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新生ジャスティス
第10話 合成
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「ぎゃあ~っ!」
俺たちはいったい何を見せられてるんだ!?
あのシュークまでがガチでドン引きしている。
「ト……トゲトゲ……
あんた、いったいなにしてんのよ……」
リームや他の怪人はあまりの光景に言葉を失いその場で硬直している。
「ムシャムシャムシャ……
なにって……?」
こちらに一切目もくれず食事は続行されている。
「見ての通りですよ」
トゲトゲくんは平然と言ってのけた。
「いやいやいや……
だからそうじゃなくってさあ……」
トゲトゲくんは、我がジャスティスでリームと一、二を争う良識者……
のはずだった……
思い起こせば10分前……
「ねえライト。
あんた、怪人の補充は考えてないの?
ここらで二、三人ぐらい、いいんじゃない?」
そんなシュークの言葉が発端だった。
「そうだね。
シュークの言うことはもっともだ。
それじゃあ早速ガチャポンと洒落込もうジャマイカ!」
俺は卵を見渡し、どれを投入するか考える。
「また変なのが出てきたら嫌だしなあ……」
まずい。
ついつい本音が漏れてしまった……
「ちょっと待ちなさい、ライト!
今の言葉は聞き捨てならないわね!」
案の定、シュークが噛み付いてきた。
「い、いやあ……
別にシュークさんのこととは……」
俺はごまかそうとしたが、シュークにはバレバレだった。
「すぐ喧嘩腰にならないの!
そんなだから、お姉ちゃんは!
言われたくなかったらもう少しその態度を改めなさい!」
「グググ……」
ナイス!
さすがリームだ。
シュークもリームの正論には反撃できないみたいだな。
「くっくっくっ」
思わず笑いが漏れてしまう。
「なによ、ライト!
その笑い!
あんまり調子に乗ってると、前頭葉に毒針をぶっ刺すわよ!」
「ご、ごめんなさい……
さ、さあ……
何色の卵にしようかなあ……
ハハ……ハハハ……」
俺は冷や汗を拭いながら銀色の卵を手に取った。
「ㇳ、トゲトゲくんのときと同じ、この卵にしようかなあ……
なんてさ……」
俺はチラッとシュークを見た。
「なに見てんのよ。
早く置きなさいよ」
「は、はいっ」
シュークに睨まれ、俺は慌てて手に持つ銀色の卵を皿に置いた。
そして、力強く赤いレバーを引いた。
グイッ
ガシャンッ
ゴロゴロゴロ……
例によって、管を通り、銀の卵はブラックボックスに吸い込まれる。
ピコン ピコン ピコンッ!
やがて白いカプセルが、ガタガタと震えだした。
グオーン
ガシャガシャッ!
ネズミ色の煙が立ち込める白いカプセル。
ガラス扉がゆっくりと開かれると、なんとそこには……
「トゲトゲくん!」
思わず俺は叫んだ。
トゲトゲくんも双子だったのか。
まさかこいつもどっかのガラの悪い蜂みたいな性格してないだろうなあ……
今いるトゲトゲくんが礼儀正しいだけになんだか考えるのが怖い気もする。
俺はリームと目が合う。
ニコリと微笑むリームはまるで天使だ。
次に、その横にいるシュークと目が合った。
シュークは鋭い眼光をこちらに飛ばしてきた。
悪魔だ、悪魔がいる。
あいつの黒と黄色のコントラストは工事現場や踏切のバーと一緒だ!
潜在的に誰もが危険と認識できる色なんだ!
クワバラ、クワバラ……
俺はシュークから目をそらし、新しいほうのトゲトゲくんに視線を戻した。
新人くんは先輩の前まで行くと、礼儀正しくお辞儀をした。
「先輩、よろしくお願いいたします」
その光景を見た俺は、さっきまでの不安は消し飛んだ。
「なかなか良い子じゃないか」
良かった……
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間……
恐ろしい光景が、俺たちの目に飛び込んできた。
「いただきま~す」
ガブッ!
「……ぎゃーーーーーーっ!!」
目の前ではトゲトゲくんが、新人くんを……
ガブ バリッ ムシャ ムシャ……
「先輩……
ボク、美味しいですか?」
「何言ってんだよ、新人くん!」
トゲトゲくんはあっという間に新人くんを完食した。
「ご馳走さまでした」
ピギャーッ
その言葉と同時にトゲトゲくんは光りだす。
「な、なんだ!?」
光が収まり、トゲトゲくんを見ると、一回り体が大きくなっていた。
「ご、合成?
ほ、他に方法はなかったのかよ……」
俺はボソッと呟いた。
まわりもウンウンと頷いている。
銀色の卵はあと二つある。
嫌な予感しかしない……
結局、トゲトゲくんのたっての希望もあり、都合三回も恐ろしい食事風景を見せられることとなった。
「ちょっとライト!
この件はあとでお客様センターにクレームをちゃんと入れておきなさいよ!」
珍しく他の怪人たちも、シュークの意見に首を縦に振っていた。
「今日は疲れたよ。
続きはまた明日にしよう」
「な、なぜですか!?」
俺の言葉にトゲトゲくんだけが疑問を投げかける。
「いや、だから、その……
君の食事風景があまりの衝撃でさあ……」
「そ、そうだったのですね……
ハハハハ。
まあ、合成とはこういうものでしょ」
俺たちは全力で首を横に降った。
「そんなことできるのはキミだけだよ!」
「それほどでも~」
トゲトゲくんは、はにかみながら頭をポリポリとかいた。
「そこ照れるところじゃないから!
それに褒めてないからね!」
俺は声を張り叫んだ。
トゲトゲくんが良識者って認識をあらためないといけないよ!
「ほんとにもう……
解散、解散。
みんな今日は部屋に戻って!」
俺の言葉でようやく悪夢に終止符が打たれた。
解散間際、リームがシュークに向かってボソッと言った。
「お姉ちゃん、食べないでね」
「食うかぁ!」
俺たちはいったい何を見せられてるんだ!?
あのシュークまでがガチでドン引きしている。
「ト……トゲトゲ……
あんた、いったいなにしてんのよ……」
リームや他の怪人はあまりの光景に言葉を失いその場で硬直している。
「ムシャムシャムシャ……
なにって……?」
こちらに一切目もくれず食事は続行されている。
「見ての通りですよ」
トゲトゲくんは平然と言ってのけた。
「いやいやいや……
だからそうじゃなくってさあ……」
トゲトゲくんは、我がジャスティスでリームと一、二を争う良識者……
のはずだった……
思い起こせば10分前……
「ねえライト。
あんた、怪人の補充は考えてないの?
ここらで二、三人ぐらい、いいんじゃない?」
そんなシュークの言葉が発端だった。
「そうだね。
シュークの言うことはもっともだ。
それじゃあ早速ガチャポンと洒落込もうジャマイカ!」
俺は卵を見渡し、どれを投入するか考える。
「また変なのが出てきたら嫌だしなあ……」
まずい。
ついつい本音が漏れてしまった……
「ちょっと待ちなさい、ライト!
今の言葉は聞き捨てならないわね!」
案の定、シュークが噛み付いてきた。
「い、いやあ……
別にシュークさんのこととは……」
俺はごまかそうとしたが、シュークにはバレバレだった。
「すぐ喧嘩腰にならないの!
そんなだから、お姉ちゃんは!
言われたくなかったらもう少しその態度を改めなさい!」
「グググ……」
ナイス!
さすがリームだ。
シュークもリームの正論には反撃できないみたいだな。
「くっくっくっ」
思わず笑いが漏れてしまう。
「なによ、ライト!
その笑い!
あんまり調子に乗ってると、前頭葉に毒針をぶっ刺すわよ!」
「ご、ごめんなさい……
さ、さあ……
何色の卵にしようかなあ……
ハハ……ハハハ……」
俺は冷や汗を拭いながら銀色の卵を手に取った。
「ㇳ、トゲトゲくんのときと同じ、この卵にしようかなあ……
なんてさ……」
俺はチラッとシュークを見た。
「なに見てんのよ。
早く置きなさいよ」
「は、はいっ」
シュークに睨まれ、俺は慌てて手に持つ銀色の卵を皿に置いた。
そして、力強く赤いレバーを引いた。
グイッ
ガシャンッ
ゴロゴロゴロ……
例によって、管を通り、銀の卵はブラックボックスに吸い込まれる。
ピコン ピコン ピコンッ!
やがて白いカプセルが、ガタガタと震えだした。
グオーン
ガシャガシャッ!
ネズミ色の煙が立ち込める白いカプセル。
ガラス扉がゆっくりと開かれると、なんとそこには……
「トゲトゲくん!」
思わず俺は叫んだ。
トゲトゲくんも双子だったのか。
まさかこいつもどっかのガラの悪い蜂みたいな性格してないだろうなあ……
今いるトゲトゲくんが礼儀正しいだけになんだか考えるのが怖い気もする。
俺はリームと目が合う。
ニコリと微笑むリームはまるで天使だ。
次に、その横にいるシュークと目が合った。
シュークは鋭い眼光をこちらに飛ばしてきた。
悪魔だ、悪魔がいる。
あいつの黒と黄色のコントラストは工事現場や踏切のバーと一緒だ!
潜在的に誰もが危険と認識できる色なんだ!
クワバラ、クワバラ……
俺はシュークから目をそらし、新しいほうのトゲトゲくんに視線を戻した。
新人くんは先輩の前まで行くと、礼儀正しくお辞儀をした。
「先輩、よろしくお願いいたします」
その光景を見た俺は、さっきまでの不安は消し飛んだ。
「なかなか良い子じゃないか」
良かった……
ほっと胸を撫で下ろしたのも束の間……
恐ろしい光景が、俺たちの目に飛び込んできた。
「いただきま~す」
ガブッ!
「……ぎゃーーーーーーっ!!」
目の前ではトゲトゲくんが、新人くんを……
ガブ バリッ ムシャ ムシャ……
「先輩……
ボク、美味しいですか?」
「何言ってんだよ、新人くん!」
トゲトゲくんはあっという間に新人くんを完食した。
「ご馳走さまでした」
ピギャーッ
その言葉と同時にトゲトゲくんは光りだす。
「な、なんだ!?」
光が収まり、トゲトゲくんを見ると、一回り体が大きくなっていた。
「ご、合成?
ほ、他に方法はなかったのかよ……」
俺はボソッと呟いた。
まわりもウンウンと頷いている。
銀色の卵はあと二つある。
嫌な予感しかしない……
結局、トゲトゲくんのたっての希望もあり、都合三回も恐ろしい食事風景を見せられることとなった。
「ちょっとライト!
この件はあとでお客様センターにクレームをちゃんと入れておきなさいよ!」
珍しく他の怪人たちも、シュークの意見に首を縦に振っていた。
「今日は疲れたよ。
続きはまた明日にしよう」
「な、なぜですか!?」
俺の言葉にトゲトゲくんだけが疑問を投げかける。
「いや、だから、その……
君の食事風景があまりの衝撃でさあ……」
「そ、そうだったのですね……
ハハハハ。
まあ、合成とはこういうものでしょ」
俺たちは全力で首を横に降った。
「そんなことできるのはキミだけだよ!」
「それほどでも~」
トゲトゲくんは、はにかみながら頭をポリポリとかいた。
「そこ照れるところじゃないから!
それに褒めてないからね!」
俺は声を張り叫んだ。
トゲトゲくんが良識者って認識をあらためないといけないよ!
「ほんとにもう……
解散、解散。
みんな今日は部屋に戻って!」
俺の言葉でようやく悪夢に終止符が打たれた。
解散間際、リームがシュークに向かってボソッと言った。
「お姉ちゃん、食べないでね」
「食うかぁ!」
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