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45、紅の輝き
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「新入生筆頭……氷帝の息子を差し置いてか?」
「でも、貴方たちも見たでしょう? 彼は間違いなく最強の新入生よ! 他にあんなことが出来る一年がいると思って?」
「た、確かに」
「ああ、ロイ・リンドグルーム。一体何者なんだあいつは」
さざ波のように広がる声の中、校庭に未だに突き刺さっている巨大な氷の剣が戦いの激しさを物語っている。
アーシェが俺に抱きついたまま、放してくれない。
よっぽど心配したんだろう。
目にいっぱいの涙を浮かべている。
「アーシェごめんな、心配かけて」
「うん……ロイが無事でよかった」
俺の事を心から心配してくれるアーシェは天使だ。
あいつから仕掛けてきたこととはいえ、アーシェには心配かけちまったな。
俺は俺に抱きついたままのアーシェの頭を優しく撫でる。
それにしても、ここまで激しい戦いになるなんてな。
ビビの力がなかったら決着はまだついていなかったかもしれない。
俺は、校庭に大の字になって気を失っているアンドニウスを眺める。
そして、その横にまるで墓標のように突き刺さっている魔氷剣レオベウスを見た。
「それにしても、あんなヤバイアイテムがあるなんてな。魔氷剣レオベウスか、氷帝の紋章が入ってるだけあってとんでもない力だったな」
もちろん、それだけに使う者を選ぶ剣だろう。
普通の人間が使ってもあの紋章が反応するとは思えないからな。
アンドニウスにはそれだけの力があったということだ。
しかし、正直、外見もその名前も中二病患者である俺の心をくすぐるアイテムである。
戦利品として頂きたいぐらいだ。
レオベウスを眺めながら、少しそわそわした様子の俺を肩の上で眺めながらビビが呆れたように言う。
「たく、何考えてるんだい。こんなに見物人がいる中で現行犯にも程があるよ」
「は……はは、ですよね。先生」
「まったく、あんたらしいね、ロイ。でも、ヤバさならあんたも大概だよ。炎槍殲滅陣、あれは即興だろ? 昔から魔力の強さと、術を具現化するイマジネーションの高さは尋常じゃないからね。初めての授業で、手本以上のフィラリーネを作り出した時は腰を抜かすかと思ったものさ」
まあ、三十になるまで部屋に引きこもって、その手のアニメを見まくっていたら創造力も豊かになるというものだ。
前世では全く役に立たない能力だけどな。
俺はビビに頭を下げる。
「すみませんその節は」
俺たちがそんな会話をしていると、新入生たちからも大歓声が上がっていく。
大の字になってるアンドニウスをどうにかするという問題はあるにしても、とりあえずこれで決着はついた。
俺がそう思ってふぅと長い息を吐いたその時──
ビビが俺に警告した。
「ロイ! 気をつけな! 何か来るよ!!」
俺も直ぐに気が付いて、思わず身構える。
何者かが凄まじいスピードでこちらに向かってくるのが見えた。
「ええ、先生!!」
その体は紅に輝き、手にした剣が校庭に突き刺さっている幾つもの巨大な氷の剣をぶった切って一直線にこちらに向かってきた。
「でも、貴方たちも見たでしょう? 彼は間違いなく最強の新入生よ! 他にあんなことが出来る一年がいると思って?」
「た、確かに」
「ああ、ロイ・リンドグルーム。一体何者なんだあいつは」
さざ波のように広がる声の中、校庭に未だに突き刺さっている巨大な氷の剣が戦いの激しさを物語っている。
アーシェが俺に抱きついたまま、放してくれない。
よっぽど心配したんだろう。
目にいっぱいの涙を浮かべている。
「アーシェごめんな、心配かけて」
「うん……ロイが無事でよかった」
俺の事を心から心配してくれるアーシェは天使だ。
あいつから仕掛けてきたこととはいえ、アーシェには心配かけちまったな。
俺は俺に抱きついたままのアーシェの頭を優しく撫でる。
それにしても、ここまで激しい戦いになるなんてな。
ビビの力がなかったら決着はまだついていなかったかもしれない。
俺は、校庭に大の字になって気を失っているアンドニウスを眺める。
そして、その横にまるで墓標のように突き刺さっている魔氷剣レオベウスを見た。
「それにしても、あんなヤバイアイテムがあるなんてな。魔氷剣レオベウスか、氷帝の紋章が入ってるだけあってとんでもない力だったな」
もちろん、それだけに使う者を選ぶ剣だろう。
普通の人間が使ってもあの紋章が反応するとは思えないからな。
アンドニウスにはそれだけの力があったということだ。
しかし、正直、外見もその名前も中二病患者である俺の心をくすぐるアイテムである。
戦利品として頂きたいぐらいだ。
レオベウスを眺めながら、少しそわそわした様子の俺を肩の上で眺めながらビビが呆れたように言う。
「たく、何考えてるんだい。こんなに見物人がいる中で現行犯にも程があるよ」
「は……はは、ですよね。先生」
「まったく、あんたらしいね、ロイ。でも、ヤバさならあんたも大概だよ。炎槍殲滅陣、あれは即興だろ? 昔から魔力の強さと、術を具現化するイマジネーションの高さは尋常じゃないからね。初めての授業で、手本以上のフィラリーネを作り出した時は腰を抜かすかと思ったものさ」
まあ、三十になるまで部屋に引きこもって、その手のアニメを見まくっていたら創造力も豊かになるというものだ。
前世では全く役に立たない能力だけどな。
俺はビビに頭を下げる。
「すみませんその節は」
俺たちがそんな会話をしていると、新入生たちからも大歓声が上がっていく。
大の字になってるアンドニウスをどうにかするという問題はあるにしても、とりあえずこれで決着はついた。
俺がそう思ってふぅと長い息を吐いたその時──
ビビが俺に警告した。
「ロイ! 気をつけな! 何か来るよ!!」
俺も直ぐに気が付いて、思わず身構える。
何者かが凄まじいスピードでこちらに向かってくるのが見えた。
「ええ、先生!!」
その体は紅に輝き、手にした剣が校庭に突き刺さっている幾つもの巨大な氷の剣をぶった切って一直線にこちらに向かってきた。
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