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決別
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あかりが目を開けると、そこは穏やかな森の中だった。グリフの契約霊獣ノックスが、あかりたちを安全な場所に移動させてくれたのだ。あかりはノックスにお礼を言わなければと、ノックスの方に振り向いた。ノックスは大声で言った。
『ルプス!久しぶりだな』
ノックスはルプスの側に駆け寄った。ルプスは心なしか顔をしかめているようだ。ルプスは観念したようにノックスに言った。
『ノックス、何でここにいるのだ?』
あかりはそこでハッと気づいた。ノックスの、いなくなってしまった養い子とはルプスの事だったのだ。ノックスはしきりにルプスに話しかけるが、ルプスは迷惑そうだ。そこにグリフが割り込んで来た。グリフはルプスに言った。
「よぉ、お前さんがノックスの養い子なのか。ノックスが言ってたぜ、頭デッカチで融通のきかない奴だって!」
グリフの言葉にルプスがギロリとノックスをにらむ。ノックスはルプスから慌てて視線を外す。グリフはそんなよく似た狼親子に微笑んで話しかけた。
「なぁルプス。確かにノックスは四六時中ダラダラしながら暮らしているダメ親父だ。だがな、俺はノックスと契約して、ノックスが慈悲深い心を持った優しい霊獣だと知った。ルプス、お前さんはよぉく知ってるだろ?霊獣は気の遠くなるような時間を生きる事ができる。だが俺たち人間はそうはいかない。またなと言って一生会えなくてなる親子だっているんだ。だからな、うっとうしいと思うがノックスのメッセージくらい返してやってくれないか?そうすればこのダメ親父もショボくれないで済むからさ」
『・・・、善処しよう』
ルプスがうめくように答えた。ノックスが目に見えて喜んでいるようだ。ノックスのシッポがパタパタゆれている。ルプスは間が持たなかったのか、あかりに向き直って話し出した。
『メリッサ、私は先ほどまでノーマとゼノと共にいたのだ。ゼノたちは魔物と戦っていた。その魔物の事をゼノたちは魔王バモンと呼んでいた。そしてメリッサたちが戦っていた魔物とソックリだったのだ』
あかりは驚いてルプスに聞いた。
「えっ!さっきの魔物とソックリだったの?!」
『ああ、瓜二つと言っていい』
あかりの側にいたグリフはあごに手を当てて考える仕草をした。あかりは目の端でそんなグリフを見ていた。グラキエースはため息をついて言った。
『フローラの奴はいつも自分をほったらかして相手の事ばかり心配している。本当に困ったばあさんじゃ』
あかりはしょげているグラキエースを抱きしめて答えた。
「うん、フローラはとっても強くて優しいドラゴンだわ。でもはっきりした事があるわ、フードの男の小箱を取り戻せばフローラは解放されるんだわ」
あかりの言葉に仲間がうなずいた。だが一人だけ異を唱える者がいた。その人物はグリフだった。グリフはあかりたちに言った。
「その事なんだけどさ。俺とノックスは抜けさせてもらうわ。はっきり言ってあの魔物は強すぎる、俺は死にたくないんでね」
アスランは怒りの表情を浮かべてグリフの胸ぐらをつかんで言った。
「本気なのかグリフ」
グリフはニヤニヤと笑ってから、アスランの腕を振り払って言った。
「俺は自分の意思でお前らの仲間になった。だから自分の意思で出ていく。テメェにとやかく言われる筋合いはねぇだろ」
なおもつかみかかろうとするアスランを無視して、グリフはあかりに向き直った。
「メリッサ、無茶をするんじゃないぞ?いいな」
グリフはそれだけ言うと、ノックスに乗って飛び立ってしまった。アスランは悔しそうに言った。
「本当の仲間だと思っていたのに、グリフの奴」
あかりは何故グリフが急に出て行くと言ったのか納得がいかなかった。あかりの腕の中のグラキエースがおずおずと言った。
『のぉメリッサ。わしは長く生きているからのぉ、人間の側にいくと心の奥の声が自然と聴こえてしまうのじゃ。グリフはいつも死んでしまいたい、と心の中で叫んでいるのじゃ。だからグリフがここを抜ける理由に、死にたくないからと言った事が腑に落ちなくてのぉ』
あかりはグラキエースに小さくうなずいた。グリフはあかりの事を自らの命の危険もかえりみず助けてくれた。そしてグリフは、あかりが危険な目に合うたびに、アスランと一緒にいると危ないから自分と行こうといつも言っていたのだ。そのグリフがあかりを連れて行こうとしなかった。それはグリフがここよりも、もっと危険な場所に行くからではないのか。あかりはグリフの事が心配でならなかった。
『ルプス!久しぶりだな』
ノックスはルプスの側に駆け寄った。ルプスは心なしか顔をしかめているようだ。ルプスは観念したようにノックスに言った。
『ノックス、何でここにいるのだ?』
あかりはそこでハッと気づいた。ノックスの、いなくなってしまった養い子とはルプスの事だったのだ。ノックスはしきりにルプスに話しかけるが、ルプスは迷惑そうだ。そこにグリフが割り込んで来た。グリフはルプスに言った。
「よぉ、お前さんがノックスの養い子なのか。ノックスが言ってたぜ、頭デッカチで融通のきかない奴だって!」
グリフの言葉にルプスがギロリとノックスをにらむ。ノックスはルプスから慌てて視線を外す。グリフはそんなよく似た狼親子に微笑んで話しかけた。
「なぁルプス。確かにノックスは四六時中ダラダラしながら暮らしているダメ親父だ。だがな、俺はノックスと契約して、ノックスが慈悲深い心を持った優しい霊獣だと知った。ルプス、お前さんはよぉく知ってるだろ?霊獣は気の遠くなるような時間を生きる事ができる。だが俺たち人間はそうはいかない。またなと言って一生会えなくてなる親子だっているんだ。だからな、うっとうしいと思うがノックスのメッセージくらい返してやってくれないか?そうすればこのダメ親父もショボくれないで済むからさ」
『・・・、善処しよう』
ルプスがうめくように答えた。ノックスが目に見えて喜んでいるようだ。ノックスのシッポがパタパタゆれている。ルプスは間が持たなかったのか、あかりに向き直って話し出した。
『メリッサ、私は先ほどまでノーマとゼノと共にいたのだ。ゼノたちは魔物と戦っていた。その魔物の事をゼノたちは魔王バモンと呼んでいた。そしてメリッサたちが戦っていた魔物とソックリだったのだ』
あかりは驚いてルプスに聞いた。
「えっ!さっきの魔物とソックリだったの?!」
『ああ、瓜二つと言っていい』
あかりの側にいたグリフはあごに手を当てて考える仕草をした。あかりは目の端でそんなグリフを見ていた。グラキエースはため息をついて言った。
『フローラの奴はいつも自分をほったらかして相手の事ばかり心配している。本当に困ったばあさんじゃ』
あかりはしょげているグラキエースを抱きしめて答えた。
「うん、フローラはとっても強くて優しいドラゴンだわ。でもはっきりした事があるわ、フードの男の小箱を取り戻せばフローラは解放されるんだわ」
あかりの言葉に仲間がうなずいた。だが一人だけ異を唱える者がいた。その人物はグリフだった。グリフはあかりたちに言った。
「その事なんだけどさ。俺とノックスは抜けさせてもらうわ。はっきり言ってあの魔物は強すぎる、俺は死にたくないんでね」
アスランは怒りの表情を浮かべてグリフの胸ぐらをつかんで言った。
「本気なのかグリフ」
グリフはニヤニヤと笑ってから、アスランの腕を振り払って言った。
「俺は自分の意思でお前らの仲間になった。だから自分の意思で出ていく。テメェにとやかく言われる筋合いはねぇだろ」
なおもつかみかかろうとするアスランを無視して、グリフはあかりに向き直った。
「メリッサ、無茶をするんじゃないぞ?いいな」
グリフはそれだけ言うと、ノックスに乗って飛び立ってしまった。アスランは悔しそうに言った。
「本当の仲間だと思っていたのに、グリフの奴」
あかりは何故グリフが急に出て行くと言ったのか納得がいかなかった。あかりの腕の中のグラキエースがおずおずと言った。
『のぉメリッサ。わしは長く生きているからのぉ、人間の側にいくと心の奥の声が自然と聴こえてしまうのじゃ。グリフはいつも死んでしまいたい、と心の中で叫んでいるのじゃ。だからグリフがここを抜ける理由に、死にたくないからと言った事が腑に落ちなくてのぉ』
あかりはグラキエースに小さくうなずいた。グリフはあかりの事を自らの命の危険もかえりみず助けてくれた。そしてグリフは、あかりが危険な目に合うたびに、アスランと一緒にいると危ないから自分と行こうといつも言っていたのだ。そのグリフがあかりを連れて行こうとしなかった。それはグリフがここよりも、もっと危険な場所に行くからではないのか。あかりはグリフの事が心配でならなかった。
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