不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター

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96.生理的に無理っす…

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「ぐぉぉおおおおお!! グッ……ガッ……ハッ……くぅぅうっ……っっ~~~!!!!」


「「か、かしら!!」」


 三下A、Bが慌てて股間を押さえ、倒れ悶絶しているバーカルに駆け寄る。でも、俺はもうダメだ。


 シクシクシクシク……


 もう俺バーカル生理的に無理っす。もとからそうだったっすけどもう完全に受け付けなくなったっす。


 シクシクシクシクシクシクシク……


 起き上がり、座ってズボンを履き直して泣く。足にバーカルのバーカルを蹴り上げた感触が生々しく残っている。涙が出てくる。悲しい。


「て、てめぇ大事な男の象徴になんてことすんだ!!」


「ひでぇじゃねぇか!!」


「っうるさいっす!! あんたらだって俺と同じ状況になれば同じことしたっすよ!!」


 ゴロゴロと転がったり毛虫のように屈んだり反ったりを繰り返しながら呻き声をあげ続けるバーカル。そんな自分達のかしらを見て、青ざめた顔で三下達が怒鳴ってくるが俺はなにも悪くない。


 あんな気持ち悪いことをされて、言葉かけられ続けたらもう仕方がないっすよ! お前らも俺と同じ目に合えばいいんっす。絶対に俺の気持ちがわかるっすから! それに一番可哀想なのは布越しとはいえ汚いモノを触ることになった俺の足の方っすよ!!


「ひっ……ぐぅっ……くぅぅ……」


「…………」


 ……だがバーカルを見てみれば本当に痛そうに苦しんでいる。


「……!」


 グッジョブっす俺の足!


 俺の右足が可哀想な足から偉い足になったところで三下Bがまた怒鳴る。


「てめぇ! まだ状況がわかってねぇようだな!!」


「うっさいっすよ!」


 そんな男に、俺も負けじと怒鳴り返した。さっきは油断したがもう同じようにはいかない。貞操の危機なのだ。立ち上がり、また殴って押さえつけようとしてくるのならその前にバーカルと同じ目に合わせてやるっと強く意気込み男達を睨みつけた。


 俺はやればできる子っす!


「っく……て、てめぇ……」


「ふ……ふ、ふふふふふ。い、いいんですよ」


「か、かしら?」


 下半身を露わにしているバーカルから距離を取るためか、若干腰が引けてる三下A。そんな三下Aに支えられるようにして立ち上がったバーカルは、笑っているがその額には脂汗が浮かんでいる。


「は、恥ずかしかったんですよねツキさん。……ふ、ふふ、そ、そうですよね、ぼ、僕もことを急ぎ過ぎたんです。やっと手に入った喜びを抑えきれずすみませんでした。こ、ここはツキさんのためにもじ、時間をあげます」


「誰も恥ずかしがってないっすし、時間もいらないっす!! それ以上近づいてきたら今度こそそのブツぶっ潰してやるっすからね!!」


 ガシガシ地面を踏み付けグリグリ擦り潰す。反射的にといえども思いっきり入った感覚がある。そのためバーカルも無理矢理にでも続きをしようとする気力はないようで内心ホッとする。表には出さないが!


「ふ、ふふ、い、威嚇しているツキさんも可愛いです、ね。で、ではまた後で伺いますのでそれまでいい子で待っていて下さいね」


 顔に浮かぶ笑顔を引き攣らせながらバーカルは内股気味の前屈みになりながら三下Aに支えられ檻の外に出る。そして、三下Bがガシャンと檻に鍵をかけた。


 …………あ、


「ここから出すっす!!」


「それはダメですよ。あ、でもこれは返してあげます」


「!」


 バーカルが投げてきた物を反射的に受け取れば、さっきとられた指輪だった。


「なんで……」


 いつの間に拾ったのか。返してくれるのはありがたいが、わざわざ返してくるなんて何かあるのかと疑ってしまう。


「だって、それ壊れてますし」


 まだ顔を引き攣らせながらも、バーカルはあっけらかんと言う。壊れていると言っても魔道具だ。もしかしたら直るかもしれないのになんと不用心な。これがボスから貰った物で俺の大切なものだということも察しているはずだ。なのにどうして意地の悪いバーカルが返してくれるのかわからず警戒心はMAXだ。


 変なことされてないっすよね?


 指輪を持ち上げきょろきょろと確認する。


「言っておきますけど別に何もしていませんよ? さっきも言った通り、その魔道具は壊れていて、なんの脅威にもなり得ませんので返してあげます。こんな優しい私に惚れ直したでしょう?」


「全くっす」


 踏みつけた恨みも、ボスを侮辱した怒りも俺は忘れてない。それに惚れ直すもなにももともと惚れてなんかない。


「ふふ……そんな睨まないでください。僕の僕が頑張って復活しようとしちゃうでしょう? ……ハァハァま、まだ痛いんですから」


「………………」


 また興奮してきたバーカルに顔を無に戻して背中を向けた。バーカルの方を見ていたら嫌でもバーカルのバーカルが目に入ってくるのだ。


 敵に背を向けるのはもうダメってわかったっすけど、これは仕方のないことっす。早くズボン履けっす!


「ふふ、じゃあツキさんまた後で。今度こそ楽しい大人の遊びましょうね……ハァハァハァハァハァハァ」


「…………」


 きもいっす。ボスぅぅ……


 離れているとはいえ聞こえてくる荒い息にここにはいないボスへと思いを馳せ、ホロリと涙をこぼした。ズルズルと引きづられ去っていくバーカルの音に早くいなくなれと念を込めていると、


「あ、そうだ。ラックが助けに来てくれるとは思わないで下さいね?」


「え?」


 ボス?

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