成長チートになったので、生産職も極めます!

雪華慧太

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335、真実への大門

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「かなり、広い通路ね。こんな迷宮の深層に何のためにこんなものがあるのかしら?」

 アンジェのその問いにエイジは頷くと。

「ああ、不思議だよな。まるで何かを運搬するための通路みたいだ」

 エイジはそう言うと周囲を見渡す。

(迷宮の中というよりも、巨大な工場か研究施設の内部のようにさえ思える)

 エリスが後衛からエイジに話しかけた。

「ねえ、エイジ……この光景ってどこかで見たと思わない?」

 エリスの言葉にエイジは頷く。

「ああ、やっぱりエリスもそう思うか?」

 リアナが二人に尋ねる。

「ねえエイジ、エリス。どこかで見たってどういうことなの?」

 エイジは辺りを見渡しながら答える。

「……似てるんだ。メグと一緒に記憶の大樹で見た映像、そこに出てきた研究施設の雰囲気に」

 ウォータードルフィンの長であるメグ。
 彼女と共に見た白王の姿。
 精霊の王が閉じ込められていた研究施設の雰囲気を、エイジは思い出していた。
 通路の壁に設置されているパイプ、そしてレバーのような物。
 それは苔むしているが、どこかあの映像を思い起こさせる。

「同じ場所ではないけれど、とても良く似てるわ」

「ああ、もしかしたらあれは迷宮の中にある場所なんだろうか?」

 一行は思わず立ち止まって辺りを見回した。
 いたるところに走るパイプや不思議な構造物。
 確かに、それは今までの階層とは一線を画すように思えた。
 ラエサルは、エイジの言葉を興味深そうに聞いている。

「確かに、ここから先はこんな光景が続く」

 アンジェはラエサルに尋ねた。

「ねえ、ラエサルはここが昔どんなことに使われていた場所か知っているの?」

「さあな、太古の遺跡なんだろうが俺は研究者ではないからな。だが伝承によると、迷宮の深層にはかつて魔法科学を極めた者達の英知が眠るといわれている」

 エイジは思わずラエサルを見つめた。

「魔法科学を極めた者達の英知……」

「ああ、そうだ。そこには『真実への大門』と呼ばれるゲートがあると言われているが、見た者はいない」

 リアナは好奇心を刺激されたのか、ラエサルに尋ねた。

「『真実への大門』……ラエサルさん! その先には何があるのかしら?」

「それは分からんな。実際にあるのかさえも不明なゲートだ。そこをくぐった者がいるのかさえも分からん」

 エイジはファルティーシアに尋ねてみるが、彼女は首を横に振った。

『さあ、私は聞いたことがありませんね。人間達に英知を与えた精霊王やその仲間たちであれば、なにか知っていたかもしれませんが』

『そうですか……』

 単なる噂話なのか、それとも実際に存在するのかエイジには判断がつきかねる。
 一方で、リイムやミイムも巨大な通路に圧倒されていた。

『凄く広い所ね!』

『おっきな魔物も出るですか?』

 ミイムは少し怯えたようにエイジを見つめる。
 エイジはその頭を撫でると。

『ミイムたちが力を貸してくれれば大丈夫さ! 一緒に頑張ろうぜ』

『みゅうう! 頑張るです、エイジ!!』

 再び元気いっぱいになるミイム。
 エイジの肩に飛び乗って、楽しそうに鼻歌を歌い始める。
 ファルティーシアはそれを見てクスクスと笑うと。

『あらあら、この子ったら』

 実際にその後、アンジェの的確な索敵能力により囲まれることも無く、壁など地形を生かしながら効果的に戦っていくエイジたち。
 幸いまだヒュドラクラスの魔物と遭遇してはいない。
 今までのような階段ではなく、ゆっくりとしたスロープで地下に繋がっていく通路。
 ラエサルとアンジェがふと足を止める。
 Sランク最強の男の精悍な横顔。

「気が付いたか? アンジェ」

「ええ、ラエサル。気配を感じる、誰かが私たちを見ているわ」
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