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アルスの特訓
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「だいぶ思い悩んでいるようじゃな。レオン」
「アル。どうしたの?おしっこ?」
「おしっこじゃないわい!レオンが思いつめた顔していたから、様子を見に来たのじゃ!」
アルスはレオンの事を心配して見に来てくれたのだ。その事が嬉しくて、レオンは笑顔になって答えた。
「ありがとう、アル。でも小さい子がこんな時間に起きていちゃだめだ。ベッドに戻ろう?」
「おい、レオン!最近オレ様をちびっこ扱いしすぎではないか?オレ様は神だぞ?!レオン。オレ様が魔法の指導をしてやる。何か果物を出せ。そうじゃ、いちごがよいぞ?」
「もう、歯みがきしたのに今から食べるの?」
アルスは言い出したらきかなき性格なので、レオンは素直に従った。植物魔法でいちごを育てると、艶やかで赤い果物を、アルスの小さな手に握らせてやる。アルスは嬉しそうにほおばると、美味じゃと喜んだ。
アルスの身体が輝き出し、本来の神の姿に戻った。アルスは腰の剣を抜いて言った。
「レオンはこれから冒険者になる。複数の敵を同時に相手する事もあるだろう。そのためにはたくさんのツタを操れなければな!」
アルスはそう言って、レオンに間合いをつめ、真剣を振り下ろした。レオンは慌ててその一刀をよけて距離を取った。
アルスは戦の神だ。おそらくものすごくレオンに手加減をしてくれているのだろう。だが長身の男が真剣を振り回しながら近づいてこられれば恐ろしい。
レオンは植物ツタ魔法を自分の身体に巻き付けて、アルスとの距離を取った。それを見たアルスは嬉しそうに言った。
「ほう?中々器用にツタを操るではないか。じゃが、オレ様にとってはまるでカタツムリのようにのんびりな速度じゃ」
次の瞬間、レオンの目の前に剣を振りかぶったアルスが現れた。アルスはものすごい速さで、レオンとの間合いをつめたのだ。
レオンは驚いて魔法を発動させた。レオンの足元から何本もの植物のツタが生え、目の前のアルスの身体に巻きついた。アルスは笑いながら言った。
「ほれ、もっとツタでオレ様の身体を締めつけんか!これではすぐに逃げられてしまうぞ?」
アルスは右腕に巻きついたツタをものともせず、剣で巻きついたツタを斬っていく。レオンはなおもツタを作り出し、アルスに巻きつけた。だが締めつけを強める事がどうしてもできなかった。
もしツタの締めつけを強くして、アルスが苦しくなってしまったらどうしようと考えて、力を強められないのだ。アルスは苦笑しながら言った。
「やれやれ。レオンの魔法が上達せんのは、相手を傷つけるのが怖いという恐怖感があるからなのじゃな。どれ、」
アルスはそう言うと、右手に持った剣を軽く回した。すると、剣の刃の部分が炎に包まれたのだ。レオンがあ然としていると、アルスはニンマリと笑って言った。
「レオン。本気でオレ様を倒せ。でないと焼け死ぬぞ?」
この時レオンの背中はゾクリと寒くなった。これはアルスの殺気なのだ。アルスは本気でレオンに攻撃しようとしているのだ。
「わぁぁ!」
レオンは恐怖のあまり、自分の中にある最大の魔力を発動させた。レオンの足元から、大量のツタが伸び出し、アルスに巻きついた。そして、最大の出力でアルスを締め上げた。
グシャッ、と嫌な音がした。まるで何か潰れるような音。レオンは恐怖のあまりアルスを締め潰してしまったのだ。
レオンは声にならない悲鳴をあげて、その場に倒れた。
「アル。どうしたの?おしっこ?」
「おしっこじゃないわい!レオンが思いつめた顔していたから、様子を見に来たのじゃ!」
アルスはレオンの事を心配して見に来てくれたのだ。その事が嬉しくて、レオンは笑顔になって答えた。
「ありがとう、アル。でも小さい子がこんな時間に起きていちゃだめだ。ベッドに戻ろう?」
「おい、レオン!最近オレ様をちびっこ扱いしすぎではないか?オレ様は神だぞ?!レオン。オレ様が魔法の指導をしてやる。何か果物を出せ。そうじゃ、いちごがよいぞ?」
「もう、歯みがきしたのに今から食べるの?」
アルスは言い出したらきかなき性格なので、レオンは素直に従った。植物魔法でいちごを育てると、艶やかで赤い果物を、アルスの小さな手に握らせてやる。アルスは嬉しそうにほおばると、美味じゃと喜んだ。
アルスの身体が輝き出し、本来の神の姿に戻った。アルスは腰の剣を抜いて言った。
「レオンはこれから冒険者になる。複数の敵を同時に相手する事もあるだろう。そのためにはたくさんのツタを操れなければな!」
アルスはそう言って、レオンに間合いをつめ、真剣を振り下ろした。レオンは慌ててその一刀をよけて距離を取った。
アルスは戦の神だ。おそらくものすごくレオンに手加減をしてくれているのだろう。だが長身の男が真剣を振り回しながら近づいてこられれば恐ろしい。
レオンは植物ツタ魔法を自分の身体に巻き付けて、アルスとの距離を取った。それを見たアルスは嬉しそうに言った。
「ほう?中々器用にツタを操るではないか。じゃが、オレ様にとってはまるでカタツムリのようにのんびりな速度じゃ」
次の瞬間、レオンの目の前に剣を振りかぶったアルスが現れた。アルスはものすごい速さで、レオンとの間合いをつめたのだ。
レオンは驚いて魔法を発動させた。レオンの足元から何本もの植物のツタが生え、目の前のアルスの身体に巻きついた。アルスは笑いながら言った。
「ほれ、もっとツタでオレ様の身体を締めつけんか!これではすぐに逃げられてしまうぞ?」
アルスは右腕に巻きついたツタをものともせず、剣で巻きついたツタを斬っていく。レオンはなおもツタを作り出し、アルスに巻きつけた。だが締めつけを強める事がどうしてもできなかった。
もしツタの締めつけを強くして、アルスが苦しくなってしまったらどうしようと考えて、力を強められないのだ。アルスは苦笑しながら言った。
「やれやれ。レオンの魔法が上達せんのは、相手を傷つけるのが怖いという恐怖感があるからなのじゃな。どれ、」
アルスはそう言うと、右手に持った剣を軽く回した。すると、剣の刃の部分が炎に包まれたのだ。レオンがあ然としていると、アルスはニンマリと笑って言った。
「レオン。本気でオレ様を倒せ。でないと焼け死ぬぞ?」
この時レオンの背中はゾクリと寒くなった。これはアルスの殺気なのだ。アルスは本気でレオンに攻撃しようとしているのだ。
「わぁぁ!」
レオンは恐怖のあまり、自分の中にある最大の魔力を発動させた。レオンの足元から、大量のツタが伸び出し、アルスに巻きついた。そして、最大の出力でアルスを締め上げた。
グシャッ、と嫌な音がした。まるで何か潰れるような音。レオンは恐怖のあまりアルスを締め潰してしまったのだ。
レオンは声にならない悲鳴をあげて、その場に倒れた。
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