ワールドデバイス 地球防衛隊 実験機動特殊部隊 Test Mobility Special Forces

MA九蛇

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Act-4 地球防衛隊の命に従い、この養成所を襲撃す。

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 あれから2日。
 俺は日本のカルト教団、改造人間養成所東方アジア本部で目を覚ました。
 周囲は緑に覆われている。と言っても、大自然の綺麗な、あるいは汚い緑ではない。この世に存在すること自体憚られそうなおぞましい緑、だ。
 まあ見た方が早いんだがな。この緑は生命維持タンクの中に満杯まで入れられた蘇生液の色。そういや、殺し屋とか言う組織もこれを使ってるらしいが。
 その組織が何なのか俺は知らないし、どのような用途でこの液体が使用されてるのかすら知らない。そもそも知ろうとなんぞ微塵も思ってないが。
 で、何故俺がこんな見るもおぞましい口にすることさえ憚られる緑、とか何処かのどいつかが評したこのタンクの中にぶち込まれてるかと言うと、それは勿論、グールwithボマーエッジとの戦闘で大怪我を負ったからだ。
 カルト教団に回収されたばかりの俺は爆破のせいでほぼ全身に火傷が出来ていた。ように感じるな。知らんけど。
 まあ大体そんなところである。どんなところだ?と思った奴は最初から読み直せ。うん。そんなもんだ。
 話を戻そうか(最初から話逸らして無かったか?とか思ってはいけない)。
 勘の良い人のお察しの通り、俺、ヨンム・グレイスこと試作装甲人間<プロトアームド>はグールwithボマーエッジと相討ちになって倒れた。俺が奴の横腹をレールガンでぶん殴ってやったのと同じタイミングで、奴は俺の腹に爆発を喰らわせた訳である。ありゃ随分痛かった。喰らってすぐに意識が吹っ飛んだ位の痛みが俺を襲った。
 で、装甲越しに火傷を負った俺は、倒れてすぐに中国の東方アジア支部の奴等に回収された。そこですぐに日本の東方アジア本部に送られて、全身の装甲を外された後すぐに生命維持タンクにぶち込まれた訳だ。
 ちなみに口元に酸素ボンベのホースのおまけ付きである。正直、気持ち悪いことこの上ない。
 まあ俺の回復を早くするためだしな。我慢我慢。
 にしてもやることが無いと言うのは随分暇だ。回復したらすぐにリーファ・デイス(ここでは音響人間5号<フィフス・ノイズ>と呼ばれている。ハズだ)に会いに行こうと思う。幼馴染みなのだが最近会って無いしな。最近お互い(主に俺が)忙しくて会えていないと言うのが事実ではあるが。
 さて、暇な時は寝る、というのが俺の信条なワケで。だから寝ようと思う。
 と寝ようとした次の瞬間、生命維持タンクが勢い良く開き、口から酸素ボンベのホースが外れた。
 安眠妨害は犯罪です。皆さん、訴えましょう。
 蘇生液は空気に触れると、一気に蒸発した。俺は地面を踏みしめたものの、立つのが久しぶり過ぎてバランスを崩し転倒した。
 「ふふん、試作装甲人間<プロトアームド>とも有ろう御方がすってんころりと転倒なさるとは。まあなんともざまあない。」
 そう言ったのは、東方アジア本部に所属する養成所員の1人だった。
 「五月蝿い。それより早く装甲を俺に着けろ。」
 「ところがな、あんたは眠らせて置けというボスのご命令でな、ちなみに...」
 そう養成所員が言うと、後ろにいた戦闘員達が銃口を一斉に俺に向けた。
 「反抗した場合の保証はしかねるぞ。コイツら全員、お前ら改造人間に仲間を大量に殺されて復讐の機会を待っていたところだしな。クックック...」
 戦闘力だとコイツらから見たら俺は変人だろう。いや、奇人か。だが、俺から見たこの養成所員は性格で奇人に分類された。
 大体、こんな銃器で俺を殺せるか、とは思ったものの、バトルスーツを身に付けていない今の俺は魔法が使えること以外は普通の人間だった。ようは、撃たれたら死ぬわけだな。
 「チッ、面倒だな。」
 「フッ、面倒だろうと寝ておけ。さあ、行くぞ!っとぉ、1つ言い忘れてた。ボマーエッジのことだがなぁ。奴は右手が新しくなってまたまた任務に出掛けてったぜ。ま、お前さんはあくまで試作だからな。休んだ後でもデータ集めに使われた後は捨てられる運命って訳だ、ヒヒヒッ。」
 「な、何だと・・・!?」
 そう呆然とした俺を置いて、そいつらはきびすを返し研究室に向かった。



 「ほう、此処が、ねぇ・・・。」
 ビームマシンガンを手にした男がそう呟く。
 男は、1大隊を引き連れてハルトーズコーポレーション本店ことカルト教団の改造人間養成所の前に立っていた。
 彼らは地球防衛隊である。地球防衛隊とは、すなわち地球にパラレルワールドからやって来た生物を排除、つまり殺害する機関の名称だ。そんな地球防衛隊が何故改造人間養成所の前にいるのか。
 理由は簡単だった。改造人間養成所は、カルト教団の神の名の元に、パラレルワールドから人間を連れてきて強化元にしたり、改造人間をパラレルワールドに送り込んだりしていたのだ。
 そして、それを良しとしない地球防衛隊は、1大隊を差し向けて改造人間養成所東方アジア本部に攻撃を仕掛けることを決定したのだった。
 「で、何て宣戦布告しよーか。」
 男が言うと、
 「そんな行為をするよりもさっさと攻撃した方が良いと思われます。」
 男(恐らく大隊長)の傍らにいた女がそう言った。
 「いいや、それはいけないねぇ、プライド懸けて勝負するなら宣戦布告くらいしっかりしとかないとさ、ね?」
 「御意。」
 「そうだなあ、此処をこれより我らは襲う!逃げるなら今の内だぜ!とか?」
 そう言って男は笑った。こんな変人が大隊長になれたのは、彼が地球では珍しく空気中のマナを操作できる、つまり魔法が使用できる者だったからに他ならない。
 地球では魔法の使用法を確立させる者が死に、科学を確立させる者が死ななかったために、科学が先行し魔法はほとんどの者が使用できなかった、又は使用すること自体不可能だったのだ。
 魔法の使用法を地球上の一部の人間が知ったのさえ最近である。
 そういうワケで、彼は今の地球防衛隊の中では外界戦闘特殊部隊CASF(カウンターアタックスペシャルフォースの略)の隊長マルコ・フェル・レッツァーとその隊員や世界各地の潜伏している異世界の住人を殺す全員殺し<オールキラー>ハルミ・ユースリーズに次いで貴重な存在なのである。
 「それよりも、隊長、耳をお貸し下さい。」
 そう言い、彼女は大隊長である男に耳打ちした。
 「成程ねぇ、その宣戦布告でいこうかぁ。」
 そう言うと大隊長はルーンの詠唱を始めた。
 「よし、これで数分間声がでかくなったっと。」
 大隊長本人は小声で話しているつもりだが、その程度の発生でさえ大声になっている。
 「全員、隊長から離れろ!」
 女が言いつつ、自分も離れる。
 「人間を自由自在に異形にしてしまう悪魔達よ!地球防衛隊は貴様らの存在を望まぬ!」
 辺りに大隊長の声が響き渡る。地球防衛隊の存在、改造人間養成所の存在すらも知らない一般市民が次々と窓の外を見てその光景に驚愕する。
 「よって!」
 大隊長は尚も語る。と言うか叫ぶ。
 「地球防衛隊の命に従い!この養成所を襲撃す!!!」
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