防御魔法で氷の壁を作った。強力な炎魔法を受け止めた氷の壁はギシギシして、今にもヒビ割れてしまいそうだ。女魔法使いは冷や汗をかきながら耐えた。何とか強大な炎魔法を耐え抜いたと思った瞬間、女魔法使いの作った氷の壁は、沢山の氷の刃に突き刺され、壊れてしまった。グラキエースの氷魔法だ。グラキエースは声高らかに宣言する。
『わしの氷の刃を、うす氷のような壁で防ごうなどと笑止千万!本当の氷魔法を見せてやろう』
グラキエースは沢山の氷の刃を発生させ、女魔法使いに放った。女魔法使いはなすすべもなく、雨のように打ちつける氷の刃を浴びた。あかりはキャッと言って目をつぶった。女魔法使いが傷つくかと思ったからだ。きつく目をつむっているあかりの肩をグラキエースがちょんちょんとつつく。あかりがおそるおそる目を開けると、女魔法使いが倒れていた。
あかりは慌てて彼女に近寄る。女魔法使いは恐怖のあまり気絶をしてしまったようだが、所々服が破けている程度で、目に見えるケガは見当たらなかった。あかりはパタパタと側に飛んできたティグリスとグラキエースを抱きしめて、ありがとうと言った。宰相のガロアが大声で言った。
「勝負あり!」
あかりとアスランは冒険者パーティに勝利したのだ。
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