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第9話
しおりを挟むアリスの言葉は多分本当だろう。サリオルはそう判断した。もし今の言葉や表情が全て演技なのだとしたら大した役者だ。アリスの言っていることが本心だとすると面白くなってくる。
「ーーと、いうことみたいだが宰相よ、どうする?」
そうサリオルはニヤニヤ笑いながら、茫然自失としていたイアンに問いかける。
「……どうもこうもありませんな。」
「なんだ?いたいけな少女が勇気を振り絞って告白してくれているのだぞ?お前もそろそろいい年なんだ。考えてみてもよいのではないか?」
「……はぁぁ~。聖女よ。」
「!はい!」
「1つ聞きたいのだが、君は何を褒美にもらおうとしていたのかね?なぜこの時まで黙っていた。」
「そういえばそうであったな。」
そう言いイアンは彼女を睨みつけ、王もそういえばと思い聖女を見る。他の者達も聖女が何を求めるのか気になっている様子だ。
「今日に話そうと思った理由わぁ~、宰相様に関することだからぁ~みんなに知っててもらいたいって思ったからですぅ~」
「何だ?宰相との結婚か?」
「っっ陛下!」
「っっ///違いますぅ~!私わぁ~政略結婚とか~愛がない結婚とか~貴族の方がしちゃうのは義務とかいろいろなことがあるから仕方ないことだって思いますけどぉ~。私わぁ~愛のある結婚をしたいんですぅ…」
「ほう。」
「そしてぇ~宰相様をドロドロのベタベタに甘やかしてあげたいんですぅ~」
「「「「「……」」」」」
「だからぁ~私の希望わぁ、……宰相様とのお見合の場が欲しいんですぅ!!」
アリスの声が響き渡る。一瞬アリスが意味不明な言葉を話していたような気がするが、たぶん気のせいであろう。そう皆んなが結論付けたとき、アリアが尋ねる。
「…お見合い?」
「そうですぅ。1回だけじゃなくて3ヶ月くらい猶予もほしいですぅ。」
次にサリオルが
「…3ヶ月?」
「はい~」
「なぜ?」
「宰相様を落とすためですぅ!」
サリオルからの問いかけに握り拳を作りながらアリスが気合を入れて答える。
「「「「「………」」」」」
しばらくの沈黙の後。
「フッ…フハハハハハ!!よかろう!そんなことでよいのならばすぐに許可しよう!」
「ほんとですかぁ!!ありがとうございますぅ!!」
「っ陛下!!何を勝手な!」
「良いではないか。だが聖女よ。もしその3ヶ月の間に宰相を落とすことができなければどうするつもりだ?」
サリオルは面白そうに問いかける。
「それは大丈夫ですぅ!」
「ほう!何を根拠に?」
「根拠はないですけどぉ、絶対にイアン様のことを落として見せますぅ!そのために今日のこのパーティで宣言したんですぅ。」
「ハハ!そうか、そうか!」
サリオルは愉快そうに笑い、イアンは頭を抱えている。そしてアリスはニコニコ微笑んでいる。
「はい~。絶対に落として見せますぅ~」
そう言ったアリスはみんなが見れば癒されるような笑みを浮かべているはずなのに、その目は捕食者のような目をしていた。それに気づいた者たちはすぐさまアリスから目を逸らし、宰相は悪寒に震えた。
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