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妖精姫の卒業パーティー
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パーティー会場の扉が開くと騒めきが聞こえました。
ざわつく空間にエステルは弟のエスコートで、優雅にいつもの微笑みを浮かべて入場します。
軽やかな足取りは踊っているようとも称されます。
そんなエステルに周りは見惚れるか、現状がわかっていないのではないか、と囁き合いました。
全学年の生徒が集まれば学園長の挨拶が始まります。
「…卒業する事で立場が明確となり、今までとは異なる友情を築く必要となってくるが、聡明な君たちならばその自覚を持って…」
思わず吹き出しそうになって、エステルはそっとレースの扇子で口元を隠しました。
「姉様」
「ごめんなさい」
ちらっと横目で婚約者殿は神妙な顔で、学園長の話を聞き入っています。
その隣にはエステルとは異なり、肉感的な高身長な美女がしなだれかかるように佇み、やはり神妙なふりをして学園長の話を聞いているようでした。
毎年変わり映えのしない挨拶でしたが、今年は殊更「立場」「協調」「自覚」と言うワードが盛りだくさんです。
学園では自立や平等などを謳っていますが、その学園内でのトラブルは避けたいのでしょう。
当然のことです。
隣では弟が頭痛が痛い…みたいな顔をしています。
エステルだって穏便に済ませたいモノです。
しかし、現状もう無理です。
卒業式という重要な場面で婚約者を優先できない阿呆にどうやって慈悲をあげれば良いのでしょう?
どうやって始末…もといこの事態を収束しましょうか。
内心呟いたところで、学園長と目が合いました。良い歳のおじ様がちょっと泣きそうです。
ニコッと微笑みかけると学園長はより涙目になりました。
覚悟を決めて欲しいです。
学園長の長くも短くもない話が終わると、挨拶周りが始まります。
学園長を始め、教育長や先生方。
そして、身分の高い生徒。
色々言いたいことはありますが、弟にエスコートされながらエステルはいつものように、笑みを浮かべて王太子の元に向かいます。
「卒業お喜び申し上げます」
「ああ」
会話が終了しました。
エステルのニコニコしたいつもの微笑みが会場を薄ら寒くします。
面倒くさいからこのまま帰って良いかしら、という姉の心情を読み取り弟が渋々口を開きました。
「殿下、ご卒業おめでとうございます。しかし、当家は随分と軽視されたようですね」
「軽視はしていない」
「では、そちらの女性は?紹介してくださらないのでしょうか?」
「白々しい。キャスリンに嫌がらせをしておきながら!」
「キャスリン様と仰るのですね。初めまして、エステル・フォン・タリグと申します」
「存じ上げています。しかし身分に傘を着て嫌がらせなど……酷すぎます」
なんのことを言っているのか分からず、自分よりも背の高いキャスリンを見上げます。
敵意と侮蔑、妬みをチラつかせた黒い瞳はすぐに伏せられ、悲しそうな表情にクライブがキャスリンの肩を抱きました。
「君には幻滅した」
「幻滅するほどの気持ちがあったのですか!?」
本気で驚きました。クライブは昔からどこかエステルに対して苦手意識を持っていたのは知っています。
しかしそれを押し殺して夫婦になろうとするその努力は割と好きで、一生支えるのも悪くないかなと思ったが故の婚約でした。
ああ、その努力に疲れたのか、とエステルはピンと来ました。
笑いそうになるのを扇子で隠します。
弟は驚いたように、少しだけ後退りしました。
「仕事にかまけて王太子妃の勤めを蔑ろにしている君とは、婚約破棄させてもらう!」
「婚約破棄ですか…そちらのキャスリン様は殿下の恋人ですか?」
「白々しいな…僕はキャスリンを愛している。オルコット子爵の庶子であることなど関係ない!」
「まあ…キャスリン様も同じ気持ちで?」
「当然ですわ。どんな立場でもクライブ様をお支えする覚悟です」
エステルにはない胸を張り、堂々とキャスリンは言い切ります。
どこからこの自信は来るのかしら、と思いつつ笑みを浮かべてステキな恋人達を讃えます。
弟がまた一歩後退りしました。
「素敵ですね!」
心の底からの賛美です。
立場も乗り越えて愛し合う二人!
なんて素敵なのでしょう。なるほど、芝居が流行するわけだと納得しました。だから見てみたくなったのです。
怒ってもいるのでどうしてやろうかとも思っていましたが、愛の試練ならば愛し合う二人できっと自分からの試練も乗り越えてくれるはず。
舞台のようにハッピーエンドを見せて下さいな!
煌々と輝き出した姉の瞳に弟は小さく「うわっ」と呟くました。
「そう…愛し合う二人ならきっと愛の試練などなんてことありませんよね!」
そう言ってエステルがレースの扇子を閉じてポンと叩きました。
なるほど、これが悪役令嬢。
自分がまるで舞台役者になったかのような高揚感です。
「たとえ体重が増えても!」
クライブとキャスリンはふっと疲れを感じ身体が重くなります。
「禿げようとも!」
ハラリとクライブの栗色の前髪が抜け落ちるのが見えました。
「肌が荒れて、日焼けしやすくても!」
キャスリンは完璧に化粧をした肌が痛痒くなります。
「体臭がキツくなったとしても!真実の愛があれば相手の欠点も抱きしめられますよね!」
「いだだだ、痛い痛い!!」
気がつくとキャスリンの体はむちむちと太っていました。
コルセットで締め上げて女性でも見惚れるほどのラインを誇っていた身体は見る影もなく、ドレスに食い込んでいます。
それを見た学園に雇われていた使用人の一人が思わず小さく「ボムレスハム」と呟いてしまいます。
キャスリンが助けを求めるように、隣にいたクライブをみるとそこには愛しい恋人と同じ色彩の人がいました。
「誰?」
「クライブ殿下です」
ヒェ…とキャスリンが思わず声を溢しました。
ムチムチという言葉が似合うふくよかで、薄く禿げている男が隣にいたのです。
鍛えられた肉体美は?豊かで艶やかな髪は?爽やかな美貌が見る影もなくなっています。
一瞬、自分の痛みを忘れて怒鳴ります。
「どういうことよ!?」
怒鳴り散らす婚約者の愛人をエステルはキョトンと見返します。
「契約を実行しただけですわ。端的に言うと婚約中に不貞をしないという条件をつけて婚約しておりましたの、私たち」
「真実の愛は素晴らしいって言ったじゃない!?」
「ええ、もちろん素晴らしいと思っています。だからこそ手順に沿って婚約破棄するのが私にも貴女にも尽くす誠意だと思いませんか?」
ニコニコとエステルはいつものように無邪気に笑います。
後ろで彼女の弟は頭を抱えていますが、割とよくあることなのでエステルは無視しました。
「契約を違反したのでその罰を」
「私とは契約なんてしてないじゃない!」
「恋愛って一人で行うものではないでしょう。だから、殿下とそのお相手両方に慰謝して貰おうと思いまして」
「さっさと元に戻しなさいよ!」
もうちょっと見ていたかったのだけど、と思いつつ何も言わないクライブに目を向けます。
彼は視線があった瞬間、「もう嫌だ」と叫びました。
「だから嫌なんだよ!君には人の心がない!!平気で人の心を踏み躙るし、取り乱す僕らを嘲笑っているんだろう!?」
失礼なことを言われた。
スゥっとエステルの心は冷えました。どのような気持ちで、このドレスを用意したのかそっちこそわかっていないでしょう?
せめて気分の上がるものを、と用意したのです。アクセサリーも、凝った髪型も疲れるから苦手という本音を押し殺して何年も過ごしてきました。
磨かれた爪の先が輝いて、虚しい気分です。
「わかっていないのはそちらでしょう?」
無邪気な笑みはなくなり、無表情な少女がそこには居ました。
いつも朗らかな陽だまりのような雰囲気は消え失せ、氷でできた人形のように二人を見つめます。
「面倒な王宮での勉強も、人脈作りも、興味のない周辺国の歴史や言語を習うのも全部全部この国のため、貴方のためでしょう?」
私だってもっと自分のために時間を使いたかった、と告げれば、クライブは気まずそうに目を伏せます。
「そんな私の時間を無視して、王家の思惑も捨ててもキャスリン様が良いのでしょう?」
冷ややかだった声が不意に優しくなりました。
その言葉に縋るように、クライブは頷きます。体が太る現象は止まったようですが、サイズの合わなくなった服が苦しくてどうにかしたいと言う気持ちもあるため、会話を切り上げたかったのです。
「どうすればいい!?金なら払う!!」
「お金は自分で稼ぐから良いです」
良いように使われないためにも、解呪でしっかり稼いでいます。
正直なところ、明日から不敬罪で平民に身分を落とされてもやっていける自信があります。
「では、何が望み!?」
キャスリンの金切り声にやや眉間に皺を寄せながら、簡単ですよと歌うよう告げます。
「魔女の呪いを解く定番は、真実の愛のキスです!」
ざわざわと固唾を飲んで、やりとりを見ていた生徒たちの声が大きくなります。
「うわァ…エグっ」
弟が小さく呟きます。本当にこの姉は妖精気質です。
「うふふ、簡単でしょう!」
可憐に華やかにエステルが笑います。
はっとこの見せ物の面白さに気づいたお調子者の伯爵家の次男が囃し立てるように声を上げました。
「エステル様、真実の愛のキスであれば呪いは解けるのですね?」
「ええ、真実の愛のキスで呪いは解けますわ」
「では、簡単に解けますね!殿下とキャスリン嬢は愛し合ってのですから」
キース、キース!とどこからともなく囃し立てる声が響きだします。
容姿の変わった恋人同士が見つめ合います。
それをニコニコとエステルは見守ります。
解呪できるのか、その結果はーーー。
ざわつく空間にエステルは弟のエスコートで、優雅にいつもの微笑みを浮かべて入場します。
軽やかな足取りは踊っているようとも称されます。
そんなエステルに周りは見惚れるか、現状がわかっていないのではないか、と囁き合いました。
全学年の生徒が集まれば学園長の挨拶が始まります。
「…卒業する事で立場が明確となり、今までとは異なる友情を築く必要となってくるが、聡明な君たちならばその自覚を持って…」
思わず吹き出しそうになって、エステルはそっとレースの扇子で口元を隠しました。
「姉様」
「ごめんなさい」
ちらっと横目で婚約者殿は神妙な顔で、学園長の話を聞き入っています。
その隣にはエステルとは異なり、肉感的な高身長な美女がしなだれかかるように佇み、やはり神妙なふりをして学園長の話を聞いているようでした。
毎年変わり映えのしない挨拶でしたが、今年は殊更「立場」「協調」「自覚」と言うワードが盛りだくさんです。
学園では自立や平等などを謳っていますが、その学園内でのトラブルは避けたいのでしょう。
当然のことです。
隣では弟が頭痛が痛い…みたいな顔をしています。
エステルだって穏便に済ませたいモノです。
しかし、現状もう無理です。
卒業式という重要な場面で婚約者を優先できない阿呆にどうやって慈悲をあげれば良いのでしょう?
どうやって始末…もといこの事態を収束しましょうか。
内心呟いたところで、学園長と目が合いました。良い歳のおじ様がちょっと泣きそうです。
ニコッと微笑みかけると学園長はより涙目になりました。
覚悟を決めて欲しいです。
学園長の長くも短くもない話が終わると、挨拶周りが始まります。
学園長を始め、教育長や先生方。
そして、身分の高い生徒。
色々言いたいことはありますが、弟にエスコートされながらエステルはいつものように、笑みを浮かべて王太子の元に向かいます。
「卒業お喜び申し上げます」
「ああ」
会話が終了しました。
エステルのニコニコしたいつもの微笑みが会場を薄ら寒くします。
面倒くさいからこのまま帰って良いかしら、という姉の心情を読み取り弟が渋々口を開きました。
「殿下、ご卒業おめでとうございます。しかし、当家は随分と軽視されたようですね」
「軽視はしていない」
「では、そちらの女性は?紹介してくださらないのでしょうか?」
「白々しい。キャスリンに嫌がらせをしておきながら!」
「キャスリン様と仰るのですね。初めまして、エステル・フォン・タリグと申します」
「存じ上げています。しかし身分に傘を着て嫌がらせなど……酷すぎます」
なんのことを言っているのか分からず、自分よりも背の高いキャスリンを見上げます。
敵意と侮蔑、妬みをチラつかせた黒い瞳はすぐに伏せられ、悲しそうな表情にクライブがキャスリンの肩を抱きました。
「君には幻滅した」
「幻滅するほどの気持ちがあったのですか!?」
本気で驚きました。クライブは昔からどこかエステルに対して苦手意識を持っていたのは知っています。
しかしそれを押し殺して夫婦になろうとするその努力は割と好きで、一生支えるのも悪くないかなと思ったが故の婚約でした。
ああ、その努力に疲れたのか、とエステルはピンと来ました。
笑いそうになるのを扇子で隠します。
弟は驚いたように、少しだけ後退りしました。
「仕事にかまけて王太子妃の勤めを蔑ろにしている君とは、婚約破棄させてもらう!」
「婚約破棄ですか…そちらのキャスリン様は殿下の恋人ですか?」
「白々しいな…僕はキャスリンを愛している。オルコット子爵の庶子であることなど関係ない!」
「まあ…キャスリン様も同じ気持ちで?」
「当然ですわ。どんな立場でもクライブ様をお支えする覚悟です」
エステルにはない胸を張り、堂々とキャスリンは言い切ります。
どこからこの自信は来るのかしら、と思いつつ笑みを浮かべてステキな恋人達を讃えます。
弟がまた一歩後退りしました。
「素敵ですね!」
心の底からの賛美です。
立場も乗り越えて愛し合う二人!
なんて素敵なのでしょう。なるほど、芝居が流行するわけだと納得しました。だから見てみたくなったのです。
怒ってもいるのでどうしてやろうかとも思っていましたが、愛の試練ならば愛し合う二人できっと自分からの試練も乗り越えてくれるはず。
舞台のようにハッピーエンドを見せて下さいな!
煌々と輝き出した姉の瞳に弟は小さく「うわっ」と呟くました。
「そう…愛し合う二人ならきっと愛の試練などなんてことありませんよね!」
そう言ってエステルがレースの扇子を閉じてポンと叩きました。
なるほど、これが悪役令嬢。
自分がまるで舞台役者になったかのような高揚感です。
「たとえ体重が増えても!」
クライブとキャスリンはふっと疲れを感じ身体が重くなります。
「禿げようとも!」
ハラリとクライブの栗色の前髪が抜け落ちるのが見えました。
「肌が荒れて、日焼けしやすくても!」
キャスリンは完璧に化粧をした肌が痛痒くなります。
「体臭がキツくなったとしても!真実の愛があれば相手の欠点も抱きしめられますよね!」
「いだだだ、痛い痛い!!」
気がつくとキャスリンの体はむちむちと太っていました。
コルセットで締め上げて女性でも見惚れるほどのラインを誇っていた身体は見る影もなく、ドレスに食い込んでいます。
それを見た学園に雇われていた使用人の一人が思わず小さく「ボムレスハム」と呟いてしまいます。
キャスリンが助けを求めるように、隣にいたクライブをみるとそこには愛しい恋人と同じ色彩の人がいました。
「誰?」
「クライブ殿下です」
ヒェ…とキャスリンが思わず声を溢しました。
ムチムチという言葉が似合うふくよかで、薄く禿げている男が隣にいたのです。
鍛えられた肉体美は?豊かで艶やかな髪は?爽やかな美貌が見る影もなくなっています。
一瞬、自分の痛みを忘れて怒鳴ります。
「どういうことよ!?」
怒鳴り散らす婚約者の愛人をエステルはキョトンと見返します。
「契約を実行しただけですわ。端的に言うと婚約中に不貞をしないという条件をつけて婚約しておりましたの、私たち」
「真実の愛は素晴らしいって言ったじゃない!?」
「ええ、もちろん素晴らしいと思っています。だからこそ手順に沿って婚約破棄するのが私にも貴女にも尽くす誠意だと思いませんか?」
ニコニコとエステルはいつものように無邪気に笑います。
後ろで彼女の弟は頭を抱えていますが、割とよくあることなのでエステルは無視しました。
「契約を違反したのでその罰を」
「私とは契約なんてしてないじゃない!」
「恋愛って一人で行うものではないでしょう。だから、殿下とそのお相手両方に慰謝して貰おうと思いまして」
「さっさと元に戻しなさいよ!」
もうちょっと見ていたかったのだけど、と思いつつ何も言わないクライブに目を向けます。
彼は視線があった瞬間、「もう嫌だ」と叫びました。
「だから嫌なんだよ!君には人の心がない!!平気で人の心を踏み躙るし、取り乱す僕らを嘲笑っているんだろう!?」
失礼なことを言われた。
スゥっとエステルの心は冷えました。どのような気持ちで、このドレスを用意したのかそっちこそわかっていないでしょう?
せめて気分の上がるものを、と用意したのです。アクセサリーも、凝った髪型も疲れるから苦手という本音を押し殺して何年も過ごしてきました。
磨かれた爪の先が輝いて、虚しい気分です。
「わかっていないのはそちらでしょう?」
無邪気な笑みはなくなり、無表情な少女がそこには居ました。
いつも朗らかな陽だまりのような雰囲気は消え失せ、氷でできた人形のように二人を見つめます。
「面倒な王宮での勉強も、人脈作りも、興味のない周辺国の歴史や言語を習うのも全部全部この国のため、貴方のためでしょう?」
私だってもっと自分のために時間を使いたかった、と告げれば、クライブは気まずそうに目を伏せます。
「そんな私の時間を無視して、王家の思惑も捨ててもキャスリン様が良いのでしょう?」
冷ややかだった声が不意に優しくなりました。
その言葉に縋るように、クライブは頷きます。体が太る現象は止まったようですが、サイズの合わなくなった服が苦しくてどうにかしたいと言う気持ちもあるため、会話を切り上げたかったのです。
「どうすればいい!?金なら払う!!」
「お金は自分で稼ぐから良いです」
良いように使われないためにも、解呪でしっかり稼いでいます。
正直なところ、明日から不敬罪で平民に身分を落とされてもやっていける自信があります。
「では、何が望み!?」
キャスリンの金切り声にやや眉間に皺を寄せながら、簡単ですよと歌うよう告げます。
「魔女の呪いを解く定番は、真実の愛のキスです!」
ざわざわと固唾を飲んで、やりとりを見ていた生徒たちの声が大きくなります。
「うわァ…エグっ」
弟が小さく呟きます。本当にこの姉は妖精気質です。
「うふふ、簡単でしょう!」
可憐に華やかにエステルが笑います。
はっとこの見せ物の面白さに気づいたお調子者の伯爵家の次男が囃し立てるように声を上げました。
「エステル様、真実の愛のキスであれば呪いは解けるのですね?」
「ええ、真実の愛のキスで呪いは解けますわ」
「では、簡単に解けますね!殿下とキャスリン嬢は愛し合ってのですから」
キース、キース!とどこからともなく囃し立てる声が響きだします。
容姿の変わった恋人同士が見つめ合います。
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