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14、5歳の誕生日
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時は流れて、俺が5歳の誕生日
我が家には相変わらず美しいママンと、まあ相変わらず超絶イケメン君のアラン
そしてすっかり我が家に馴染んでいるエルフの美女、我師ラフィーネ先生がいる。
最近先生の顔の位置が俺に近いのが気になる。
褒めるのにいちいちキスするのを見て、ママンも激おこになるときがあるぐらいだ。
「何故だい? エルディだってロイに頬にキスするじゃないか? あれと一緒さ」
澄ました顔でそう言うラフィーネ先生に、ママンは口を尖らせる。
「な……なんだかラフィーネのって、私がロイちゃんにする時とは違う感情がこもっている気がするのだけれど」
そう言って非難する様に先生を見つめるママンにラフィーネ先生は
「そ、そんな訳ないだろ、それに魔法使いの弟子は先生に絶対服従。教育方針には親といえど、一切口を挟まないのが掟のはずだよ?」
ママンはそう言われると黙ってしまう。
頑張って! もしかすると息子の貞操の危機かもしれませんよ。
大きなケーキのにママン特製のクリームがのって本当においしそうだ
誕生日にケーキと言うのはどの世界でも共通なのだろうか。
俺がママンを見つめると、ママンは女神様の様に微笑んでいる。
「おっと、その前に」
アランが席を立った
暫らくすると、その手に良く研ぎ澄まされた小さな剣を持って戻ってくる。
美しい細工の施されたそれはいかにも高かっただろうと想像できる。
「本当はもっと大人になってからと思ったんだが、ロイは特別だからな、もう木刀じゃあ練習にならないと思うし」
アランは剣を手にした鞘にしまうと俺に手渡した。
「おめでとうロイ俺からのプレゼントだ!」
俺は立ち上がってそれを受け取るとアランを見つめた。
超絶イケメンで性格もいい、まさにこいつは男の敵だな。
だがしかし、ここは素直にお礼を言っておこう
「お父さんありがとう!!」
その言葉にアランがフラフラと数歩後ろに下がってその後、ガシッっと俺の肩を掴んだ
どうしたもう酒でも飲んでるのか?
「い、今なんて言った? ロイ…」
俺は不思議そうに答える。
「どうしたのお父さん?」
目の前の超絶イケメン君が少し涙ぐんでいる。
「聞いたかエルディ……ロイの奴、俺をお父さんって。大きくなったんだなぁ」
親と言うのは本当に馬鹿が付くほど俺を愛してくれているんだな
ぱぱがお父さんになっただけでこのインパクトらしい。
ママンも少し涙ぐんで俺の頬にキスをした。
プレゼントは俺への愛で十分なんだが、ママンは少し微笑んだ後俺の首に青い宝石で出来たネックレスを付けてくれた。
「これはママがまだ冒険者だった頃、いつも身に着けていたお守りなの。きっとロイを守ってくれるわ」
俺はそう言って微笑むママンの美しさにあらためて見とれてしまう。
「ありがとうお母さん大事にするよ」
俺がそう言うとママンの涙腺がいつもの様に崩壊した。
「お母さんってロイ……本当に立派になって。でも時々はま~まって呼んでね、ママ少し寂しいわ」
ママンが望むならいつでもそう呼ぶよ。
「プレゼントか、じゃああたしの番だね」
そう言うと我師ラフィーネ先生は俺の顔を覗き込むように自分の顔を近づけるとユックリと唇を近づけてくる。
そ、そりゃあラフィーネ先生は美人だし俺は好きなんだが。
今は両親の目と言うものがある。
唇が唇に届くと思われた瞬間、俺の脳裏に閃光の様に輝く何かが弾け飛ぶ。
ラフィーネ先生の額の宝石が俺の額に触れている。
その時に俺は感じた。
直接俺の頭に注ぎ込まれてくる膨大な知識の塊を。
エルフの叡智。
「ラ、ラフィーネ! いいのそんなことをして!?」
ママンが驚いた様にラフィーネ先生を見つめる。
人間に、エルフが此処まですることなど無いのだろう。
ママンとアランの驚いた表情がそれを物語っている。
「いいのさ、この子は特別な子だよ。きっと凄いことをする為に生まれた子なんだ、あたしにはそれが分かる」
先生が俺の瞳を見つめている。
シリアスにしてると男なら誰でもこの人を好きになってしまうだろう。
「あたしが知っている知識なんてたかが知れてるよ。それに使いこなせるかはこの子次第だしね」
額からラフィーネ先生の宝石が離れると今度は唇が近づいてくる。
いつもの頬にではなく俺の唇に向かって。
先生のとても良い香りのする吐息が鼻先に漂う。
こ、これも誕生祝だよなきっと。
何だこの感じ……俺、先生のこと本気で好きになりそうなんだけど。
「ラフィーネ!!!」
唇が触れる前に、ママンが先生の顔を無理やり俺から引き離した。
「いまチャームをかけようとしたでしょ!!」
ママンの言葉にラフィーネ先生は顔を真っ赤にしてちょっと俯いた。
か、可愛いかもしてない。
もしかして、チャームが効いているのか
「い、いいじゃないか。この子ならあたしも……ほら結婚してもいいかなって」
ボソボソとそう言った先生に、ママンが爆発した
「駄目です!! 私のロイちゃんは、ずっと私のものなんだから! 誰とも結婚なんて許しません!!」
え……?
俺はこの時知った、先生だけではなくてママンも結構駄目な人なんだってことに。
我が家には相変わらず美しいママンと、まあ相変わらず超絶イケメン君のアラン
そしてすっかり我が家に馴染んでいるエルフの美女、我師ラフィーネ先生がいる。
最近先生の顔の位置が俺に近いのが気になる。
褒めるのにいちいちキスするのを見て、ママンも激おこになるときがあるぐらいだ。
「何故だい? エルディだってロイに頬にキスするじゃないか? あれと一緒さ」
澄ました顔でそう言うラフィーネ先生に、ママンは口を尖らせる。
「な……なんだかラフィーネのって、私がロイちゃんにする時とは違う感情がこもっている気がするのだけれど」
そう言って非難する様に先生を見つめるママンにラフィーネ先生は
「そ、そんな訳ないだろ、それに魔法使いの弟子は先生に絶対服従。教育方針には親といえど、一切口を挟まないのが掟のはずだよ?」
ママンはそう言われると黙ってしまう。
頑張って! もしかすると息子の貞操の危機かもしれませんよ。
大きなケーキのにママン特製のクリームがのって本当においしそうだ
誕生日にケーキと言うのはどの世界でも共通なのだろうか。
俺がママンを見つめると、ママンは女神様の様に微笑んでいる。
「おっと、その前に」
アランが席を立った
暫らくすると、その手に良く研ぎ澄まされた小さな剣を持って戻ってくる。
美しい細工の施されたそれはいかにも高かっただろうと想像できる。
「本当はもっと大人になってからと思ったんだが、ロイは特別だからな、もう木刀じゃあ練習にならないと思うし」
アランは剣を手にした鞘にしまうと俺に手渡した。
「おめでとうロイ俺からのプレゼントだ!」
俺は立ち上がってそれを受け取るとアランを見つめた。
超絶イケメンで性格もいい、まさにこいつは男の敵だな。
だがしかし、ここは素直にお礼を言っておこう
「お父さんありがとう!!」
その言葉にアランがフラフラと数歩後ろに下がってその後、ガシッっと俺の肩を掴んだ
どうしたもう酒でも飲んでるのか?
「い、今なんて言った? ロイ…」
俺は不思議そうに答える。
「どうしたのお父さん?」
目の前の超絶イケメン君が少し涙ぐんでいる。
「聞いたかエルディ……ロイの奴、俺をお父さんって。大きくなったんだなぁ」
親と言うのは本当に馬鹿が付くほど俺を愛してくれているんだな
ぱぱがお父さんになっただけでこのインパクトらしい。
ママンも少し涙ぐんで俺の頬にキスをした。
プレゼントは俺への愛で十分なんだが、ママンは少し微笑んだ後俺の首に青い宝石で出来たネックレスを付けてくれた。
「これはママがまだ冒険者だった頃、いつも身に着けていたお守りなの。きっとロイを守ってくれるわ」
俺はそう言って微笑むママンの美しさにあらためて見とれてしまう。
「ありがとうお母さん大事にするよ」
俺がそう言うとママンの涙腺がいつもの様に崩壊した。
「お母さんってロイ……本当に立派になって。でも時々はま~まって呼んでね、ママ少し寂しいわ」
ママンが望むならいつでもそう呼ぶよ。
「プレゼントか、じゃああたしの番だね」
そう言うと我師ラフィーネ先生は俺の顔を覗き込むように自分の顔を近づけるとユックリと唇を近づけてくる。
そ、そりゃあラフィーネ先生は美人だし俺は好きなんだが。
今は両親の目と言うものがある。
唇が唇に届くと思われた瞬間、俺の脳裏に閃光の様に輝く何かが弾け飛ぶ。
ラフィーネ先生の額の宝石が俺の額に触れている。
その時に俺は感じた。
直接俺の頭に注ぎ込まれてくる膨大な知識の塊を。
エルフの叡智。
「ラ、ラフィーネ! いいのそんなことをして!?」
ママンが驚いた様にラフィーネ先生を見つめる。
人間に、エルフが此処まですることなど無いのだろう。
ママンとアランの驚いた表情がそれを物語っている。
「いいのさ、この子は特別な子だよ。きっと凄いことをする為に生まれた子なんだ、あたしにはそれが分かる」
先生が俺の瞳を見つめている。
シリアスにしてると男なら誰でもこの人を好きになってしまうだろう。
「あたしが知っている知識なんてたかが知れてるよ。それに使いこなせるかはこの子次第だしね」
額からラフィーネ先生の宝石が離れると今度は唇が近づいてくる。
いつもの頬にではなく俺の唇に向かって。
先生のとても良い香りのする吐息が鼻先に漂う。
こ、これも誕生祝だよなきっと。
何だこの感じ……俺、先生のこと本気で好きになりそうなんだけど。
「ラフィーネ!!!」
唇が触れる前に、ママンが先生の顔を無理やり俺から引き離した。
「いまチャームをかけようとしたでしょ!!」
ママンの言葉にラフィーネ先生は顔を真っ赤にしてちょっと俯いた。
か、可愛いかもしてない。
もしかして、チャームが効いているのか
「い、いいじゃないか。この子ならあたしも……ほら結婚してもいいかなって」
ボソボソとそう言った先生に、ママンが爆発した
「駄目です!! 私のロイちゃんは、ずっと私のものなんだから! 誰とも結婚なんて許しません!!」
え……?
俺はこの時知った、先生だけではなくてママンも結構駄目な人なんだってことに。
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