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44、決着
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「うぉおおおお! ロイ流剣術奥義! 裂空十字斬!!」
朝練の時に名付けたホーリークロスアタック(仮)も悪くはないが、今はビビの力も借りて俺の剣は風の力を帯びている。
我ながら悪くない名前だ。
せっかくだから奥義ということにしておこう。
俺とビビのオリジナル技だからな。
奴の氷剣封殺陣と俺の炎槍殲滅陣が作り出した霧を、俺の剣から放たれた十字の風が切り裂き晴らしていく。
アンドニウスはその十字の衝撃波に向かって剣を振るった。
「この俺様が! 俺様が負ける訳がねえ! 負ける訳がねえんだ!!」
奴が振るった剣が俺が作り出した衝撃波と激突して、周囲に凄まじい激突音を響かせる。
だが、無駄だ。
奴はすっかり体勢を崩している。
その音が響き渡る中、アンドニウスの手から魔氷剣レオベウスが弾き飛ばされた。
主の手から離れ、氷帝の紋章の輝きも消えていく。
その剣は、大きく空を舞った。
「ロイ、てめえ!!」
こちらを見て、拳を構えるアンドニウス。
俺は、剣を鞘へとしまった。
その代わり右手の拳をしっかりと握りしめる。
そして、そのままアンドニウスの方へと突っ込んでいく。
俺は拳を握りながら叫んだ。
「痛えんだよアンドニウス! 殴られるってのは痛えんだ! 体だけじゃねえ! 心もな!!」
俺たちは凄まじい勢いで交差する。
その瞬間、奴の拳が俺の頬をかすめていくのが見えた。
そして、俺の拳はクロスカウンターのように奴の頬をとらえていた。
「喰らいやがれ! こいつはアーシェの痛みだ!!」
あの時、地面を転がったアーシェの痛みがどれほどのものだったのか俺にはよく分かる。
惨めだっただろう、悔しかっただろう。
俺だってそうだったから。
「ぐはぁあああ!!」
魔力で身体防御をしてはいるが、それでも奴は大きく吹き飛ばされ、その先で大の字になると気を失ったのかピクリとも動かなくなる。
そして、くるくると回転しながら宙を舞っていた魔氷剣レオベウスがその傍に突き刺さった。
「ひっ!」
「アンドニウス様!!」
それを見ていた奴の取り巻きは、腰を抜かしたようにぺたんと尻もちをついた。
校庭を眺めている見物人たちも静まり返っている。
静寂の中で一人の少女の声が響いた。
「ロイ! ロイぃいいい!!」
涙を浮かべてこちらに駆けてくるアーシェの姿。
ビビは俺に言う。
「どうやら、決着がついたようだねロイ」
「ええ、先生! 死ぬかと思いましたけどね」
こちらに駆けてきたアーシェが、俺にしっかと抱きついた。
同時に、静まり返っていた見物人たちからさざ波のように声が上がっていく。
「お、おい……まさか、あいつ本当に氷帝の息子に勝ったのか?」
「嘘だろ! お前たちも見ただろ? あの剣を。氷帝の紋章が入った剣だぞ!」
「それに見たか、あの炎の槍の群れを。なんて魔力だ!」
その声は次第に大きくなっていく。
「お、おい! あいつなんて名前だっけか」
「ロイ・リンドグルームよ! 今年の新入生最強の生徒。信じられないけど、今年の筆頭は彼に決まりだわ!!」
朝練の時に名付けたホーリークロスアタック(仮)も悪くはないが、今はビビの力も借りて俺の剣は風の力を帯びている。
我ながら悪くない名前だ。
せっかくだから奥義ということにしておこう。
俺とビビのオリジナル技だからな。
奴の氷剣封殺陣と俺の炎槍殲滅陣が作り出した霧を、俺の剣から放たれた十字の風が切り裂き晴らしていく。
アンドニウスはその十字の衝撃波に向かって剣を振るった。
「この俺様が! 俺様が負ける訳がねえ! 負ける訳がねえんだ!!」
奴が振るった剣が俺が作り出した衝撃波と激突して、周囲に凄まじい激突音を響かせる。
だが、無駄だ。
奴はすっかり体勢を崩している。
その音が響き渡る中、アンドニウスの手から魔氷剣レオベウスが弾き飛ばされた。
主の手から離れ、氷帝の紋章の輝きも消えていく。
その剣は、大きく空を舞った。
「ロイ、てめえ!!」
こちらを見て、拳を構えるアンドニウス。
俺は、剣を鞘へとしまった。
その代わり右手の拳をしっかりと握りしめる。
そして、そのままアンドニウスの方へと突っ込んでいく。
俺は拳を握りながら叫んだ。
「痛えんだよアンドニウス! 殴られるってのは痛えんだ! 体だけじゃねえ! 心もな!!」
俺たちは凄まじい勢いで交差する。
その瞬間、奴の拳が俺の頬をかすめていくのが見えた。
そして、俺の拳はクロスカウンターのように奴の頬をとらえていた。
「喰らいやがれ! こいつはアーシェの痛みだ!!」
あの時、地面を転がったアーシェの痛みがどれほどのものだったのか俺にはよく分かる。
惨めだっただろう、悔しかっただろう。
俺だってそうだったから。
「ぐはぁあああ!!」
魔力で身体防御をしてはいるが、それでも奴は大きく吹き飛ばされ、その先で大の字になると気を失ったのかピクリとも動かなくなる。
そして、くるくると回転しながら宙を舞っていた魔氷剣レオベウスがその傍に突き刺さった。
「ひっ!」
「アンドニウス様!!」
それを見ていた奴の取り巻きは、腰を抜かしたようにぺたんと尻もちをついた。
校庭を眺めている見物人たちも静まり返っている。
静寂の中で一人の少女の声が響いた。
「ロイ! ロイぃいいい!!」
涙を浮かべてこちらに駆けてくるアーシェの姿。
ビビは俺に言う。
「どうやら、決着がついたようだねロイ」
「ええ、先生! 死ぬかと思いましたけどね」
こちらに駆けてきたアーシェが、俺にしっかと抱きついた。
同時に、静まり返っていた見物人たちからさざ波のように声が上がっていく。
「お、おい……まさか、あいつ本当に氷帝の息子に勝ったのか?」
「嘘だろ! お前たちも見ただろ? あの剣を。氷帝の紋章が入った剣だぞ!」
「それに見たか、あの炎の槍の群れを。なんて魔力だ!」
その声は次第に大きくなっていく。
「お、おい! あいつなんて名前だっけか」
「ロイ・リンドグルームよ! 今年の新入生最強の生徒。信じられないけど、今年の筆頭は彼に決まりだわ!!」
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