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エピローグ
漂う結び目
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翌日、賢一は一週間の有休を申請をした。
係長の河野は春の珍事にあっけにとられた顔をし、それを横で見ていた三園は一人で露悪的な笑い方をしていた。
賢一が松江に行くことを伝えると、電話口で美砂は即座に滞在プランを並べ立て始めた。ずっとそのことを考えていたとわかって、賢一は嬉しくも申し訳ない気持ちになった。美砂の声は明るく、来訪を素直に喜んでいるのが、さすがの賢一にも伝わってきた。
直近で確保できた飛行機は、出雲便ではなく米子便だった。どちらも美砂の実家からは同じくらいの所要時間のようだ。
父親が足にしているホンダの古い軽自動車があるから、それを運転して空港まで行くと美砂は言っていた。
「迎えに行くついでに、一緒に境港を歩きませんか?」
そう付け加えた美砂の声を思い出しながら、賢一はボーディングブリッジを歩いていた。
係長の河野は春の珍事にあっけにとられた顔をし、それを横で見ていた三園は一人で露悪的な笑い方をしていた。
賢一が松江に行くことを伝えると、電話口で美砂は即座に滞在プランを並べ立て始めた。ずっとそのことを考えていたとわかって、賢一は嬉しくも申し訳ない気持ちになった。美砂の声は明るく、来訪を素直に喜んでいるのが、さすがの賢一にも伝わってきた。
直近で確保できた飛行機は、出雲便ではなく米子便だった。どちらも美砂の実家からは同じくらいの所要時間のようだ。
父親が足にしているホンダの古い軽自動車があるから、それを運転して空港まで行くと美砂は言っていた。
「迎えに行くついでに、一緒に境港を歩きませんか?」
そう付け加えた美砂の声を思い出しながら、賢一はボーディングブリッジを歩いていた。
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